音楽ニュース:パリ国立オペラ支配人ステファーヌ・リスネル辞任

パリ国立オペラの支配人、ステファーヌ・リスネル(67)が任期をまっとうせずに半年早く退任することになりました。後任に決まっているアレクサンダー・ニーフ(現トロント・オペラ支配人)が、予定より半年早く、今年の末に着任する予定です。

パリ国立オペラのメイン劇場はガルニエ(主にバレエ上演)とバスティーユ(主にオペラ上演)です。パリ国立オペラの赤字は両劇場を合わせてこれまで4000万€(約48億円)にのぼると言われています。原因は年金改革に反対する2019年末からのストライキ、新型コロナ・ウィルスによる劇場閉鎖です。加えて両劇場ともリニューアルの必要がありました。上演計画の変更、数々の対策を余儀なくされ、それを実行する前に辞任したリスネルに対し「白旗を掲げた」とメディアは報道しています。

リスネルは2014年から同オペラの支配人を務めていました。それ以前にはミラノ・スカラの支配人も務め、輝かしいキャリアの持ち主です。スカラ支配人だった時、待遇改善を求めるストライキが起きたこともありますが、当時、リスネルの報酬は年間100万€(約1億2千万円)と言われていました。

ところでフランスのストライキは珍しくありません。劇場も同じです。
以前、バスティーユでのオペラのプレミエに行こうと計画したのですが、ストライキの可能性があるという内部情報を得て、プレミエではなく3回目の公演に行くことにしました。結局、プレミエは流れ、2回目はコンチェルタンテ上演、3回目の公演が事実上のプレミエでした。

遠くから足を運ぶ人にとっては、難しいところです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?