見出し画像

特別な日

2020年11月6日、今日は私の27歳最後の日。
ついにここまでやってきた。

"28歳"を迎える時、私は何を想うんだろうと思って生きてきた。14歳でBUMP OF CHICKENに出会って、15歳で"orbital period"の"28年周期"を知ってから、"28歳"は私にとっての特別だった。この日を迎えた瞬間に何かが変わるんじゃないかとずっとドキドキワクワクしていた。

楽しみに待っていたこの日を目前にして、ようやくわかった。
"28歳"は特別じゃない。

"28歳"になるまで、本当に、いろいろあった。BUMPに出会ってから28歳になるまでに、中学校・高校・大学・大学院・社会人・結婚という人生の大きなパーツをいくつも通過してきた。そりゃ、いろいろあるわ。
でも、毎日はいつだって昨日の続きで明日に続いていった。昨日できなかったことが今日いきなりできるようになることはなくても、明日には少しできるようになっていたことはあった。昨日怖くて怖くてしょうがなかった人が、今日のお昼ご飯を食べた後にはそんなに怖くなくなっていたり、明日目が覚めたら平気だったこともあった。長い目で見たらいろいろあって、すごく嬉しいことや悲しいことが起こったはずだけど、振り返ってみれば、なんとなく、ふんわりとやわらかいものに包まれているみたいだ。
"28歳"は"27歳"の続きで、当たり前のように"29歳"につながっていく。たぶん、気がついた時にはorbital periodの3週目の"56歳"を迎えてるんだろうな。

とはいえ、ついに念願の"28歳"がやってくる。
せっかくだから、最近意識するようになったことを書き留めておきたい。

知識は想像力で優しさだと思う。
私は、何かを「知る」ことが好きだ。それは小さい頃からずっと変わらないけれど、最近になって知識が想像力の源であることをつくづく感じるようになった。
何か問題が起こった時や誰かの言葉にショックを受けた時、相手の状況を勝手に想像して、「こうかもしれないから、仕方ないよね」って自分の都合のいいように解釈すると、私はちょっと楽になれる。誰を傷つけることもなく、私は私の心を守ることができる。世の中にはいろいろな人がいることを知識として知っていると、「こうかもしれない」って思うのが捗る。
でも、「仕方ない」ですましてあげられない時もある。そんな時には、「仕方ない、ここは許してやろう、こんなことがあったからこそ逆にラッキーなことが起こるかも!」ていう具合に考えをひっくり返す。ただ、「ぐっと堪えて徳を積んだから次のライブのチケット当たるな、しめしめ」みたいに単純に思い込める時は良いんだけど、そうじゃない時には知識が必要になる。「〇〇ではなく△△になったけど、△△の状態だと□□になれる!〇〇じゃなくてよかった〜!ラッキ〜!」みたいなかんじで、△△と□□の関係を知っているかどうかが気持ちの切り替えの肝になってくる。だから私は知識がほしい。前を向くための道具をたくさん携えて生きていきたい。

いったいなんで私はこんなに風に考えるようになったんだろうかと考えてみると、やっぱり、一向に理解できない人が身近にいたからだと思う。理解しようとして、理解しようとして、わからなくて、苦しまされた人。
そんな人がいたから今の私がポジティブでいられて誰かに優しくできるのであれば、そんな人に出会えたことはある意味ラッキーなのかもしれない。
なんてことを思い込もうとすることもあれば、んなわけあるかボケ!って思うこともある。人って、感情って、そんなに単純じゃない。それでも、どちらの感情も心の中に等しく現れてくれる時点で、それは救いだ。私の気持ちが元気で自由な証拠だと思う。まぁどちらでもいっか、って思える強さを私は大切にしたい。

私の感情が自由でいるために、誰かに優しくできるように、私は想像力がほしい。
想像力のための知識がほしい。これだけは、これからも絶対に妥協したくない。

"27歳"の続きの"28歳"を生きる私は、どんな人生を歩むのかな。きっとまた、BUMP OF CHICKENが好きすぎて泣いて、マンガを読んではしゃいで、毎日しれっと仕事をして、人とうまくやれないもどかしさに苦しんで、そしてまた頭の中にたくさんの情報をせっせと詰め込んでは何かと戦おうとするんだと思う。はしゃいで、泣いて、笑って、腹を立てて、夜が来たら寝て、朝が来たら起きるんだろうな。そんな普通の毎日をひとつひとつ丁寧に過ごしたい、と思いながら結局おざなりにしちゃったりするんだろうな。それでもいいし、そうじゃなくてもいい。自分の生きたいように生きて、どんな自分でも自分として正面から受け入れられますように。

orbital periodの一周目、総括なんて到底できない。楽しかったし苦しかったし幸せだったしなにもかも忘れてしまいたいとも思うけど、それでも、大切な一周目だった。
先日、10年来の友達がバースデーカードを送ってくれた。「〇〇(私)は楽しいことを見つけるのが上手で、生活を豊かにする術をたくさん知ってる」と書いてあって、まるでオール5の通知表をもらった気分になった。もしかしたら、私のこれまでは全く間違っていなかったのかもしれないな。だって、私は「そう」なりたかったんだもの。そして今、私が「そう」なれているとあの子が言ってくれるのであれば、それ以上のものはない。だから私は、orbital periodの一周目の続きの明日からの毎日も手を振りながら元気に歩いていけると思う。

二周目はどうなるんだろう。全然予想なんてできやしないけど、きっとまた激動なんだろうな。56歳の私に二周目の感想を聞いてみたいけど、私のことだから「いろいろあったけど楽しかった!」とかふわっとしたことしか言わないんだろうな。別にそれでも良いけど。もうちょっとしっかりしていてほしいけど。

14歳の私、BUMP OF CHICKENを見つけてくれてありがとう。こんなにも長く、こんなにも深く愛せる存在に出会えたことを誇りに思っています。

BUMP OF CHICKENのみなさま、私を見つけてくれて本当にありがとうございました。これからもずっと大好きです。

では、orbital periodの二周目、いってきます!