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めめんと森

こんにちは、兄弟ユニットNEW CINEMA WEEKEND 81のベースボーカルの智啓です。


先月末、高知では本当に久しぶりに少人数のお客様に来場頂きライブができました。

このご時世、音楽イベントに来たくてもこられない医療・保育など職業の方も多いと思いますし、ご家族のことなどを考えるとなかなか行き辛い中、ご来場してくださった方、ネット配信チケットを購入してくれた方。来たかったけれどこれなかった方。


皆様には本当に感謝しています。


さて、今回のタイトル「めめんと森」ですが、高校卒業して以来ほぼ会っておらず、連絡もとっていなかったクラスメートの坂本太郎氏が突然ライブを観に来てくれただけでなく、絵本を出したとのことでその絵本をプレゼントしてくれました。そのタイトルが「めめんと森」。


久しぶりに会うの喜びもそうだけど、そうやってアクティブに活躍しているクラスメートがいるって嬉しかった。


実は坂本太郎ってペンネームで性別は女性です 。

(当たり前ですが)高校生の頃は本名で呼んでいたので、インスタフォローされた時は太郎って誰?!と思ってました 笑


毎年年始に一度、必ず行っているクラス会には20才前後で一回だけ参加した記憶があるくらいで、あとは大体年末年始の飛行機が高いこともあって、東京にいることが多かったので、毎年不参加を表明していたら誘われなくなったのである 笑

僕は高校があまり好きではなかったし、音楽をしたくて上京した時は高知なんて2度と帰らないんだもんね!などと中二病を爆発させていたため、クラスの集まり?そんなん知らんがな!と尖っていたのかもしれません。(今は違いますよ?)


話しを戻して・・・、


「メメントモリ」とは”死を思え”という格言で、詳しい時代はわからないけれど、中世ヨーロッパ貴族から生まれた言葉。(ローマかな・・)

当時、完全消費階級であった貴族たちは肉やワインを朝から晩まで飲み食いするパーティー三昧の毎日で、農民たちはその生活を支えるために大変な重労働に追われていたようです。


その頃の貴族の食事シーンの絵画には、テーブル上に乗った沢山の食材とワインと共にキジ(クジャク?)の羽が立てられていて、腹一杯になるとその羽を喉に突っ込んで吐いて胃を空っぽにしてはまた飲み食いしていたそう。


その虚しい消費、飽食の日々から生まれた言葉が「メメントモリ(死を思え)」だったはず。(昔そう習ったような)



僕も前のバンドでメメントソングという死をテーマとした曲を書いていたのでちょっと驚きました。


もう一つ驚いたのは、文章を書かれた三浦玲さんがなんと、兄貴の高校の同級生であり、35歳で子宮頸癌で亡くなられていたことです。


本のあらすじは、めめんと森に暮らす動物の話。


病気で死期が近いと感じ恐怖したうさぎが、キツネに会いにくるシーンから始まる。


病気のうさぎ「死がこわい、死に恐怖していることを周りの家族や友人に知られるのがこわい、いっそ食べて欲しい」


きつね「じゃあ食べてやる、だがあいにく食事をしたばかりでな、少し森を案内してやる」


そうして、きつねとうさぎはめめんと森を歩き、きつねは森のあらゆる場所での様々な動物たちとの出会いや死を淡々と伝える。


そして生きるとは辛く、不条理で、幸せで、儚く、強いものであることをうさぎに伝えていくといった物語。※会話文は原作とは違います。


生と死は根っこで繋がっている。


宇宙も草木も太陽も人も動物も全部、死を想うってことは生を想うということ。


闘病の中、三浦玲さんが振り絞ったであろう決して軽くない永遠のテーマに、坂本太郎が可愛らしくも力強い絵で応えた絵本。


僕も何度か読み返しましたし、また、時を経て読むと思います。


今月15日から原画展もやるみたいなので、よろしければ行ってあげて下さい。

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そして、お手にとってお子さんや近しい人のプレゼントにしてもらえたら、僕も嬉しい。

では!

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