見出し画像

アフリカでの活動と、それを通して見えたこと

理科教育隊員としての活動

JICA海外協力隊は世界90カ国に、
年間1000人以上の人が派遣されています。

仕事は、よくイメージされる井戸掘りだけではなく、
学校の先生や農家の支援、障害者の支援、
水道局での仕事、少年院での仕事、
役所でのお仕事、エイズの啓発活動、
手洗いの啓発活動などなど、
本当にたくさんの種類があります。


そんな中で私が応募したのは
「理科教育」という職種。

主な要請内容は
途上国の理科教育の改善です。


私は小中高一貫の公立学校に配属され、
中学校の理科教育の改善をすることが私の任務でした。
(ルワンダではこのような一貫校は一般的でした!)


青年海外協力隊のお仕事は
要請内容は決まっていますが、
現地に行って何をするかは
はっきり言って人それぞれ
です。



自分自身が教員となってクラスを担当し、
理科の授業をする人もいますが、

私は…

・現地語で化学を教えることができなかったこと
(ルワンダの学校では英語が公用語で、
 教科書もテストも英語ですが、
 私の配属先の生徒の90%は英語のみでは理解できず、
 先生も現地語で教えていました。)

・教員の数が十分で、
 私が授業を持つと先生の仕事が減ること

・私は教員免許や指導経験がなかったこと 

以上の理由から、
授業を一人で担当することはなく
現地の先生と一緒に
理科の実験をメインに指導しました。


ルワンダやその他途上国と言われる国では
教科書を読むだけの詰め込み教育
課題となっていたんです。

なので、実験を取り入れて
実際に目で見てわかるような教育を
してもらえるように、
現地にある簡単に手に入る物を使って
先生たちに理科実験のやり方を教えていました。


……が!!!

私が問題に感じたのは
勉強しても、その後の生徒の就職先がないこと。

ルワンダの小学生の就学率は100%でした。
でも、中学・高校と年齢が上がるに連れて
進学率が下がっていくんです。

生徒に聞くと、
学校に行ったところで
その先がない。

そんな話を聞きました。

もちろん賢い子はいいところに
就職できる可能性もあります。

でも、
お金持ちで私立の学校に
通える子供のほうが
学校の質もよく、学力が高いんです。


私はこれまで
学力と貧しさは関係ないと思っていました。

私は日本で生まれ育ち、
小学校から大学院まで全部、
公立に通いました。

でも、日本では公立で安い学費でも
そこそこの教育が受けられるけど、
ルワンダでは公立と私立で
かなり大きな差があったんですよね。


そして、
理科の実験を教えるよりも
もっとやるべきことがあるのではないか…?

と感じるようになったんです。



ネイルアート教室

そこで!
私は主な要請内容の理科教育とは
別の活動に力を入れ始めました。

それが「ネイルアート」です♡

昔から趣味程度でやっていて、
ルワンダへ行く時も気分転換用に
マニキュアを持って行っていました。

そして、時々自分でネイルをしていました。

すると、たくさんのルワンダ人女性たちが
「それいいね!どこの店でやったの?」
って、
声をかけてくれるんです♡


ルワンダ人はおしゃれな方が多く、
ネイルも田舎のサロンでもできるくらい
流行っていました。

でも、マニキュアを一色塗るのが主流で
お花を書いたり、ストーンをつけたり、
カラフルにするようなネイルアートが
まだ流行っていませんでした。


そこで、

生徒にネイルアートを教えれば
手に職をつけられるのでは…?

と思い、興味を持ってくれた
現地の女性教員とタッグを組み、
ビジネスクラブを立ち上げました。

始めは学校のクラブ活動の一環として始めましたが、
最終的には現地の外国人向けのマーケットに
出店することができるようになりました。

また一番熱心だった最高学年の二人は、
私が帰国後にビューティーサロンに
就職することができたんです♡

私自身好きなことを教えることができて、
また生徒やお客さんが喜ぶ顔を見ることができて、
本当にとても楽しい活動になりました^^


活動を通して見えてきたこと

ただ、楽しさと同時に
支援の難しさも感じました。

頑張って活動したつもりだったけど
結果は生徒二人の就職のきっかけとなったのみ。


もちろんそれ自体はすごく嬉しかったのですが、

「世界平和に貢献したい!!!」

という、熱い想いとは裏腹に
現実の厳しさを痛感しました。


2年間ルワンダに住み、
協力隊員以外に、現地のJICA職員、
NGO職員、国連の職員、民間企業の出張者など
様々な方たちとお話をする機会がありました。


協力隊は一番現地に近い立場で
活動をすることができます。

その影響力はすごく小さなもの。

一方で、規模が大きくなればなるほど
現地からは遠くなっていきます。

確かに支援に繋がっている活動も
たくさんあるとは思うのですが、

「図書館を作ったけど、
 現地の人に使われないまま
 経費の無駄になってしまった…」

というような話も、時々耳にしました。

国同士の支援になると、
「予算がいくらだからコレをやろう!」
…というように、
現地の人が本当に必要なものから
少し離れてしまうことがあるように感じました。



国際協力って何なんだろう?
どうしたら世界は良くなるんだろう?

私は2年活動したことで
益々わからなくなってしまいました。



そんな時に協力隊の訓練所で
言われた言葉を思い出しました。

「協力隊員は、まずは現地に住んで
 現地の人と仲良くなればそれでいい!」


当時は、
「え、それだけでいいの?
 もっと頑張らないとダメでしょ!?」
って思ってました。


でも、今は少し違います。

訓練所で言われた通り、
「小さな積み重ねが大事なのかも?」
と思うようになりました。


私はコレまで世界中を旅して、
世界に友達ができました。
そうすると、コロナ禍で旅行に行けなくても
遠い国のニュースを見たら
友達の顔が思い浮かびます。

結局、平和な世界って
何か大きなことをするよりも、
私たち一人ひとりの心の持ち方が
大事なんじゃないかなって。

一人ひとりが「自分が一番!!!」
…ではなくて、
ほんの少し他者を思いやれる心の余裕があれば、
そしてその思いやりの気持ちが広がっていけば
叶うんじゃないかなって。


…こんな感じで、
ルワンダでの2年の活動経験が
今の一人ひとりの心のあり方に寄り添う
恋愛のお仕事に繋がっています♡♡


最後まで読んでいただき、
ありがとうございました♡


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?