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からだのこと#8

ダンサーというものは

結構見えないことを感覚で捉えなさいよって言われます。

想像するに、一般からしたらかなり無茶なことを考えたり

要求されたりしてるような気がしています(笑)。

恥骨を、背骨を感じて、肩甲骨、鎖骨を開いて

空間を見つけて、止まっていても動いているんだ。

全部そうだよね〜って思うんですけど

なかなかそこにいくのには時間がかかるものです。

見えないし。。。。

でも、それがわからないと無限のエネルギーであるという

目に見えないものを

深く感じることができないのも本当で。。全く〜。困ったもんだ。

からだというのは結構単純な乗り物みたいなもので

思い込んだらまっしぐらに進んでくれます。

葛藤と共に進む場合は、大概そのボディができあがってる。

わたしの結果は固まってしまったボディ、

いつ踊れなくてもOKなボディだったんですね。

間違えてはいけない。そんな思いも助けてくれて

とんでもないからだにしあがっていたというか。。

思いこみってすごいなと思っています。

本当は、

間違ってもいいんです。

じゃあ、その基準はなんなんだ?

わたしの場合は呼吸です。

わたしのからだは、ダンサーにしてはとても不利なからだです。

少し側弯だし、肋骨も異常なくらい狭い。

すぐ息ができなくなるしお腹も痛くなってました。

どうしてかというと、全てを息を止めた状態にするからなんですね。

そりゃ、下に落ちてる内臓を、さらに圧力かけたら

痛くなるよねって今ならわかります。

でもそのことがわかって、そのからだが心地よい場所、

今までこうじゃなきゃいけない癖を知ること。

そこからスタートできます。新しいことをからだと一緒に

学んでいくというか。

からだはそう簡単に壊れない。わたしはそう思って進んでいます。

わたしにとって壊れる要因をつくるのは思考が全てだと思ってます。

でなきゃ、超人でもなんでもないわたしが、

ぎっくり腰でも踊れるわけがない。

以前にも書きましたが、怪我をしないからだはすばらしいわけではない。

怪我をしたからこそ、そこから改善されるからだができあがる。

どういうからだでありたいかが自分に問われます。

順応性のあるからだ。風が吹いたら一緒にゆらげるからだ。

そっちの方が魅力的です。

もちろん、ぽきっと折れるからだだってありです。

大事なのはわたしがどちらを選びたいかです。

呼吸。

わたしの全ての基準にあるかもしれません。

呼吸して踊っているか?人と関わっているか?

呼吸というのはとても正直で、人間関係にもわたしはこのことを

結構活用しています。

吸うのが簡単だけど吐くのが難しい人。

つまり受け取るのが簡単だけど、差し出すのが難しい人。

吐くのは簡単だけど吸うのが大変な人。

つまり差し出すのは簡単だけど受け取るのも大変な人。

そんなときはわたしが心地よいバランスにいないということを

教えてくれてます。相手がどうこうではなくて、体験してることだけです。

わたしは何を感じてる?それだけのこと。

はじめから良いバランスにいなくても、

その人が好きならば何度も不安定なことを自分で受け止めて

安定した呼吸に積み上げていくこともできます。

これはもう、相手の誠意とまなざしがあってのお話なんだけども。

相手がぷいってしてしまったらできないこと。

それもまた、あとになってここにいてくれて

ありがとうにつながるんだけど。

心臓は24時間365日止まらない、休むこともない。

そういうすてきな乗り物にわたしは乗っていて、

その乗り物が教えてくれるってとっても幸せなことだと思うんです。

秘訣は自分のことはほとんどわからないと思っていた方がいいです。

思いこみは意味がない。また描いちゃうけど

わたしは思い込のせいでずーっと気圧が下がると呼吸困難、

お腹が痛くなっていたし、

からだを固めて危ない踊り方をしていたんですもの。

むしろ、友達、家族、恋人、パートナー、から言われた一言に

結構ヒントが詰まっていると思います。

そこから、この病院、この治療院にいってみようという

実際的なことは起きると思うので。

戦うよりもなかよしになること。

今も側弯だし、肋骨のせまさは変わらないです。

でも快適です。

何回も忘れてしまうけど、教えてくれてます。

意識したとたんに。すぐに。

シンプルに無理してるよーって言ってるのですから。

そしてそれはダンサーだけじゃないかもしれません。

わたしにとっての素晴らしいなって思う表現者たちは

表現する方法は違っても

呼吸と共に作品を作り上げてるようにしか思えないです。

画家、音楽家、ファッションデザイナー、写真家、etc...

これからもずっとここは変わらないことだと思っています。

#エッセイ






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