見出し画像

白紙から始める同人誌の表紙デザイン

同人誌の表紙、(時間があるとき)こんな感じで作ってるよ~という話です。
デザイナーじゃないので「これが正しいハウツー!」と思われちゃうと違うのですが、こうやってる人間がいるんだな~とお目通し下さい。
この記事はソフトの使い方というより、こういうこと考えてやってるよ~というレポです。まずざっくりした流れはこんな感じ!

① 同人誌のタイトル、内容、コンセプトを考える。
② ラフを描いてみる。
③ 方針を決めて、絵を完成させる!
④ イラレでデザイン!
⑤ 一晩寝かせる。
⑥ 仕上げ→完成

ここからは、実例に沿って話をさせてください!
1月に発行した同人誌の書影デザインが記憶に新しいので、こちらを。

「みつばち荘の大家のこはく」シリーズ再録集
全体像!コミックスサイズで、憧れだったカバー巻きにしました。

① 同人誌のタイトル、内容、コンセプトを考える。

表紙は読者さんへの自己紹介。
自分が読者とした場合、表紙から何がわかると助かるかな~と考えてみます。だいたい漫画同人誌の場合は

  • メインキャラは誰?(カップリングは?)

  • どんな雰囲気のお話か?(明るい、暗い、エロいetc……)

  • どんな絵柄か?

このへんが表紙でわかると助かる気がするので、何より大事にしてます。
で、この本のコンセプトはこんな感じ。

  • Crazy:Bの4人、特にこはくちゃん。

  • アパート住人パロディで、明るいわちゃわちゃコメディ。

  • こんな絵柄。

なのですが。今回は再録集。
なんと

1巻

散々

2巻

同じコンセプトで

3巻

絵を描いてきてるんですね~~~~!!!!!!!!!
というわけで、更にコンセプトを詰めていきます。

  • 再録集だし、今まで表紙に出せなかった子もいたら嬉しい気がする。

  • 1巻~3巻より特別感あるけど、シリーズ感は出したい(難)

  • ぶっちゃけ再録は再録ほしい人しか買わないだろうし、タイトルの視認性や作品内容の優先度は下げていい。

  • 手に取ってくれた人の満足感を優先したい。

こんな感じ。難しいこと言うな~……。
あとは箔押ししたいとか、カバーにしたいとかそういうアイディアが雑にあります。
ワガママ発注者になったところで、イラスト担当の自分にパス。


②ラフを描く!


許せん

無茶ぶりすぎません⁉⁉
これもまた人生なので、頑張って考えます!
いろいろラフきっていきます。
pinterestでオシャレな漫画書影デザインとか見つつ、今回の本に落とし込むなら……といろいろ悩みます。

人物たくさん出して、ワチャワチャ感出す案が多いですね。特別感をどう出すか模索してました。

どうやったら読者さんに中身のことが伝わるか悩みます。
再録感むずかし~~~……。
せっかくなので、構図考えるときのポイントの一部もあわせてご紹介します!

Tips①
目を引くということ

目を引くためのテクニックは結構いろいろ使ってます。
そのうちいくつかご紹介するにあたって、ちょっと前の本を……。

「ナイフ」表紙やる時間がなさすぎたので、小手先の技術が垣間見えます!

① 読者さんと目をあわせる
ガン飛ばされて「あ?」となるのは、ヤンキーもオタクも同じですよね。
「見てくる」絵は特別な力があるな~と思います。目にメッセージ性を持たせるもよし、逆に読者さんを見ずにキャラ同士で目線を交わして二人の世界を表現したり、敢えて目を閉じたり……。
視線をあわせても、あわせなくても、目は非常に重要な構成要素になる気がしてます。

② メリハリをつける
色のコントラストや、画面密度のメリハリ、大きさのメリハリだったりだとか。この絵だと、人物周り目だけ色つけてコントラストを生んでます。
画面密度による視線誘導は話が無限にのびるのでナシで……。

③ 100%のインク色を使う
CMYKで刷る場合は、100%のインクを使うと体感バキッとします!
この表紙の絵だと、ロゴがCMYKのY100%の設定になってます。

Tips②
自分にできることと、できないこと

今回の本は~♡この人の絵柄で~~♡厚塗りっぽく生活感のある背景で~♡♡♡
とかやりたいんですが、無理なんですね~。
チャレンジは常にすべきだとも思うのですが、表紙は自分の持ち味を生かす方が上手くいくことが多いな~と思います。
pinterestで先達のデザイン見る理由の一つにそういうのもあって、
自分の絵と似た雰囲気の絵を生かすデザインってどんなかな~と探します。
やっぱり丸顔に似合う髪型ってあるので。


そうこうしつつもラフ方針決定!
時に友達の意見聞いたりしつつ、決めていきます。

視認性捨てていいということで、流行の変形ロゴやってみようと思いました。

変形ロゴで遊び心出しつつ、キャラクターをワチャワチャ図柄っぽく配置するイメージです。特定のキャラ同士の関係ではなく、オールキャラ感を出したつもりでした。またキャラそれぞれ独立して配置しつつも、生活の動きや人に話しかけるような動きをつけることで、キャラをとりまく関係性を匂わせられたらな~と思ってます。

心の声

本当はラフにも着色して検討したほうがいいんですが、今回はだいたい自分で色のイメージついたので割愛で。


③ 絵を完成させる!

