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ゆとりーとライン 忖度無しレビュー

なすの地方鉄道ノートへようこそおいで下さいました。
今回は名古屋ガイドウェイバスのガイドウェイバス志段味線、通称ゆとりーとラインのレビューをしていきます。
※地上区間(小幡緑地~高蔵寺間)は評価から除きます。
※辛口になる部分がありますので、苦手な方はブラウザバックをお願いします。

ガイドウェイバスは法律上は「案内軌条式軌道」という鉄道となることは、本レビューをご覧になられている方の大半はご存じだと思われますが、乗車の仕方、駅の構造、乗り心地、利便性等はどうなのでしょうか。この点においてレビューする記事も多くないと思いますので、この機会にさせて書かせて頂ければ思います。

今回は、ゆとりーとラインのガイドウェイ区間の全区間の乗車、レビューの対象外ですが地上区間の小幡緑地~上島(西)の乗車、大曽根、砂田橋、小幡緑地での下車、周辺の散策を基にレビューしていきます。

レビューは「運行」「運賃・きっぷ」「駅」「車両」「その他」の5項目と、「5段階評価」を行い、さらに運行・運賃・駅・車両の項目では"素晴らしい・良い・普通・やや悪い・悪い"の5段階評価を行う形とします。


運行:良い

毎時6本をベースに朝夕は12~21本となり、十分な本数を確保しており大変素晴らしいと感じました。

運行スピードも素晴らしく、都市部のバスであれば通常15~20km/h程度でも十分速いのですが、ガイドウェイバスは表定速度が約30㎞/hと大変良い数値となっています。

自動車で周辺の道路も散策しましたが、道路事情が悪い為、非常に混雑していました。これがバス専用レーンでは難しいと思われますので、ガイドウェイバスにすることでのメリットが十分活かされていると感じました。

ただし地上区間も担当することから道路事情による慢性的な遅延が多いように思えます。今回の調査でも土休日の日中にも関わらず10分~13分遅れを連発し、本来10分後の便が連続するような形でやってきました。その為、前を走るバスでは2駅程で積み残しが発生し、後続車への乗車を呼びかける等の事態となっています。

安定的な運行は絶望的であり、特に平日の朝夕では交通機関として致命的な影響があると思われます。

小幡緑地にて(なす撮影)
地上区間の上島(西)付近 土日の夕方でこの混雑(なす撮影)

(参更)
土木学会 わが国における都市内路線バスの輸送力と速度の実態(PDF)
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00039/201411_no50/pdf/29.pdf

運賃:普通

初乗りは200円で、始発の大曽根から小幡緑地までが250円。高蔵寺までは470円となっている。地上区間との境界である小幡緑地で運賃が別系統になる為、越境する場合は注意が必要です。

鉄道とすると初乗りがやや高いように思いましたが、昨今の運賃が全体的に高騰していることを見ると止む無しかと思います。

きっぷに関しては、市営バス、地下鉄との割引運賃制度(manacaのみ)や、ホリデー1日乗車券、高齢者や身体障害者用の割引があり、必要十分かと思います。

(参考)ゆとりーとラインHP

駅:素晴らしい

全駅で車内清算する為、改札等はありません。階段とエレベータ、プラットホームと簡易的なベンチ、LED発車標があるだけのシンプルな構造です。多くの駅で市営の駐輪場(中間駅では無料)が設置されています。

起点の大曽根では簡単なゲートと有人窓口がありました。

2001年開業当時の駅の為、どうしても経年劣化を感じますが、パッケージとして素晴らしい為、特に不快感はありませんでした。

他線からの接続も比較的容易であり、地下鉄駅内でも「ゆとりーとライン」への案内が頻繁に掲示されていました。大曽根、砂田橋では乗り換え時間も2~3分程度それほど大きく掛かりませんでした。

