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【ふたこと日記】ドビュッシー 前奏曲第1巻 亜麻色の髪の乙女 3回目

レッスンメモです。
発表会出場がなくなったこともあり、こころなしかカジュアルなレッスンでした。

技術的なアドバイス

・だいたい出来上がっているので、細部に拘って味付けをしていきたい。
1小節目は、1音目のレが少し響きすぎている。手の重みで鍵盤をおろし、アフタータッチで浮く程度の力で、以降の音にウエイトを移さず、つまりあまり「弾きにいかない」。1音目を超えることはないイメージ。
・17小節目と18小節目は同じ音型の繰り返しだから、2回目は少しくすんだ感じで変化をつけたい。
・19小節目以降は同じリズムが繰り返される。クレッシェンドが少し早すぎるのでもう少し我慢。あまりやると重たくなるので、ちょっと鼻歌みたいに、しかもそれほど停滞せず踊り場のない階段を軽く駆け上がるワンフレーズ感を持って弾いてほしい。
・22小節目の左のラはバスではなくて23小節目への繋ぎなので、今ほど音量はいらない。また最後の2音は速すぎるので、もう少し緩んでいい印象。
・28小節目で行き着くのは色合いが変わる和音。また最初のメロディが流れてくるが今度はどことなく物悲しくて、ちょっと子供の領分の「小さな羊飼い」に似てると思ってる。

・33小節目も冒頭に似たフレーズが出てくるが、こちらはあっさりではなく、もう少し音を聞いてあげるように落ち着いて弾いて、35小節目の昇華とのコンストラストを出したい。

曲想的なアドバイス

・似た音型が繰り返されるしたった2枚の楽譜ではありますが、刻々と色合いが変わっていくようで面白い曲。夕日の写真を撮ろうとしてるうちに既に景色が変わってるみたいな。長さ、弾きやすさ、メロディの覚えやすさなど複数要素はあるのだろうが、人気の理由も理解できる。
・すでに弾けているので、今日のアドバイスを踏まえて最後は自分なりに味付けをしてまとめてみてほしい。
少し下手のいい服って、マチの縫い方とかに神経が行き届いているじゃないですか。そういう感じで。

次の曲

「そろそろ次の曲どうします?」とご質問いただきました。
前回複数曲こちらから挙げてたが不発でしたので「逆にどうします?」と返してみたら、
「せっかく前奏曲第1巻やってるので「ミンストレル」はどうかな。他との組み合わせ曲としていいと思っているし、弾いてて面白い」ということでした。
思い返すとこの楽譜を始めたときから随所で推していらっしゃった気もします。個人的にはダークホース寄りではありますが、選曲してもらうのは相変わらずわくわくするもので、早速明日から譜読み開始です。

なお、ミンストレル・ショーというのは19世紀中頃の、米国の大衆演芸で、黒人に扮した白人が歌・踊り・寸劇などを演じたものだそうです。コミカルで不規則な展開は「ゴリウォーグのケークウォーク」にも共通するように思います。
弾く方によって全く印象の異なる、解釈の幅が広い曲である印象です。


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