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星になれたら

秋に星が綺麗に見える夜空を見ると思い出す日がある。

それは5年前の秋の日。

覚悟はしていたけれど、それは突然決まった。
社長から私に告げられ、一緒に働いていた社員の2人にはマネージャーの私から伝えるようにと言われたのだ。

その日の夜、お客さまが主催してくれた食事会に全員で参加するため車で向かい、開催場所近くの公園に駐車した。
その食事会に参加する前に、車の外で一緒に働いていた岡本と石坂さんにそのことを話した。
たまたま星が綺麗だった日に。

「店、閉まることになりました」

それを聞いた2人からの詳細なリアクションは覚えていないものの、少し呆気に取られたようになりその後、少し俯いていたことは思い出せる。

「もう僕達やれることを全部やりきりましたからね、もう致し方ないってことですね」

そんな会話はしただろうか。
閉店までカウントダウンが突然2ヶ月となった。

今来てくださっている方を悲しませてしまうことは確実だということは分かった。
だったら自分達に最後、何ができるんだろうか。

コーヒーでやれることはやりきった。

だったら、違う手段でもいいんじゃない、最後くらい。
それで、バンドを組んだ。

閉店した2週間後くらいに
初結成にして最後のライブしても良いんじゃないかということで。

その一つの曲が
Mr.Children 星になれたら
だった。

木更津からは出て行ってしまうけれど、また木更津で再会できたら。

そういう自分なりの宣言のような曲選だった。

・・・・・

5年経った今。
僕はまた木更津に戻ってきていて
また沢山の人と再会が叶って
何なら石坂さんも戻ってきていて笑
沢山の方の支えのなかで
新しいチャレンジをしながら仕事をしている今が
過去から思うととても誇らしく嬉しい今なんだと、心からそう思います。

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