【学会発表再録】基礎研究からみたCBDの臨床応用の可能性(という名前のディス←)
はじめに
はじめましての方も二度目ましての方もそうでない方もこんにちは!早稲田大学理工学術院先進理工学部の片隅でカンナビノイドの研究を行っている野崎千尋と申します。前回に引き続き学会発表再録です…が今回はいつも私がやってる学術発表とはちょっと毛色を変えて、レビューのような、ぶっちゃけディスりメインの発表になっています。
というのもこれは昨年2023年12月15日に開催された第44回日本臨床薬理学会のシンポジウム「薬剤としてのカンナビノイドの可能性」で行った発表で、つまり臨床家や実務家に向けた発表だったからです。いろいろとホットな話題の多いCBDですが、そんな話ばかりでは面白くないな、となった結果、結構ビターな話になった……のですが実はこれがなかなか好評でした。というわけで当日ご覧になった方々も、ご覧になれなかった方々も、「基礎薬理研究者が昨今のCBD流行りをどう見ているか」というものを、是非お楽しみいただければ幸いです!
(あ、あと今回絵も多いし文章も多い= 長 い ですご覚悟ください←)
今回のおはなし
さてわたくし御存知の通り基本的に基礎研究の人間でして、普段は内因性カンナビノイドの話、もっというとカンナビノイド受容体というものが我々の体内から無くなると何が起きるのかという話をさせていただいくことが多いのですが、今回はもっと絞ってCBDの臨床応用についての話を、という話をいただきまして。これ正直物凄く困ったんです。というのも…
ついこの最近こういう本が出ましてね。私も訳に関与したのですが、「CBDの薬理研究」について、基礎と臨床両方とも非常にきちんと網羅的にまとめられています。なのでとりあえずこれを読んでもらえればあらかたのことは解るというもので、わざわざ話をする意味よ、というわけです。今世に出ているCBDに関する本の中では一番ちゃんとしているので興味有る方は是非お買い上げくださいちなみに私にはお金はビタ一文入りませんw
……とはいえここにあるのっていわば「良い話」ばっかなんですよね。で、基礎研究としてCBDとかカンナビノイドとか扱ってると「良いことばっかじゃないな」というのがひしひしと感じられてくる。
で、考えてみるとCBDについて「良い」お話は今日の講演やこの書籍も含めいろいろ世に出ているのですが、「うーん」となったという話はなかなか出ないと思うんですね。でも臨床で使う、患者さんに使う、と考えた場合、こういう「うーんという話」は「良い話」と同じくらいに大事なんじゃないかと思います。なのであえて今日はそういう話をしたいと思います。
背景:よくある質問とその答え
というところでまずは取っ掛かりとして私自身がいろいろな方々からよく受ける質問から始めたいと思います。結構何というかどうしたもんかなーというものも混ざってるんですが、これが末端のユーザーさんだけならまだしも売る側である業者であったり、何なら専門家を自称する人からも来るんですね。
で、基礎研究者の端くれからいえることを回答として返していたりするのですが、これが臨床家の方が返していらっしゃる回答とはまた少し違っていたりするので、まずはそこから始めます。
で、大体私こう返してます。
この中で例えば患者さんに投与する、という部分において一番大きいポイントはこの2つ、要は薬理学的性質と化学的性質、特にネガティブな薬理学的性質と、あとは物質としてのCBDの化学的性質ではないかと思います。実はおもしろいことにこのあたりきちんとまとめられている文献とか資料とかあまり無いんですよね、何ならきちんとしていそうな英語文献でも誤情報が回っていたりします。というわけで人に使うに当たって、あるいは研究を行うに当たって、どういう性質を考慮に入れないといけないのかに絞って話を進めます。
CBDの化学的性質から見た問題
では今の2点のうち、よりシンプルな話であるところの化学的性質、その基本のキから行きたいと思います。意外と知らない人多いんですよこれ、化学式C21H30O2、分子量314.5、形はこんな形、基本的に有機溶媒には溶けるが水には難溶というよりほぼ不溶、まあここまではご存知な方多いでしょう。
問題はここからで、試薬として推奨される保存温度は-20℃、保存期間は3年以下となっています。これTocrisのウェブサイトから取ってきた情報ですが他の試薬メーカー、Caymanなんかも似たような数値を出しています。ということは本来冷凍保存しておかないとよろしくないということなんですね。
