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女の子が幸せになる子育て

「女の子が幸せになる子育て 未来を生き抜く力を与えたい」
著者=漆紫穂子 大和書房(文庫本)

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☆悩ましい「女の子の育て方」

 「女の子」の子育てって悩ましいなあ、と今から思っています。
 
 男の子は、けっこう単純です。
 少年サッカーなり野球なり地元のチームに入ってカラダ&人間関係を鍛え、落ちこぼれない程度に勉強をさせる。
 そして、身の丈にあった(できればワンランク上で笑)の学校に進学させる・・・というところまでが、親としての役割でしょうか。
 その後は、願わくば安定した職を得て、良き伴侶に恵まれてくれたまえ・・・という基本フォーマットがあります。

 でも、しかしながら、女の子。

 地域のスポーツチームに入ることはできますが、長く続ける子はレアキャラです。意外と、最近は家でゲームにハマる女の子も多いような。
 興味のある分野のお稽古ごとをしつつ、勉強もがんばろう・・・というところだとは思いますが、問題は目指すべき着地点。
 「身の丈に合った学校に進学」も大事だけど、手に職を付ける算段も必要かも・・・いやしかし、本人が望まない職業に誘導してしまうのもマズいよね・・・と思ったり。
 働くハハか、仕事を極めるか、専業主婦か。
 どの道がいいのかなんて、親世代のワタシたちもサッパリ分からないので、「基本フォーマット」がない状態です。

 「どんな人生でも、その子がハッピーならそれでいい」とは思いますが、「なんでも好きにすればいいよ」と野放しにするのも、親として無責任なような。
 ムスメはまだ1歳ですが、悩ましい!と今からさまよっています。


☆筆者はシナジョの校長先生

 本屋で目に留まったのが「女の子が幸せになる子育て」というタイトルでした。

 筆者は、品川女子学院の有名な校長先生。
 つい先日、友人のお嬢さんがシナジョに合格したというニュースを聞いたばかりだったので、ワタシにとってタイムリーな本でした。

 友人の話を聞いていると、いろいろと先進的な教育をしてくれる学校のよう。自主性を重んじる校風だからか、生徒さんも積極的な子が多い印象でした。
 ワタシ&友人の母校は、良くも悪くもクラシックスタイルな女子校だったので、「うちらの学校とは違うねえ」と感嘆することばかりです。

 その「シナジョ」の校長先生の本なら、読んでみたいな、と思ったのでした。


☆「28歳」を子育てのゴールにする

 著者・漆先生の提唱する基本戦略は「28歳を子育てのゴールにする」、という点。

 これは、なるほど現実的だな、と思いました。

 今の世の中、20歳そこそこで「自立」するのは難しい。
 しかしながら結婚・出産といったライフイベントを考えると、やはり女性はタイムリミットを意識しなければいけないのも事実。
 だから、「28歳」をゴールと想定する。
 そうすると、今やるべきことが明確になり、シナジョの生徒さんたちも学びのモチベーションが上がってくるとのこと。
 
 友人に聞いた、「今どき」な感じの学習プログラムは、この戦略のためのものなんだな、と納得できたのでした。


☆攻略・ムスメとの対話!な子育てテクニック

 本は2~4ページくらいの短い章立てで、けっこう実践的なアドバイスが書いてあります。

 頭ごなしに「部屋を片づけなさい!」と叱るよりも「部屋なんだけど、今日片づける?それとも明日?」と子どもに決めさせる風に誘導するとうまくいく、注意をするときは「あなたのためを思って言ってるのよ」と諫めるよりも「私(ハハ)は、そういうの嫌いなの」とキッパリ言う方が心に響く・・・など。
 ふむふむ、将来、ハハ&ムスメのバトル回避に役立ちそうだなあ、とうなづかされました。

 ただし、肝心の「28歳を目指した子育て」に関して、具体的なモデルケースが書いてあるわけではありませんでした。
 そこは、個性に合わせてオーダーメイドで考えるべき部分なのかもしれません。


☆実践できるかな?

 ムスメが28歳になったときの自分の年齢を計算すると、ちょっとおそろしくなります。高齢出産だから仕方なし、と腹をくくるしかないですね。
 まずはハハ自身の健康管理も大事かも、なんて思いました。

 ちなみにですが、ワタシの「28歳」を振り返ってみると、「自分の希望する職についたけど激務とプライベートの波乱で心身を壊し、実家に戻って休養中」という、がっつりお先真っ暗な時期。
 ま、それでもどうにかなるんだけどね、ということ。
 ムスメに突っ込まれたら、じっくり話してあげることにしますかね。
 
 想定外が起こるのが人生。
 でも、ひとまず目標を定めるのは大事ですね。

 「28歳が子育てのゴール」を、ワタシも意識してみようと思います。

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