「子どもが好き」

 「子どもが好き」ってなんだろう。私は、昔、未就学児から高校生まで幅広い年齢の方と関わる機会があったこと、先輩後輩という括りがあまりない活動に参加していたことという背景があるからか、自分より年下の子と仲良くなることが多い。でも、私は「子どもが好きか」という質問に対して、YESと答えるのも、NOと答えるのも違和感がある。人間を子どもと大人、2つにわけて、それに好きか嫌いかと感情をつけることって、すごく難しいことだと思う。自分の根底にあるのは、人はみんなそれぞれ違うという単純なものなのだと思う。世界史の話で、子どもという括りがなくて、「小さい大人」だったところから、子どもという名前がついたことで、子どもは、守られるべき/保護される存在になったと聞いたことがある。今も児童労働は法律で禁止されてるし、私にみえる範囲の人々は児童労働はいけないことだという倫理観があるように感じる。そう考えると、子どもという言葉は大きくて、重大な役割を子どもと持っている。ただそれのさらに先で、もっと「子ども」を守ること、彼らが子どもである今だけじゃなくて、彼らがおとなになったときまでずっと持っているものを守りたい。「子どもが好きか」という質問には、子どもという言葉で、そこにあるひとりひとりが一色で塗り分けてしまう効果があると思う。私は、そんな言葉にささやかに抵抗したい。一色に塗り分けることは、分かりやすさと引き換えに、目の前のものが何なのかをみえにくくしてしまうんじゃないか、と思う。


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