ヒメプリンは大人の味
お昼にカレーを食べた。チキンカレーとスリランカカレーで悩んだけれど「ココナッツミルクを使っています」のひとことにコロッと魅了され、スリランカカレーを注文。ココナッツミルクを使ったら、そりゃあ、美味しいに決まっている。
カレーはもちろん美味しかったけれど、声を上げて喜んでしまったのは、食後のプリン。カレーを頼むとセットで付いてきた。えええ、うれしい。
そのプリンが、可愛いのなんの。小さくて、凛としていて、いつまでも眺めていたい愛らしさだった。
植物図鑑を開くと気づく。小さいものには「ヒメ」をつけることが多い。ヒメユリ、ヒメアザミ、ヒメスミレ。そうそう、ヒメリンゴも。
小さくて愛らしいものに「ヒメ」をつけるそうだ。かわいいなあ。姫だって。守ってあげたくなるよね。
なので、これはヒメプリンなのだ。ああ、可愛らしくて、愛らしくて、いとおしい、ヒメプリン。
焦がしすぎたカラメルが、グロテスクにさえ感じてしまう。わざとなのか、事故なのかわからないけれど、ひどく官能的だ。
ぺろっと平らげるのはもったいなくて、ひとくち、ひとくち、ゆっくり時間をかけていただく。
口に含んだヒメプリンは愛らしい見た目を裏切るかのように、カラメルのほろ苦さが広がる、大人の味だった。
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