ミ來週報2021-2

衿沢世衣子「ツヅキくんと犬部のこと」下巻を読み終えた。行き場のなくなった犬などを保護する大学のサークルを舞台とする作品。かわいい犬たちと共に若者の楽しさや苦悩が描かれている。お正月にテレビでやっていた映画「天気の子」を見ていたときにも思ったことだが若者の苦悩とはおおむね誰にも頼れないと信じているところに端を発する。なんで言わないの? なんで聞かないの? なんで頼まないの? と客観的には不思議に見えてしまうところでも若さとはそういうものだと言われれば自己を振り返り思い当たることがあるのも当然だ。だから良いわけではないがだから物語になり得るとは言える。大人になるとは全てを自分一人でできるようになることではなく、出来事に応じて頼る先を複数持ち合わせていることだ、というような話を以前どこかで読んだのを思い出した。誰の話なのかは思い出せなかった。すまない、大人のひと。

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右左ないスリッパも三日ほどはけば右左はあらわれる


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