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脳とマズローの欲求5段階説

頑張っているのにいつも上手くいかない
自分が嫌になることばかり
そんな悩みを持つことってありますよね。

実は脳の機能が関係しています。

人間には3つの脳を同時に併せ持っているという仮説「3つの脳の進化」は、アメリカ国立精神衛生研究所の脳進化学者ポール・D・マクリーンが提唱したものがあります。
それは、生きるための爬虫類脳感じるための哺乳類脳、そして考えるための人間脳です。これは、生きたい、関わりたい、成長したいという欲求に繋がる訳ですが、マズローの欲求5段階説とあわせてみるとと理解しやすいでしょう。

アメリカの心理学者アブラハム・マズローは、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」とし、人間の欲求を5段階の階層で理論化したものが、自己実現論、マズローの欲求5段階説と言われるもの。ビジネスの世界、特にマーケティングでも重要とされている考え方です。

人間は、第1階層の生理的欲求から、第5階層の自己実現欲求までの、5段階の欲求を持っていて、下の階層の欲求が満たされると、次の欲求を満たそうとする基本的な心理的行動を、ピラミッドで表しています。

5段階欲求法則

第1階層の生理的欲求は、まず生きていくために必要な、食べたい・寝たい・排泄したいなどの基本的・本能的な欲求です。人間は生命を維持するためにまずこの欲求を満たそうとします。

第2階層の安全欲求は、病気や事故など危機を回避したい、最低限の暮らしを確保したいといった安心・安全な暮らしへの欲求です。衣食住でいうと、衣・住にあたり、生命を安全に維持したいというところからおこる欲求です。

この2つは、爬虫類脳にあたります。
爬虫類脳は、脳幹、大脳基底核、脊髄によって成り立っていて、交感神経や副交感神経をコントロール、心拍・呼吸・体温調節・摂食・飲水・性行動と安全意識といった生命維持に関わる部分です。原始脳とも反射脳とも呼ばれていて、身の危険を感じたときに、反射的に身体が反応する防衛本能も、この脳の領域です。
脳の新しいことを嫌いという性質は、この爬虫類脳によるものです。

第3階層の社会的欲求は、家族や会社から受け入れられたい、仲間が欲しいといった所属と愛を求める欲求で、人と繋がろうとします。この欲求が満たされないときは、孤独感、不安を感じやすくなります。ツイッターやフェイスブック・LINEなどのSNSで、誰かと繋がりたいと思うのはこの欲求を満たそうとするためです。

これは関わりたい、仲間意識を求める哺乳類脳にあたります。
哺乳類脳は、爬虫類脳の次に古い脳とさてており、扁桃体、海馬、帯状回などが含まれる大脳辺縁系で成り立っていて、喜び・愛情・怒り・恐怖・嫌悪といった情動をコントロールしています。
哺乳類脳の特徴は、群れで行動するということです。群れをつくり共同して子育てをすることで、自分たちの遺伝子を継承する確率を高めることに役立ちます。仲間を守るために、愛情と情動が必要だったともいえます。


第4階層の承認欲求(尊重欲求)は、他者から尊敬されたい、認められたいと願う欲求を指します。自尊心の欲求や、自我の欲求ともいわれています。この欲求が満たされると、自分の存在価値に自信を持つことができます。逆にこの欲求が満たされない時は、劣等感や無力感に襲われる可能性があります。ほとんどの人の悩みは人間関係といわれますが、対人関係の悩みのほとんどは、承認欲求が満たされないことです。

実は、第4階層の欲求は、他人から認められたいという「低次の承認欲求」と、自分で自分を認めたいという「高次の承認欲求」の2つにわかれるとマズローは言っています。また、第1階層から第4階層の4欲求までを「欠乏欲求」と分類しています。

第5階層の自己実現欲求は、自分しかない能力を磨きたい、自分の限界に挑戦したいなど、これまでの欲求とは質的に異なり、ボランティアで人を助けたい、自分の仕事で社会に貢献したいといった無償性が含まれます。

私は承認欲求は、哺乳類脳と人間脳の両方にまたがると考えています。
自己実現欲求は、人間脳そのもので、もっとも新しい脳とされています。大脳新皮質の右脳・左脳の両半球から成り立っており、言語機能、学習能力、創造的思考能力、空間把握能力をコントロールします。


人間の3つの脳をわかりやすく図にしてみると、マズローの欲求5段階説と似ます。なぜピラミッドにしたかというと、下の階層ほど優先されるためです。
自分がこうなりたいと願っていても、なぜか上手くいかない・・・
例えば、ダイエットしようと思っているのに、明日からにしようと、先延ばしにして結局ダイエットをすることができない。「あ~私ってやっぱり駄目だわ」とできない自分を作ってしまうは、変化を嫌う性質の爬虫類脳の仕業。

脳の三大意識

人間脳はストレスに弱く、ストレスがかかると機能が低下します。そのため、爬虫類脳や哺乳類脳の支配が大きくなり、短絡的思考になったり、感情的になってしまいます。
自分がネガティブに陥っていると感じたら、爬虫類脳に支配されてると思って、リラックスするように心がけてください。
脳のスイッチを入れ替えることができます。

ちなみに、晩年のマズローは、今までの5つの欲求階層の上に「自己超越」という6番目の欲求があると発表しています。これは、他社からの見返りを求めず、謙虚であり、創造的であり、他視点的な思考ができるという、目的の遂行・達成のみをピュアに求めるという領域になります。ただし、この段階に到達しているのは、全人口の2%ほどしかいないとされています。


  

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