さて今CBDって原末にしろ何にしろほぼ全て輸入なわけですが、これら全て冷凍便で運んでますっていい切れる方どれくらいいますか?いませんね、全部室温で運ばれて来ています。検査だって海外でしかやってない、明らかにラグがある、じゃあその間の品質保証はどうなる?というわけです。
で、こういうこというと研究用の試薬会社の推奨値なんだからそりゃうるさいだろうといわれるんですが……例えばモルヒネ塩酸塩、日本でも研究に使ってらっしゃる方はたくさんいますが、モルヒネ塩酸塩を冷凍庫に入れてる方はいないと思います。実はTocrisはこのモルヒネ塩酸塩の保存温度を室 温といっています、ということは明らかにモルヒネ塩酸塩よりもCBDはデリケートだと認識されているということです。
じゃあ「そんなこというならこういう試薬会社のを買えばいいじゃないか」……そうはいかないんですね、通関がめんどくさすぎるからか、日本に出荷してくれないんで。結果何が起きるか、国内にあるCBD原末、正直どういうコンディションなのかほとんど信用できない、少なくとも使う前につど改めて検査に出すくらいでないと信用できない。基礎研究の研究材料になんかならない、できないわけです。商品だって常温に出しておくならばよっぽどきちんと管理してないと品質を保証するなんてできない、これ結構大きい問題だと思います。
他にも知られた問題として融点沸点問題があります。融点沸点自体が問題、というよりも間違った情報が世に出回りすぎている最も良い例がこれです。
実はCBDって沸点めちゃくちゃ高いんですね、400℃以上あります。ところが実際にCBDの沸点をウェブサイトなどで調べると、物凄い数の...…
……こういう、170℃前後程度ですよという記述が出て来る。
もう日本語英語問わず特に業者さんのウェブサイトで物凄くよく出てきます。ところが実際は……
……こういうことなんです、要は昔の論文で書かれていた沸点が、実は真空下のような超低気圧状態で測定された沸点で、だから実際よりだいぶ低い値が出ていた。しかしそれをろくに確認もせず皆さん喜んで誤用している、しかも日本だけじゃなくて海外その辺中のサプライヤーがこの間違った値を正規データとして撒き散らしている。しかもCBDを揮発させて使うベイプのような雑貨を出しているところの多くがこういう大間違いを発信し続けている、……なかなか恐ろしい状況だな、と思います。
さて他にも化学的性質に則った問題はありまして、要はCBD、光学異性体を持つんですが意外と知られていません。まあ植物由来だとほぼ100%この(-)-CBDの方なので、だから話題に登りにくいのだと思いますが、合成でCBDを作る場合、こっちの+体も一緒にできて来ます。
問題はこのできた混合物を完全に分離するのが難しいことで、立体化学選択的に合成をコントロールするのもできなくはないんですがこれまためんどくさいという。だからというわけではないのですがこの混ざっている方の+体がどういう薬理学的特性を持っているかという研究もほとんどされていませんし、何よりコストが植物由来品の10倍かもっとととんでもなく高くなるという、このあたりが全合成CBDというものそのものの普及の足かせになっているように感じますし……
……そこがこの、合成と天然とどう違うんだ話に繋がるのではないかなと思います。合成物だと光学異性体は確実にできる、それがどう薬理効果を持つかわからない。ちなみに(-)-CBDを摂取したとして体内でこれが反転するのかといった研究も恐らくされていなくて、今のところサリドマイドのような問題は出てないからまぁ良いという感じだと思うのですが、ちょっと頭に引っ掛けておいても良い話なのではないかなと思います。
さて「体内に取り込んだらどうなるんだ」といえばこれですね、THCに変わるのかどうかというこれまた物凄く、特に最近本当に物凄くよく聞かれる質問です。
実はCBDからTHCって結構簡単にできてしまうんですね、何せ構造が平面でシンプルなんで真ん中の環の開いているところがすぐ閉じちゃってこんな多種多様な、いわゆる三環系のカンナビノイド分子ができてしまいます。で、THCしかり話題になったHHCHやらしかりああいう精神作用持っている系はほぼ全部こういう三環構造を持ってるんであら大変、というわけです。
ここで誤解してほしくないのは三環構造持っていたら精神作用持っている、とは限らないという点なんですが、とはいえ精神作用を持つカンナビノイドは得てしてこの3つの環状構造持っているものです。
