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【絵日記】こんなコロナなご時世ですが#こんコロ2021

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2021年4月25日から、「こんなコロナのご時世ですが2 #こんコロ2 」を連載します。 2020年春、緊急事態宣言発令を受け、mokumoku studioはこの未曾有な時間を…
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【絵日記#こんコロ-DAY139】 耳の穴に水

文 掛田智子 絵 ちから 風呂に入った 久しぶりに耳に水が入っている 風呂の中でぴょんぴょん跳ねてみる だめだ 抜けない 風呂の外でも跳ねてみる 必ずいるのにな 水滴が だめだ まずバスローブを着よう 今もまだ抜けない 片耳がほわんとしている まあいいか 今夜はしごとはないし ほわんとさせとくか 子供の頃は怖かったな 耳や鼻の穴は 自分のものなのに 暗黒の闇

【絵日記#こんコロ-DAY126】 ピアノが弾きたい

文 掛田智子 絵 ちから ピアノを買うことを検討している 子供の頃に習っていて 高校ぐらいでやめてしまった 大人になっていまとてもピアノがやってみたい 私が子供の頃には候補にならなかった電子ピアノ 集合住宅暮らしにもやさしくボリュームコントロールもできるしヘッドホンで練習できる 鍵盤の重さも調整できる この日常の中に ピアノを弾くということを 組み入れられたら素晴らしい ああ ピアノを買おうよ

【絵日記#こんコロ-DAY125】 洗濯物の美学

文 掛田智子 絵 ちから 洗うはよし 干すはよし 洗濯が好きだ 天気予報をモニタリングし いつ洗濯をするのが最も効果的か 頻繁に 考えている そしてその行為が嫌いではない アメリカの出張者が移動中に聞いた 日本の人々は貧乏だから 乾燥機が買えないから 洗濯物を外に干しているの 怒り狂う思いを抑えながら答えた 我々は 太陽の恩恵を最大限得ているの 最近は数時間で乾く 快感そのものだ  太陽を浴びたタオルに顔を今夜も押し付ける

【絵日記#こんコロ-DAY124】 ちょうすけ

文 掛田智子 絵 ちから 今日はちょうすけの命日だ 3年前ちょうすけという愛のかたまり 愛の世界が わたしたち家族からすり抜けて その消えてしまった空虚がどうしようもなくつらく ただただちょうすけには わたしたち家族は 言葉にできないほど 愛しているよ うちに来てくれてありがとう 伝わっていてほしい なんて人間のエゴかもしれないけれど その存在が愛おしすぎて それはもう圧倒されるレベルであり 3年経った今でも ずっと泣いているよ 形あるものはいつかなくなるという

【絵日記#こんコロ-DAY123】 お父さんお誕生日おめでとう

文 掛田智子 絵 ちから 美大生だったころの父に会ってみたいと思う のっぽさん帽子に ベルボトムのパンツ 晴れの日に傘を差して歩いていた わたしが描く絵とは全く違うテイストだけれど 両者を知る人に言わせると わたしの絵に父のタッチを感じるらしい うすうす私も気づいていた 考え方や性格は違うけれど 私の背骨には父の思考やアイデンティティがしっかりと通っている そこから血管や関節に分岐してわたしになっているけれど  鏡には父が映る時がある 父という膨大な歴史の上にわた

【絵日記#こんコロ-DAY122】 リモート業務における服装についての考察

文 掛田智子 絵 ちから リモートでの仕事が増えると 服選びに困る 一日中座っているならゆるい服がよいし 締めつけない心地よい素材がよいし なにより暑いし かといってゆるすぎると 気持ちがゆるむ きがする 勝って兜の尾を締めるとも言うぐらい 気持ちとアウトフィットは相互関係がある 鏡をふとみた時に よしわたしきょうもかわいい 少しでも思えるように でもゆるいのがいいんだ でもゆるすぎるのはだめなんだ バランスはむずかしい