【32】自分の葬儀の夢
自分の命の灯が小さくなっている夢
自分の命尽きた後の夢
そんな2つの夢をみたことがある。
1つ目は、
標準治療を断り情報を集め実践と実験を重ねている頃、2021年初夏。
夢の中で私はベッドの上でたくさんの管をつけ、視界に入る自分の腕や手は骨がわかるほど皮が張りついている。息は苦しく身体の自由が利かない。
納得いかない方向を選んでしまった後悔と悲しみ。誰のせいでもない自分の選択だと沈んだ気持ち。
あの時、やっぱり・・。涙を流す感覚に目が覚めた。
現実の自分のベッド、鼻に入った管は眠る時にもしている水素吸引のもの。他に身体には管が付いてない。夢のリアルさに息を吐く。
普通に息ができた。良かった夢だ、、大丈夫、私は最善の選択をしている。
手と腕に触れて安心した。骨と皮になっていた夢で見た私ではない。痩せてはいるけど、今の現実の私の身体だ大丈夫。
現実の私は、標準治療を断っていた。CVポート手術、抗がん剤でできるだけ患部を小さくして、そのあとに肛門含めて患部を手術で切り人工肛門に・・・という治療を病院から薦められ、家族は概ね納得して私に薦めていた。
ただ一人、遠くに離れて生きる双子のような妹に夢の話をすると私が病院のベッドで瘦せ細っていく私のイメージを感じていた話を聞いた。
再びゾッとしながら、たぶん別次元には家族の意志を尊重した私が存在しているんだろうと思った。
2つ目は、
自分の葬儀の夢。2021年の夏ごろのこと。
黒い服の人たち、たくさんの花。私の意識は声に引き寄せられる。
私の名前を呼び泣いている声は、とある男性の声。その瞬間にブワっと怒りが湧く。
言葉にすると「おまえの為になんて私は死んでやるもんか」炎のような揺れる赤に目が覚め現実世界に戻ってきた。
そして決意した。
弱気になるな、生きて生きて生きてやる!
この怒りは静まっても度々フツフツと湧いてきて、この後の何か月も気を反らすのに多大なエネルギーを消費することになる。
怒りの感情にも手を焼いたけど、過去に葬儀の司会もしていたことがある私は、細部に渡る現実のような質感を吐く息と共に何度も追い払った。あの独特の感覚やお線香の香り。生々しかった。
どちらの夢も別次元の私なんだろうなぁと感じている。なんとなく。
この夢たちにも後から腑に落ちる出来事があるのを、この頃の私は知らない。
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