砂田橋駅では地下鉄改札階直通のエレベータがあり大変便利なものでした。利用が多く10人未満の列が出来ていました。会社間で直通のエレベータがあるのは意外と少ない為、工夫されたのだなと思いました。

小幡緑地 駅エントランス(なす撮影)
小幡緑地 中二階部分(なす撮影)
2階 ホーム部分(なす撮影)
大曽根駅 改札部分
砂田橋駅 エレベータ案内板(なす撮影)
名城線 大曽根駅ホームでの案内(なす撮影)
乗車客数一覧 (なす作成)

車両:やや悪い

ガイドウェイ区間も含めて「普通のバス」でした。細かくお伝えすると地上区間と比べガイドウェイ区間の方が左右の揺れが若干ガッチリした感じはあります。

車内も至って普通のバスで、鉄道と比べるとどうしても狭く感じますが、バスとしては快適でした。

ただバスがミッション車(H型シフトパターンのクラッチペダル有)の為、前後の揺れが激しいと思いました。バスとしては仕方ないかもしれませんが、運転手によってはかなり加減速の激しい乗り心地でした。

先述した通り地上区間は評価外ですが、ガイドウェイ区間より更に乱暴でした。

もう一つ、気になったのが”運転手の作業が多い事”です。ハンドル作業が無いにしてもアクセル、ブレーキ、ミッションの操作に加え、前方の確認、無線のやり取り、速度等の標識の復唱、乗降車の有無、車内の状況の確認、前方と合わせてホーム上の危険の確認、更に運転手による補足の案内放送があります。

これに遅延の把握と回復が重なるとパニックになってしまいます。作業としてハードすぎます。

例えば車種をオートマ車の採用や、車内放送を自動のみで対応できるようにする等(ボタン式等)、もう少しガイドウェイバスならではの省力化が出来ないものかと思ってしまいます。

ゆとりーとラインの車内(なす撮影)

その他

都市部の公共交通では、起点となる駅の集客性が重要となります。

ゆとりーとラインでは大曽根を始めとする名城線との接続する3駅ですが、正直集客性として「弱い」と感じました。もちろん乗り換え駅としては大変使い勝手が良いです。

乗り換え駅として起点の大曽根が最大となりますが、大曽根自体にこれといって核となる施設がありません。名古屋のど真ん中で4社4路線も交えているのですから、百貨店クラスやららぽーと等の大型商業施設や高層のオフィスビルぐらいあっても良いような気がします。

大阪の西九条、福岡の薬院のようなイメージで、少し勿体ないなと思いました。

ナゴヤドーム前矢田と隣接する形でイオンモールもあるのですが、ごく一般的なイオンモールで生活する分には問題ありませんが、回遊するなら栄方面へ足を延ばす必要があるラインナップでした。

ゆとりーとラインとしてはどうにも出来ない部分ですが、名古屋の都市機能向上を図る為、頑張って欲しいものです。

大曽根駅前 低中層の雑居ビルが目立つ。高架はゆとりーとライン(なす撮影)
大曽根駅 名古屋ドーム方面 普通の都市型ロードサイドというイメージ。(なす撮影)
近年オープンした商業施設のラインナップ。主に飲食と生活用品店。少し寂しい。(なす撮影)

5段階評価

☆☆☆☆★ 星4つ

素晴らしい!

まとめ

いかがでしょうか。

駅や運行本数の多さは素晴らしいと感じました。

しかし慢性的な遅延、運転の荒さ、起点の大曽根の集客性の弱さから評価を下げました。

ガイドウェイバスとしては、大変よく出来ているなと感じました。鉄道とするとオーバースペック。モノレールだと拡張性が無い。LRTでは激しい道路渋滞に耐えられない。バスだと高架橋の幅員の問題。これら多角的な面を考えてこの方式に行き着いたのだと思いました。

これ以外の方法となると、地下鉄一択になるのではないでしょうか。

大変貴重な体験をさせて頂きました。

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