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【絵日記】こんなコロナなご時世ですが#こんコロ2021

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2021年4月25日から、「こんなコロナのご時世ですが2 #こんコロ2 」を連載します。 2020年春、緊急事態宣言発令を受け、mokumoku studioはこの未曾有な時間を…
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2021年4月の記事一覧

【絵日記#こんコロ-DAY6】懐かしくてきゅんとするなくなって立ちすくむ

大好きで仕方なくて、無くなってしまった時にあまりのショックに事実を処理しきれず、その場に立ちすくんでしまった経験が、みなさんはあるだろうか。 私はある。 広島金座街にあったパフェのツチイ。パフェ専門店で、考えつくことのできるありとあらゆるパフェを楽しむことができた。チーズケーキがどんと乗っているもの。フルーツで埋め尽くされたもの。モンブラン。チョコレート。グラタンなど食事系も置いてあった。そこはまさに夢の国で、店頭のサンプルを見ているとわくわくして目移りする。 アン

【絵日記#こんコロ-DAY5】赤い球団のこと彼らがもたらしているもの

私はカープ ファンだ。 カープグッズなどを持っていると、やはり東京においては「カープ女子ですか?」と聞かれることが多い。その時は「いいえ、筋金入りのカープ ファンです」と答えるようにしている。 元々父が野球をしていて、もちろんカープ ファンであるということが大きい。 彼がもっと若かった時は気性が荒く、カープが負けると必ず機嫌が悪い。 子供ながらにカープの試合の結果を気にし、父との距離を推し量っていた。 数年前に何十年ぶりに優勝した時は涙した。 こんなに良いことが人生で

【絵日記#こんコロ-DAY4】4と5は両想いで7はキザ野郎

子供の頃は、いくつぐらいまでだろう、手のひらが自分のプレイグラウンドだった。 その得体の知れない物体を見つめ、始まったばかりの生命みたいな感覚と、自分という訳のわからない感覚と、そこにある身体とよばれる1部を恐れては、たまに忘れ、眺めてはぼうっと考えとは呼べない何か抽象的な物語を断片的に、その手のひらに投影していた。 持て余していたのかもしれない。世界という物が覆いかぶさって、大人は優しくも、訳がわからなかった。 考えとは呼べない抽象的な物語の断片は、数字から始まった

【絵日記#こんコロ-DAY3】こんなに飽きっぽい私が続けている唯一の事

朝食には納豆と目玉焼きとご飯を食べる。必ず食べる。 いや、1年に1、2度ほどスキップするかもしれない。体調が悪かったり、前日にあまりにもヘビーな物を食べすぎて膨満感にあふれている場合。海外にいる場合。 それ以外は毎日納豆と目玉焼きとご飯を食べる。海外に行って何より恋しくなる日本食が納豆、目玉焼き、ご飯である。これはもう儀式であり、作法がある。 まず目玉焼きを作る。フライパンに多めにオリーブオイルを入れ、低温のうちに卵を割り入れる。そして周りの白身が程よくカリカリになり、

【DAY2:絵日記#こんコロ】白い吊り革か 銀色の棒か

電車の中のアナウンス。「急病のお客様を救護した関係で四谷駅には4分の遅れで到着です。お急ぎの中ご迷惑をお掛けし大変申し訳ありません。」青ざめた顔で倒れ込む人を想像する。隣の人がため息をつく。どうせ。いや、ため息なんて聞こえなかったのかも。自分の中でそんなシーンを作りあげただけかも。どうせ。 交差点で人が行き交う。先週より人の数が増えている。減っている。それぞれのやらなければならないことをこなすため、急ぐ。歩く。どうせ。 線路脇に植えられた緑を見る。この木は何を考える。

📚絵日記はじめました #こんコロ2021

<Tomoko from mokumoku studio> 2021年4月25日から5月11日まで、「こんなコロナのご時世ですが2 #こんコロ2」を連載します。  2020年春、緊急事態宣言発令を受け、mokumoku studioはこの未曾有な時間をアーティストとして記録に残すため「こんなコロナのご時世ですが #こんコロ」を連載しました。 そして約1年後の2021年4月25日から3度目の緊急事態宣言が発令されました。同じ危機的な状況でも1年前とは確実に違う。環境も私た