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ブラウンズフィールド滞在記

千葉県いすみ市にある、自給自足ライフが体験出来る宿泊施設&カフェのブラウンズフィールド。
マクロビオティック料理家の中島デコさんがおうちを開き、自然と共存する暮らしを実践するコミュニティです。
今回は4泊5日の「まるごと体験」という滞在プログラムに参加してきました。
マクロビやスローフード界隈では知らない人はいないブラウンズフィールドですが、実際どんな場所なのか?まるごと体験してみて感じたことを記録しておきます。


菜食まかない作り

毎食スタッフさんと一緒にまるごと体験組もキッチンに立って、みんなで食べる「まかない」を作ります。
ブラウンズフィールドといえばマクロビオティック、菜食。野菜は敷地内の農園でとれたものか、ご近所の有機農家さんのもの。基本的に野菜の皮も捨てずにチップスなどにします。余った料理や野菜のゆで汁、残ったドレッシングなども次の料理にリメイクして使います。

毎食の玄米とお味噌汁に、本日のおかずは
おからナゲットと生野菜サラダとお芋のすだち煮!

5日間動物性のものを全くとらない生活をしましたが、動物性がなくたって何の違和感もないくらい、ちゃんと美味しくて満足感がありました!スタッフさんもみんな口を揃えて「ここはご飯が美味しすぎて太る!」「ここに来てからお腹を壊さなくなった」と言っていて、菜食って日本人に合ってるんだなと思いました。

デコさんのかき揚げが美味しすぎた!!!

普段ついつい食べすぎてしまったり、お肉などエネルギーの高いものを摂りすぎてしまったりで、逆に消化に疲れてしまっていたような感覚があります。
ブラウンズフィールドでの5日間は、お腹いっぱい食べても軽くて心地が良い、そんな食事ばかりでした。


手仕事体験

ブラウンズフィールドにある調味料はほとんど手作りです。お味噌にお醤油、みりん、お塩まで!ここでとれたお米や小麦を使って、スタッフさんの手で大切に仕込まれています。その調味料たちの美味しいのなんのって、、、

私達も滞在中に「玉ねぎ麹」と「蕗の葉味噌」を仕込みました!蕗の葉はお庭にたくさん自生している蕗を1kgも摘んできて、みんなで刻みまくって自家製味噌と混ぜました。蕗の葉っぱも食べられるんだ!と驚きでした。

わさわさ生えている蕗!
若くて柔らかい葉っぱを摘みます。

他にもお庭には食べられるものがたくさんあります!たわわに実った梅に、柑橘類やすもも、数々の野草に、桑の実という美味しいベリーも!梅や柑橘は漬けて酵素ジュースにしたり、熟したすももは冷凍したりと、旬の恵みを保存食にして大切に食べられています。

調味料や保存食たち。

桑の実はお庭のあちこちに実っていて、お散歩の度に熟した実をつまみ食いできます!
こんなに身近に食べ物がなるなんて、豊かだなぁ。

桑の実に夢中🤤


自然農体験

ブラウンズフィールドには小さな畑があちこちにあります。そら豆に紫蘇に唐辛子に、、、どれもまかないやカフェごはん、調味料になる野菜たちです。ここでは種をとって毎年命を紡いでいます。

私達も農業を担当するスタッフ「農隊」さんたちと、田んぼや畑の雑草取りをしたり、トマトやピーマンの苗を定植したりさせていただきました。

定植した苗にりんご酢入のお水をあげます。
そして乾かないように籾殻を被せます。

この苗も去年とれた種から育てたもので、数ヶ月後にみんなのお腹を満たし、また来年の実りに繋げる種を落とす。
この長い自然のサイクルの中で、恵みをおすそ分けしてもらって私たちは食べることができるんだなと感じました。

自然とともにある暮らし

ブラウンズフィールドでは生活する場所と森がとても近くにあります。
生活用水もこの森に返すため、汚れた食器は洗う前にウエスという布で油を拭ってから洗います。食器洗剤もシャンプーも洗濯洗剤もどれも同じ植物由来石鹸を使います。水も出しっぱなしにせず、最低限の水で洗えるようにボウルに水を溜めます。

みんなで古着たちをチョキチョキしたウエス。

お庭には芭蕉という水を沢山吸い上げる丈夫な植物が生えており、汚れた水は芭蕉に浄化してもらいます。
どうしても出てしまう野菜クズなどはコンポストするか、飼っているヤギに食べてもらいます。トイレットペーパーは詰まりの原因になるのでトイレには流しません。コンポストトイレもあります。

ヤギのおきぬちゃん。

自然とともにある暮らしって不便で窮屈なイメージがあるかもしれませんが、慣れてしまえばなんてこと無かったです。
自然の恵みに生かされている暮らしの中で、スタッフさんたちが自然を大切にするための配慮を節々で感じました。


美味しすぎるカフェごはん

カフェのごはんやスイーツは「カフェ隊」スタッフさんが作られます。
かまどで薪をくべながらごはんを炊いて、畑の採りたて野菜をふんだんに使って、お庭の食べられる草花を散りばめて、見た目にもかわいい菜食プレートが出来上がります。
こちらもまかない同様、動物性がないなんて感じさせない美味しさと満足感!毎日食べたい優しいごはんでした。

じゃーーーん!美味しかった。

そして動物性、つまりバターや生クリームを一切使わないヴィーガンスイーツが驚きのクオリティなんです!しっかり濃厚で美味しくて、食べても体が重くならない、全く罪悪感のないスイーツです!この繊細な盛り付けにもときめきます。

レモンタルト🌟


さいごに

5日間、電波も届かない自然の中で、心身ともに健やかに穏やかに過ごすことが出来ました。
ただ日常に帰った今、自然と切り離された都会の生活では、食材がどこから来たか、使った水がどこへ行くかが見えない中で、なかなかブラウンズフィールドでのような暮らしは再現できないと感じます。
菜食に関しても長く続けたらどうなるのかはわかりませんし、野菜だけで現代のばりばり働く生活をこなせるのかも疑問です。

朝からヨガをするスタッフさんたち🌿

ただ今回の大きな収穫は、自然が身近にあれば、自然に対する畏敬の念や感謝の気持ちが自然と湧いてくるし、自然と共存した暮らしを取り戻すことは可能だということです。
私自身、自然や田舎が大好きでよく行くものの、いざそこで長期間暮らしたことはないので、結局都会の恩恵を受けて生活している自分はどこまでそういう暮らしが出来るのか?試してみたくて今回参加しました。
もちろん今は食べられる野草の知識や調味料を仕込む方法だってわからないので田舎サバイバル能力はありません。たった5日間では自然の本当の厳しさを知らないままだとも思います。
でも、この暮らしの中に身を置いてみて、心地良さを感じられたことは大きかったと思います。

飼い猫のチコリものびのび☺️

さぁ私はこれからどこでどんなふうに暮らそうか。
今回はそれを考えるとてもいい機会になりました!


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