カラーラフやったり悩みながら

クレビの下書きレイヤーどっかいっちゃったんですが、下書きとカラーラフ。
これにも割引シールつけるかで悩んでますね。
司・一彩の色の主張が強いのと、あくまでクレビ中心本ってことで、
クレビじゃない子らは下の方に寄せてます。

線描いて塗りつぶす以上のことあんまりやってないので、イラスト作業については割愛します。

だいたい完成してるやつです。

全体的に黒い、彩度の低い衣装設定が多かったので
色鮮やかな野菜も準備。これで画面に明るさを出そうという作戦です。
また人物や野菜それぞれ別レイヤーで描いてます。
これにもう少し描き忘れとか足して、あと目玉焼きとかカラーに合いそうだったので追加で描いたりして完成させました。

④ デザイン

デザインに使っているのはAdobe Illustratorです!
Adobe製品高いな~とは思うのですが、フォントいっぱいあるのと直感的に画像配置できるのと、そして何より使い慣れてるので気に入ってます。

今回はじめて作字もしました。
作字は私もわからんので割愛。

下書きの上から丸と四角で頑張りましたが、もっとやり方あるんだろうな。
読めないけど横に明朝で書いとけば大丈夫ってことで。

キャラクターや野菜など、要素をそれぞれpsdで分割保存して、いざ配置していきます。楽しい感じやおまとめ感……大団円感……。
こはくちゃんならピンク、クレビなら黄色・黒・白かな~と悩みます。

絵描いてる時点でのコンセプトはあったものの、一旦頭切り替えて、B5のキャンバスに仮配置していろいろ試してみます。過去の表紙の素材を引っ張ってきて繋がり感を出してみたりもします。あとはちょいちょい色の調整などもPhotoshopに移動してやったり。

オシャレになりそうだし、グラデーションでもやってみる?
キャラ小さめに配置して。クレビっぽい黄色・白・黒に。
ドロップシャドウで人物を目立たせる。
でもB6でこの人物サイズ厳しいかな~。
キャラ大きくしつつ、特にメインのこはくを大きく。
目玉焼きが目を引きすぎるので排除。

ここで大切にしてるのは、消す勇気です。
せっかく全身描いたのに……とか思うのですが、全体の仕上がり優先で!

箔押しかニス盛りか、特殊紙かクリアPPかで悩みつつ、なんか違う……となりつつ、友達に好み聞いてみたりしつつ、一晩寝かせます。

⑤ 一夜明けて

目をいったんリセットして、案②をベースにキャラ大きくしてみっか!といじったら案外いい感じにいったので、その方針で攻めてみることに!デザインを詰めていきます。

人物に勢いをだしたくて、
ロゴの前後にオブジェクトを配置して、遠近感を出したり…

「ば」をこはくちゃんの腕を奥側にしたいものの、「の」は体の手前のままにしておきたい…
上にクリッピングマスクで切り抜いた腕だけのレイヤーを重ねて、解決。

あとは視線をこはくちゃんの顔のある中央付近に持ってきたかったので、
目玉焼きをこはくちゃんの裏に移動させたり、
こはくちゃんの周りの野菜密度を増やしたり。

2つ目の案をベースにしながら、人物を大きく!
視線誘導したくて、中心付近の線や要素の密度が濃いです。
こういうバージョンもあった
こういうバージョンもあった②

あとは力業で箔の版作ったりしつつ、デザイン完成しました!

表1のデザインファイルを選択するとこんな感じ。地獄。

で、だいたいできたので実際のテンプレートに配置!
実際のコミックスを観察しつつ、踏襲しなくていいところは無視しつつちゃきちゃき配置していきます。
メインとなる表1のデザインが決まってるので、背や表4などはそれを生かす感じに。

入稿まで時間がなかったので、過去の表紙を持ってきました。
表1側はあらすじを添えてみました。

というわけでできました!!!!!!やった~~~!!!

写真が下手。

そんな感じで表紙つくってました!
人様のデザインやるときとか、時間ないときとかはまた別なので
ひとつのパターンとしてご理解いただけますと!

ありがとうございました~~~~!!!!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?