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<7>3度目の検査結果・同席

2020年3月上旬

月曜日、火曜日と2日連続で広尾駅から日赤病院への坂道を上る。

月曜日はCT検査を受ける前の検査のための血液検査のための採血。火曜日はCT検査。

そして、ようやく翌週月曜日にMRIと検査結果。

これ、1日でまとめられないのかな?

せめて採決とCT検査は同じ日にならなかったのかな…とぼやく気持ちがふつふつと湧いてきた。大好きな、私の故郷のようなこの坂道をこんな気持ちで登る回数はできるだけ少なくしたいのに…。


3月9日(月曜日)、夫は午後半休をとってくれた。

日赤病院のロビーで待ち合わせ。きっとお互いなんか微妙な顔つきをしていたと思う。この日も病院内は信じられないくらい人が少ない。これまであん病院をにぎわわせていた人たちはどこに行ったのだろう。

まずは、MRI検査。

1人でいるよりも、2人だとコートや仕事の荷物を待合で持っててもらえるのとても助かった。

着替えたり更衣室のロッカーから荷物出し入れしたり、検査書類のファイルや呼び出しのベルとかも、なんか手につかない感じで落ち着かない。

そんな時に少しでも手にしている荷物は少ないほうがきっといい。一人で検査結果を聞くつもりだったけれど、夫の存在がじわじわと心強く感じてきた。

検査後、約1時間待機して、やっと、やっと、やっと、治療方針のお話を聞く面談。

広い待合から、診察室前の細い廊下で待つこと5分。スピーカーから自分の名前が呼ばれる。まずは一人で扉を開けて中に入る。

「今日は夫が一緒に検査結果を聞いてくれるので入ってもらってもいいですか?」

夫に入ってもらう。

そして、Y先生にお話を聞く。


“Nさん(私の本名)、やはり癌の組織があることが確認されたことと、CTとMRIでどこにそれがあるかを確かめたところ子宮体部のね、ここ(モニターの画像を示しながら)に、ちょっと筋肉組織にくい込んでいる感じであると見ているんですよ。

ステージで言うとクラス1から2の間くらい。

子宮体癌という診断になります。”


Y先生はメモパッドに子宮の正面図を書いて右側の奥あたりを黒くマークして、もう一度「ここ」と指しながら、


“ここをね断面にすると表面的なところにがん組織がある場合は子宮だけでもいいかもしれないけれど、筋肉組織にくい込んでいると卵巣もリンパも取るのが一般的なんですよ。

あとは、いい顔つきか悪い顔つきかでその後の治療の方法も変わってくる”


もう、わかっているんだけど、

改めて3種類の検査をやってそういわれるともうゆるぎないな、と。

がん組織に「いい顔」も「わるい顔」もあったもんじゃない、とは思うけど、そんな表現するんだなぁ、と聞きながらぼんやり思っていた。

夫が

“手術は具体的にいつ頃にどんな手術になるのでしょう?”


ああ、そうそれ。それを聞かないと。

ようやく具体的な今後のスケジュールを立てることができる…。


Y先生は、

“具体的には、開腹して、子宮体部と卵巣を摂ることになります。あと開いて確認した時の程度によるけれどリンパの郭清をします。”

各腹部の輪郭を描きながら、おへそから下の部分に斜線を引いてリンパを郭清する範囲を示して、

“この程度で済むと思うのですけどね。開腹してしっかり見て見ないと。

しっかり患部を直にを見て、きれいに取り除くことができるのは開腹手術のメリットですね。”

できれば、リンパは取りたくないなと思っているんだけど、取らない選択は無さそうなこの雰囲気。それと…

「開腹」

ここが気になる。妙に気になる。


(つづく)



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