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価格に責任を持つのがメーカー

パナソニック品田正弘社長兼CEOが舵を取るパナ家電の復活

パナソニック特集記事の続き。家電にまつわる話、知らないことも多く面白い記事だった。まず、家電商品の販売価格が決まる通例(慣習)が私の想像を超えていた。メーカーから家電量販店に奨励金と共に商品を販売する、家電量販店では小売りが奨励金の金額まで値引きを判断して商品を売ることが出来る。結果、メーカーは家電量販店に通常の商品代金+奨励金を支払っていた。商品価格が小売りの判断で勝手に下がっていく。「これが常識なのはおかしいんじゃないか」と品川社長が動き出したという話。なるほど、おかしい!物を売るのに奨励金払うとか昔の日本っぽい。


指定価格で利益を確保する

利益が上がらない原因のひとつが、商品代金+奨励金を払っていた為メーカー希望小売価格で売れず利益が削られる状況にある事だったという。しかし、小売りには逆らえず慣例化していた。そんなときに、ダイソンはヤマダ電機の値下げ要望のやり方に対して断固反対し現在もダイソンはヤマダ電機と取引していない。

品田氏は価格を調査して検討を重ねて、商品を開発している自負がある。だからメーカーが責任をもって価格を指定させてもらう、と決断したとのこと。凄く重要な感覚だと思った。結局商品の品質に責任を持つのは当たり前で価格と引き換えにサービスを提供する。その価格が適正でなければ、買う方も売る方もWIN-WINにならない。パナソニックは売れ残った在庫は全て買い取るルールで価格を指定して利益を出すようにした。出版会社のような仕組みに近いのかなー?

俺たちがやりたいのはこれじゃない

指定価格にしたメリットは利益が出たとこだけじゃなかった。私が記事で読んでグッと来たのは、開発部のコメントだった。毎年マイナーチェンジで昨年出た冷蔵庫から間違い探しのようなバージョンアップを繰り返していた。※これをマイナーチェンジ地獄というらしい。顧客を見ている訳じゃない開発に「俺たちがやりたいのはこれじゃない」と開発から反発があったらしい。「顧客に応えるには市場調査と研究を行う必要があり、少なくとも2年は欲しい」その結果、開発ペースは2年に設定されたようだ。

新しい開発方針は「一点突破で刺さる製品をつくれ」


パナソニックは半世紀、成長しない状態になるのか。最後の10年が始まった。企業が成長しなければ、優秀な人材も集まらない。ものづくり企業の滅亡か、新しい開発文明の黎明期になるのか。


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