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【絵日記】こんなコロナなご時世ですが#こんコロ2021

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2021年4月25日から、「こんなコロナのご時世ですが2 #こんコロ2 」を連載します。 2020年春、緊急事態宣言発令を受け、mokumoku studioはこの未曾有な時間を…
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#日記

【絵日記#こんコロ-DAY119】 Head to toe

文 掛田智子 絵 ちから ぽわんとしている 全身がおもだるい 目を閉じてみると イグアナの滝が全身を駆け巡る つぶつぶが勢いよく 頭からつま先まで ひと方向に流れる 音はない 足の指につぶつぶを感じる 肩にも移動する 肩のあたりは特に重い こめかみにもつぶがある おでこから後頭部に移動する 今日はつぶつぶが消えるまで 観察する

【絵日記#こんコロ-DAY29】 今週は忙しい。(明日から働きたくない)

なんだってどうだって。 今週が終われば、来週だけは。 これこれは私のキャリアにどうのこうのでコロナだのなんの。もう正しいタイミングなんて。 ビールは梅雨の時期こそどうの。 オリンピックは今年は安全だとかどうの。 あなたは私の感情逆撫でていかが。 日も暮れあなたとわたし。

【絵日記#こんコロ-DAY28】 今日も洗濯物が乾かない

朝目覚めて、空を見上げる。 ああ、今日も洗濯物が乾かない。 いや、天気予報がどれだけ雨と叫ぼうとも どんより雲が空を覆ってても 決めたんだ。私は今日洗濯すると。 決心は揺るがない。 お風呂上がりにふわっとしたタオルに顔をうずめたい。私欲野望に溢れたこの世で、ささやかな望みじゃないか。それには太陽さんの力が必要なんだ。 私は洗濯が好き。 気持ちがさっぱり「やった感」があるからだ。 洗うが易し。干すが易し。 乾くのが、こんなに大変だとは。 少しだけ、おひさまがさして

【絵日記#こんコロ-DAY27】 もやもやをもやもやのままにする勇気

スーパーのお惣菜売り場をぐるぐるする。 お腹がすいていて、今日は何も作りたくないとわかっている。 他の店を探求する時間も体力もない。 お惣菜売り場に並ぶ品物は美味しそうではあるが、どれもピンとこない。 ぐるぐる何度まわっても品物が変わるわけではない。 結局妥協していくつか晩酌のつまみになりそうなお惣菜を選び、カゴにいれる。 何を食べてもしっくりこない。体も心も満足していない。 朝、出かける前に鏡の前で格闘する。 何を着ても似合わない。 何を着たいのかわからない。 この

【絵日記#こんコロ-DAY26】 年齢、ぐわんぐわん

私もいよいよ、社会的な定義だと「いい歳」と呼ばれる年齢になったのだろう。 大人がよく言う、歳のこと。 歳をとったから歳なのだから歳なのに。 私は無関係だし、これからも関係なく生きる。 身体の変化を感じる。 私の皮膚、血液、髪、爪。 一緒に生きて、呼吸してくれてる。 皮膚は私と社会を結びながら隔て、髪は私とは何者かを私の代わりに静かに叫び、胃は私の心が食べすぎたなにかを懸命に消化する。 時にははしゃぎすぎてる夏の子どもであり クリスマスを待ちわびる老婆であり 制服をカ

【絵日記#こんコロ-DAY4】4と5は両想いで7はキザ野郎

子供の頃は、いくつぐらいまでだろう、手のひらが自分のプレイグラウンドだった。 その得体の知れない物体を見つめ、始まったばかりの生命みたいな感覚と、自分という訳のわからない感覚と、そこにある身体とよばれる1部を恐れては、たまに忘れ、眺めてはぼうっと考えとは呼べない何か抽象的な物語を断片的に、その手のひらに投影していた。 持て余していたのかもしれない。世界という物が覆いかぶさって、大人は優しくも、訳がわからなかった。 考えとは呼べない抽象的な物語の断片は、数字から始まった

【絵日記#こんコロ-DAY3】こんなに飽きっぽい私が続けている唯一の事

朝食には納豆と目玉焼きとご飯を食べる。必ず食べる。 いや、1年に1、2度ほどスキップするかもしれない。体調が悪かったり、前日にあまりにもヘビーな物を食べすぎて膨満感にあふれている場合。海外にいる場合。 それ以外は毎日納豆と目玉焼きとご飯を食べる。海外に行って何より恋しくなる日本食が納豆、目玉焼き、ご飯である。これはもう儀式であり、作法がある。 まず目玉焼きを作る。フライパンに多めにオリーブオイルを入れ、低温のうちに卵を割り入れる。そして周りの白身が程よくカリカリになり、