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【絵日記】こんなコロナなご時世ですが#こんコロ2021

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2021年4月25日から、「こんなコロナのご時世ですが2 #こんコロ2 」を連載します。 2020年春、緊急事態宣言発令を受け、mokumoku studioはこの未曾有な時間を…
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#創作活動

【絵日記#こんコロ-DAY39】 10代の終わりは沖縄で過ごした

文 掛田智子 絵 ちから 絵が描けなくなった 初めて心が疲れている自覚 自分でも自分にどうにか手当が必要だと感じた スーツケースひとつ キャンバスと絵の具も 海に1人で行くのは初めてだったかもしれない 波照間の海は 見たことない色をしていた  地球って丸かったんだな 初めて実感したかもしれない こんなに静かな所に来たこともなかった 海は大きくて 安らかで 厳しくて こっちにおいで こっちにくるな 恐怖にも似た感動で 立ちすくむ 水に近づく一歩一歩に 勇気が必要だっ

【絵日記#こんコロ-DAY38】 鏡を見る時間が足りない

[文 掛田智子 絵 ちから] 10代の頃はいつまでもいつまでも鏡を見て過ごしていられた 自分を魅力的だと思っていたし、さらに魅力的になるにはと鏡を覗き込んだ 鏡を通して見ていたものは自分であり、同時に自分ではない何かだったのだろう 手鏡でなくてはならない 自分が1番魅力的に見える角度があり その角度に手鏡を調整し自分を見つめた 見たくないもの いらない要素は見えないように それは近視眼的で 自分との対話をする時間でもあり 自分という鏡面を通して どこかにいってしま

絵日記「こんコロ」延長宣言

絵本とアート制作で生活していこうと、去年の4月1日付けで税務署にmokumoku studioとして屋号を申請した矢先。1回目の緊急事態宣言が発表されてあれやこれや。今は3回目の宣言真っ只中。この期間、昨年はドキュメンタリー漫画を、今回は絵日記「こんコロ」を毎日アップしている。 展示や人と会ったりというのが制限され、人の流れも滞りがち。実物の作品をギャラリーなどで発表するというのが厳しい状況。去年はそんな中でも漫画のほか、オンライン販売の企画に参加したり、絵本の原作4本を作

【絵日記#こんコロ-DAY33】 心を亡くすと

予定をつめつめに 頭もつめつめに 予定から予定へ 忙しくしていると 心がなんだかシンシンする 置いてけぼりになってどこか居心地がわるい でもそんな心のきしみなんて置き去りで なんたって心を亡くしているのだから 予定から予定へ 飛び移るように急いで せっかくの雨音や 紫陽花や 美味しそうなおむすびや 大好きなあの人の歌も 入れ込む器がないよ なんなって心を亡くしているのだから

【絵日記#こんコロ-DAY32】 鳥を想う

鳥がよくやってくる おしゃべりな鳥 隣の家の屋根の上のアンテナだかなんだかにとまる かわいい声でぴいひょらぴぴくくぴー カクカクしたそのアンテナだかなんだかから聞こえる声としては とても自由で伸びやかで なにかを仲間に伝えようとしているんだ 風がくるぞ 雨がふるぞ 敵が来るぞ 猫が庭に出ているぞ どんなことを伝えようとしているのかな きっとこの頭のボックスで考えても行き着かない 言葉とは不便なもので 伝える表現道具でもあれば 自分たちの思考を縛る制約でもある 私

【絵日記#こんコロ-DAY31】 グレイはグレイのままに

以前も年齢に関して書いた。 社会が定義する年齢層に適した行動や身だしなみ、 私は誰かが決めた定規に影響されたくない。 私は私が自分の身体を定義したいと思っている。 それは簡単なことではない。 難関の一つはグレイヘアだ。 20代の前半から体質的に白髪があった。 ここ数年で著しく増えてきた。 気にして部分的に生えては染め生えては染め、 繰り返していた。本当の自分の身体を否定しているような気分で、なんだか恥ずかしかった。 最近伸ばしていた黒髪に ハイライトを入れた。全体的に