で、例えば電子タバコ、要はベイピングリキッドなんですが、それを普通のコイルとバッテリーで熱すると普通に熱分解を起こすと言う論文があります。さっき沸点がかなり高いからどうのということをいいましたが、で実際200℃程度では本来びくともしないんですが、問題は電子タバコの加熱部分、コイルって実測で大体300℃前後まで行くらしいんですね。それだと普通に熱分解を起こして、またその熱分解してできてくるもののほとんどがこの右側の4つで、だから条件さえ揃えば1パフで吸い込む量のうち1割くらいがTHCなんてことにもなってしまうというのです。
こう見るとCBD、なかなか安定性という意味では怖い物質ではあるといえると思います。なのでこの論文、本当にこんな「CBD、電子タバコの中のTHC前駆体」なんてタイトルがついていて、もうよっぽど気をつけろと、そういいたいのでしょうかね……。
とはいえ皆様気になるのはむしろこちらの話だと思います、口から飲んだら消化管でどうなるのか、医薬品として使う場合は当然こちらがメインですし当たり前に気になることでしょう。これ実はかなり昔から始まって本当にいろいろ議論があったんですが、最終的に現在いわれているのが「普通の胃液であるならばTHCへの変換はほぼ起こらないだろう」です。
じゃあ何で胃液に突っ込んだらTHCになった、なんて話が出てきたかというと、その当時使っていた人工胃液の中にこのSDS、ドデシル硫酸ナトリウム、要は界面活性剤が入れられていたからなんですね。そんなの胃液に入ってるわけがない、だからSDSを抜いた人工胃液で試しにやってみたらほとんど変換が起きなかった、じゃあ大丈夫だろう、とこういうわけです。
ただそれってつまり界面活性剤が入っているところにCBDを入れると結構な勢いでTHCへと変換されていくということでもあるので、そのあたり、特に製剤を考えるときなどに、留意しておく必要があるのではなかろうかと思います。
CBDの薬理学的性質から見た問題
さて化学的性質だけでだいぶ長くなってしまいましたが恐らくこちらの方が興味ある方多いと思います薬理学的性質、ここに大体のことはまとめてあるんですが注意すべき点というか、考慮すべき点をいくつか上げていきたいと思います。
まあこの中で一番シンプルかつポピュラーなのはこれですね、CYP阻害作用を持つという点です。これかなり有名な話だと思っていたのですが実はそうでもないらしいのであえてここで強調させてください、CBDはかなり強いCYP阻害作用を持っています、何なら肝機能障害を増悪させるレベル、結構強いです。なので当たり前に様々な薬物の代謝にクリティカルに影響します。別の薬と併用して倒れたとか何とかというのは大抵これが原因なんじゃないかと思います。少なくとも抗てんかん薬クロバザムと併用して生じた副作用にはCYP2C19が寄与しているという報告がありますし、そういう意味で人に投与する際には重々注意していただきたい部分です。
でも実は今回一番知っていただきたいポイントはこの「作用機序まだ全然解ってない」この1点に付きます。ここ数年で作用点だったり何だったりというものが二転三転四転していて、それこそ論文レベルで見ても結構違っていたりするくらい、まだまだ解っていないのです。
実際にここにいくつか総説レベルの作用点の図を持って来ましたが、どうですか、びっくりするくらい違いませんか。一応共通する部分はいくつかあって、例えばCB1受容体に対しては、どういう形かは諸説あれども、とにかく負に働くとか、分解酵素FAAHを抑えるとか、GPR55を抑えるとか、……でも例えばこの下の2つの図ではCB2受容体を作動するっていっていますが、上2つの図では阻害するっていってるんです。どっちなんだか、最早意味不明です。
個人的にはもうCBDって何にでも結合していろいろやるという印象があって、「このひとところに作用するからこそ効くのだ」という決定打的なものは無いと理解しています。で、例えばなんですが抗てんかん作用の機序、実はほとんど解っていなかったのが昨年やっと報告が出たのですが、これがまたここに書いてあるどの分子機序でもなくてですね……
また全く違う、今度は電位依存性カリウムチャネルKv7への作用だというんですね。正確には260番目のヒスチジンが欠失している変異型Kv7.2によって生じる異常な活動電位を抑え込んで正常なところへと戻す、のだそうです。
で、この変異、実際に家族性のてんかん患者で入っていて、しかもこの得規定な変異を持つ患者さんにCBDを投与したところ極めてよく効いた、ともこの報告の中にはあります。CBDがよく効くてんかんとそうでないてんかん、あると思うのですが、その違いを説明する1つの有力な機序なのではないかと思います。
