見出し画像

「両思いだったよね」と言われてゾッとした話

小学生の頃の話。

幼稚園の時の友達が、突然家に訪ねてきた。


記憶力が本当に乏しくて、なんでもすぐに忘れてしまう私。
その時4年生くらいだったし、幼稚園のお友達の記憶なんて正直あまり残ってなくて、ちょっと人見知りを発動しながら遊びに出かけたのを覚えている。


たぶん、近所の公園で遊んでた時。
一人の男の子が私にこっそり言った。

「幼稚園の時、僕のこと好きだったよね。僕たち両思いだったよね。」


二人だけの内緒の話、という感じでこっそり言われた。

いや、覚えてないし!
てか、全然タイプじゃないし!
そもそも名前なんでしたっけ?

という状態。
ゾッとして、プチパニックになったのを、今天ぷらそばを食べながら思い出した。

天ぷらそばは、別に何の関係もないのだけど。


自分は割と昔から恋愛体質で、常に誰かに恋してたから、もしかしたらその男の子にも恋してたのかもしれない。

でも、申し訳ない。
今思い出しても、両思いだった記憶ないわ。


そんなことを思い出した時にふと思ったこと。

気持ちを言葉にして伝えることは大事だけど、相手の気持ちを確認する行為は、気持ちのいいものじゃない。

特に好きな人には、
私のことどう思ってる?私のこと好き?
と聞きたくなるし今まで聞いたこともあるけど、聞かれた方は困ってしまう。


あえて言葉で言わせるのはやめて、相手の思いやりとか本音を汲み取れるような人でありたいなぁ。

と考えながら、天ぷらそばを完食した。

あの男の子は、深い意味もなく言ったんだと思うけどね。



その時の友達との遊びは、早々に切り上げて、逃げるように自転車で家に帰った。

それ以降、幼稚園のお友達には会うことがなかったし、その子の名前も顔も思い出せないけど、元気かな?

勝手にゾッとしてごめんなさいね。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?