共起ネットワーク図

計量テキスト分析でウェブ小説を読み解く

ウェブ小説を投稿している方には、
「もっと上手く小説が書けるようになりたい!」
と思っている方も多いかと思います。

でも、「もっと上手くなる」ためには「気付き」が必要だと思います。

ここが下手だったんだ!
ここが魅力だったんだ!

そういった気付き、発見は小説を上達させてくれるはずです。
そして計量テキスト分析は、その「気付き」を作者に提供できる素晴らしいものであると私は思っています。

なのでこの記事で、
「ぱっと見でわかる、計量テキスト分析の楽しさ・ヤバさ」
をお届けしようと思います。

共起ネットワーク

線で結ばれている単語は、近くに出現する傾向にあることを示しています。
要するに、単語同士の関係が見られるのです。
コンピューターを用いた計量テキスト分析なら、単語同士の関係を上のような図にして出力することが可能です。

ぶっちゃけこの図を使って小説の分析をすることは少なめです。
ただしこの分析から有用な情報が得られる時というのは、小説に不備がある時が多いと感じます。

たとえば、
「作品のテーマ的に重要な語なのに、他の語とのつながりが薄い」
ということがわかった時には、
「テーマをはっきりと語れていないのではないか?」
と仮説が立てられるわけです。

クロス集計

文章中に特定の単語が出てきた割合を折れ線グラフにして表示した図となっています。
このクロス集計という手法はストーリーを分析する際に用います。
この図からは、小説の見どころや、面白さに欠ける場所を発見できます。
特定の単語がたくさん出ている部分は面白い、どの単語も出ていない部分はつまらない、と推測できます。

つまるところ、
「話の本題や魅力とは関係ない話をしている部分をあぶり出すことが可能」
ということです。

対応分析

図は、私と友人の小説を比較した図となります。
線の交わっているところを原点として、誰がどのような語を使う傾向にあるのかを図にしています。
これを活用すると、知り合いの文章の良いところを盗みやすくなります。
また自分が手癖で使っていた語や使わないでいた語に気付けます。

上の図では複数の作者を比較していますが、
一つの小説で、序盤中盤終盤を比較するようなこともできます。

このサンプルだと全4話ですが、もっと話数が多い場合は、
どの話とどの話が、近しい関係にあるのか推測するのに役立ちます。
この図の小説だと、1話はそれ以外と比べて、物語られている内容が異なっているとわかります。
事実、1話だけは舞台設定に関する話、つまり物語を進めるための下準備のような話になっています。

このように、各話の特徴を手早く確認するのに役立つことでしょう。

まとめ

計量テキスト分析は、普通に読み解くのとは別の視点で小説を見れる!
というのが最大の強みです。
小説単体に留まらず、他の作者との比較さえできます。
そしてそれらの分析の内容を、図にして見れるところも非常に楽しいポイントです。

なのでウェブ小説を投稿されている方々と計量テキスト分析は相性が良いはずです。

計量テキスト分析を活用すれば、小説を上手く書くための新しいヒントを得られる。
そう私は確信しています。

私が用いているソフトは「KH Coder」で、なんとこれはフリーソフトです。
(http://khcoder.net/)
つまりノウハウが整備されれば、多くの方がこの恩恵にあやかれるのです。

というわけで、私はウェブ小説に特化したノウハウを蓄積していく所存です。
一緒に分析してノウハウを共有してくれる方や、
小説を分析対象として提供してくれる方が一人でも多く集まるといいなあと思っています。

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