ともあれ既知だった作用点ではないところで強力な生理活性作用を持つことがまた1つ解ったわけで、まだまだCBD、作用点1つとっても解らないことは多いです。
で、ここでもうひとつ絵を紹介したいのですが、これ素晴らしいですよ、いわゆるKi、すなわちどれくらいの濃度があれば作用が生じるかまで記載してあります。当然少なければ少ないほど親和性は高いわけですが、ここで見ていただくとわかるようにいわゆるカンナビノイド受容体への作用って決して強くないんですね。
ネガティブアロステリックモジュレーターとしてのKiは100 nMとかなり低いように見えますが、よく見るとTRPM8への親和性の方が高いわけです、単位がマイクロなので騙されそうになりますけどこれ60 nMですし。他にもGPR6への親和性もさして変わらない、180 nMです。
そしてカンナビノイド受容体のインバースアゴニストとしてというならだいぶ量が必要で、こんな4 μMを超える量のCBDなんて入れようものならば同時に物凄くたくさんの受容体や酵素が同時に刺激されることになってしまいます。
ということは当然こんなので「CBDが内因性カンナビノイド系を整える、調節する」なんていえるわけがないんです。なので安易にエンドカンナビノイド系に説明を求めるようなことはしてほしくないなあ、と内因性カンナビノイドの研究をしている基礎薬理研究者としては心の底から思っています。
さて最後ここにちらっとなかなか物凄い質問がありますね「副作用がない」「効果を上げたい」「だったらどれだけ増量しても良い」……もう何ですか、役満にも程があります。薬物、あるいは化学物質である以上、副作用はあるに決まってるし、増やすにも限度ってもんがあるのに、いるんですねこういうこと言っちゃう人。で、薬を扱ってらっしゃる方々なら普通に何いってんだというところだと思うんですが、ただ1点、CBDには結構明確な釣り鐘効果がある、という点だけ紹介させてください。
とはいえ別に釣り鐘効果自体はそんな物凄い珍しいものじゃないですよね、例えばモルヒネの用量とその効果の相関図なんかはよく知られたものです。
少なすぎてもダメ、多すぎてもダメ、適正な用量を使わないと望む効果は得られない、そしてこの「効く」用量って結構幅が狭くてピーキー、まあよくある話です。でもなぜかことCBDとかカンナビノイドとかってなるとこの話が吹っ飛ぶ人が多いんですね、やたら安全なんですよねとか他の薬より副作用無いですよねとか言ってくるんですが……
……もちろんそんなわけはなくて、例えばヒトの緊張に対する影響を検討した研究で、少なくてもダメだけどあんまり多くても逆効果という結果が出ています。人前で喋ると緊張しますよね、これって心理的な緊張だけではなくて、同時に血圧や心拍数の上昇を引き起こすのですが、これらの血圧や心臓のドキドキ、あともちろん心理的な緊張にも、ここで使われた最大用量である900mgは多すぎる、という話になっています。
また他にも例えば髪の育成に良いという話もあるのですがこれまた多すぎると逆効果になる、要は少ないと毛はよく育つが、効かせたくてたくさん投与するとむしろハゲると、そういった報告もあります。なのでCBDに釣り鐘効果があるのは明らかなのですが……
……最近どういうわけかこういう絵が出回っているのですね。
要は生成したCBD単体だと釣り鐘効果は出るけれど、麻をまる絞りしたエキスだとそれがなくて、取ったら取っただけいい効果があるよ!だから臨床への施用には大麻まるごとのほうがいいよ!という主張なのですが、でもこれ物凄い落とし穴があってですね……
……こちら実際の論文内で一番この「大麻まるごとこそ最強」という主張が解りやすいところを取って来ました、このClone202エキスと書いてあるほうが麻のエキスです。たしかに見かけ上はCBDのみだと用量を上げると効果が下がる、釣り鐘効果が見られて、エキスだとどんどん増強していく、リニアな用量依存性が見られるように見える、のですが。
でもね、これあくまでもエキスであって100%CBDじゃないんです。じゃあどれだけこの中にCBDが入ってるかったら17.9%、つまり2割もない!さてこのClone202のグラフの横軸の値、全部5で割ってください。最大でもCBD量換算30mg/kgで、つまり左側のCBDのみのグラフの「効果が下がるところ」である50mg/kg以上の範囲に全く入っていないのです。
なのにこういう、CBDだけだと釣り鐘効果が出るけど全部入ってるエキスだとそれが起こらない素晴らしい!みたいなトンデモロジックがまかり通ってしまっているわけですね、是非にご注意いただきたいと思います。
日本のCBD研究は世界に追いつけるか?
