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箱男 阿部公房
自分の帰属をつきつめていくと、やはり自分自身となるパラドックスを緻密に展開していく名著。
主体と客体、能動と受動、切り替わるフレームの捩れの中に、帰属ゾーンを抽出していく。
snsが一般的な昨今、我々は様々な名前を語り、人格も創造することができる。次元を持たない見えない世界に、個としての存在理由を与えることもできる。
しかし、突き詰めていくところの帰属は自分だ。受け入れる他ない孤独は時代を超え、今読んでも新しい。そこが文学の面白いところですね。
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