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バイオリンレッスン再開

新宿で教わっていた先生が結婚で九州に引っ越された後、自宅のそばでY先生の個人レッスンを始めた。やはり隔週で夜間、自転車で10分程の距離。
その頃はもう結婚していたけど、まだ子供はいなかったので夜も自由。
Y先生はプロの楽団からはもう退職され、単発の演奏会などに参加しながらご自宅でバイオリン教室(そして奥様はピアノの教室)をされていました。
まだまだ初心者だったので、よく手書きの運指練習の楽譜を渡されました。
子供のころはピアノを習っていたのに、楽器の練習というものを私はよく理解していなかった! 週に数回20~30分の練習では、そんなに上達しないのは今ならとてもよく分かる。
でも平日は仕事だから日中練習できないし、大人の楽器はそこが難しいところですね。
そのレッスンも2年ほどで私が妊娠してお腹が大きくなり終わりにしました。そこからは全くバイオリンに触らない期間が10年以上。

子どもを二人産み、二人とも小学生の高学年になったころ、自分の時間も増えまたバイオリン再開したい気持ちがありましたが問題は先生選び・・・。
体験レッスンにいくつか行ってみたあと、安くて昼間のレッスンが充実しているカルチャーセンターに通うことにしました。
先生はどこかの大学の音楽の先生だったので大丈夫かなと。
やはり隔週レッスン、そして今度は子供たちのいない平日の午前中。
アイネ・クライネ・ナハトムジークの練習を始めましたがしばらくのブランクで思うようには弾けません。
始めてすぐに3か月後の発表会で、アイクラを短縮して弾くことになりました。
ところが発表会の直前のレッスンで他にもアイクラを弾く方がいると言われ、私の方が下手だからもっと短縮しましょうかと。(もう少し言い方は間接的でしたが)
冗談じゃない!!曲がかぶるくらいならどうしてもう少し簡単な曲を提案してくれないの?怒りで何も言わずに帰宅したのを覚えています。
で発表会はというと、うまい具合に前日に子どもが熱を出したので欠席し、そのままそのカルチャーセンターは辞めました。
もっと練習しなかった私もダメでしたが、先生を信用できずもう無理と思いました。

その後は家でもバイオリンから遠ざかり、妊娠前に習っていたY先生がとても良かったけど、以前は夜レッスンだったけど今回は平日の日中お願いしたいし、Y先生のレッスンを辞めたあと同市内に引っ越していて自転車で通うのは少し遠いし、と辞めたままになっていました。
その5~6年前に父のガンが発覚しました。薬で抑えられてはいましたがあと何年一緒にいられるか分からない父、帰省するのは飛行機を利用する距離なので年に二回ほど。
帰った時にはできるだけたくさん話をしようと本当にいろんな事を話しました。父が一番好きなCDがバッハの無伴奏ソナタとパルティータだと聞いて、びっくり!
わたしがバイオリンを始めたときに、まだ全然弾けないけど第一目標にしようと買った楽譜がバッハの無伴奏でした。
バイオリンのレッスンを再開したけどすぐに辞めた話しもしました。
またレッスンしたいけど前のY先生に習えるか分からないとこぼしたら、
「やりたいことは今すぐにやれ」と父。文字通りハッとしました。
あの言葉がなかったらきっとすぐにはY先生に電話していなかった。
10年ほど前から耳が悪くなり、補聴器を付けて会話はできるけど音楽は音が割れてしまってもう聞けないという父から無伴奏のCDと他にもいくつかクラシックのCDをもらい、帰宅してから翌日にはY先生に電話しました。

後日談ですが、私が買っていたバッハの無伴奏の楽譜は、どこの出版社のがいいのかバイオリンを始めたばかりの私は見当もつかず、楽譜が見やすそうとか音符の大きさとかで選んだのですが、Y先生が昔レッスンを受けていた方の編著でした。
不思議なところでつながっていて面白いですね。