さてここまでかなり駆け足で話をして来ましたが、CBDという物質が臨床やヘルスケアでガンガン使っていくにはなかなか課題感の大きい物質であるというところをお話させていただきました。今回紹介はしなかったのですが、例えば前後にどういう食事や飲み物を飲んでいたかで吸収効率が全然変わったりしますし、投与法など「これ」というクライテリアが固められるにはまだ様々な試行錯誤が必要だと感じています。
とはいえCBDやカンナビノイドの生理活性作用というものはやはり強力かつ他にはないもので、だから上手く利用したいという気持ちはとても良く解ります。なので実はもっともっといろいろと、もちろん臨床研究や薬理研究も大事なのですがそれだけではなくて、もっと基本的なところからいろいろと試行錯誤しないといけないのではないか、と個人的には思うわけです。
例えばこういうDDSを考えるとか、1つの戦略なんじゃないかと心底思っています。これ実際にこの1年ほどで世界で立て続けに行われている検討の数々で、ミセルに入れてどうこうというのは日本でも似たようなものが見つかるんですが、さらに進めて脂質二重膜リポソームに他の水溶性薬物と一緒に封入するとか、口腔内フィルム化するとか、マイクロニードル化するとかで、届きにくいところに効率良く届かせるという、こういう試みはもっと増えても良いと思いますし、今後さらに増えていくと思います。こうなってくるとマテリアルサイエンス系と手を組む必要もありますし、企業さんの出番というところも少なからずあると思います。なので今後は例えば、日本独自のCBD基剤のようなものができてきたらいいな、そしたらアプリケーションももっと広がるだろうなと最近は思っているところです。
さてこれが最後のスライドなのですが、実は私の古巣であるドイツのボン大学病院でALSの患者さんに医療大麻を使うという試験が始まっているようでして。他にも痴呆であったりとかいろいろやっていこうとしているというのを元同僚から聞きましてですね、最後に紹介したいなと思って持ってきました。
私がいたこのドイツの研究所はまさにカンナビノイドの基礎医学に関してドイツ国内で1・2を争うようなところでして、それこそALSやMSも含む実に様々な疾患に対して大麻やカンナビノイドが効くかどうか、効くならどういう機序なのか、というのを10年以上も前からやっていたようなところです。そういうのが礎になって今こういう臨床研究がどんどん進もうとしているということで、日本でももっと、臨床だけではなく基礎も、そして基礎だけではなく臨床も、両方がお互いを支えられるように研究がいろいろと花開いて増えていくと良いなと思っています。その基礎側の一端を担えたら良いなと思いつつ、本日のお話は終わりにしたいと思います。ここまで見ていただき有り難うございました!
最後に
この再録はCBD部主催のCBDアドベントカレンダー2024の参加企画でもあります!他にもいろんな「CBDやカンナビノイドを愛する人たち」の渾身のコンテンツがありますので是非そちらもどうぞ。
そして当研究室では一緒に研究をお手伝いしてくれる方を学生さん社会人その他問わず広く募集しております!是非カンナビノイド研究を盛り上げて行きましょう。寄付、講演依頼、執筆依頼なんかもあるととっても嬉しいので是非こちらからお気軽にご相談下さい!笑
ではここまでお読みいただきありがとうございました、またどこかで会いましょう!
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