ミ來週報2021-13

ひさしぶりにキャンペーン対象になっていたのでKindle Unlimitedに登録した。以前は新鋭短歌シリーズがたくさん入っていたのだが最近はほとんどなくなってしまった中で残っている竹内亮『タルト・タタンと炭酸水』を読み始める。その中に「水面」という言葉を使った歌があって、はじめ当然のように「みなも」と読んだら、どうも音数が合わない。普通に「すいめん」でいいようだった。その方が日常的には普通の読み方なんだけど、短歌では「みなも」と読ませる作品が多いような気がするので意外だった。でもそういうところは普通な方がいいなと思う。

「みなも」の良し悪しは別として、こういう同じ字・同じ意味で読み方だけ違う言葉はもしかして定型詩の都合で生き残っているのだろうか。音の響きは当然として想起されるものも微妙に違うのでそれぞれをあえて好んで選ぶということもあるだろうが、それよりも音数(3音か4音か)の要請のほうが具体的で強制力があるような気がする。誰かが勝手に決めた言葉遊びのルールのおかげで表現の豊かさが全国的に担保されている面があるのだとしたらなんとなく可笑しくなってくるし、人によっては迷惑がるだろうなと思った。

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春の引き金が引けない寒いのはいやすぎるって言ってたくせに


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