この本との出会いは、恥ずかしいエピソード抜きには語れない。 遡って私は高校生。周囲が浮き足立って若さ故の過ちやらに夢中な時、斜に構え観察して自衛する人間だった。 ある日私と友達は『ま行』の本棚の前にいた。 ちょうどその頃私達の間で、村上龍が静かなブームだった。 『KYOKO』を回し読みしていたと思う。 今思えば思い切り背伸びをしていた。 そんな時私の目に入ったのが『村上春樹』だった。 「龍もいいけど、春樹の方が好き」 ふとそんな言葉が私の口をついて出た。 「そうなんだ
インドの刺繍リボンに一目惚れして買いました。 ピアスにしよう! ポニーフック着せ替え型にしよう! と、張り切って作りまくり…… 案の定、端切れも捨てられません。 四角くしたらブローチになるかな?と試しに形を作りました。 ふと思いつきで、ゴッホの夾竹桃のポストカードと並べたところ…… 配色がほぼ同じ。 それがなんだか嬉しいのです。 好きな配色なのかなぁと他人事のように思いました。 それはそこかしこに潜んでいて、ある時私に自覚させる。 とてもひっそりと。 「好き」は後か
命を考える ここで入院中同室だった方のことを書こうと思う。 あまり詳しいことを書くわけにもいかないので、私の印象でざっくりと。 これまでの私は高齢になればある程度自分の死期に向けて色々と考えていくんだろうなぁと思っていた。 でも、今回の入院でその考えは一転した。 いくつであろうと生きている限り、人は生きていたいと願うものなのだ。 その方は、そんな印象だった。 私が入院中に少し元気を取り戻した頃合いで話しかけてくれて、色々話をしてくれた。 どれも楽しいものだった。 未
なんかいつもと違うなぁ そう思ったのが月曜日。 胃腸薬で治るだろう、そうやり過ごそうとしたのが火曜日。 今日は走れそうにない、そう思ったのが水曜日の朝。 そんな水曜日の夕方、自分で救急車を呼び搬送先で緊急入院となった。 入院? 家族のことが頭に浮かび、そして仕事、本番のことが同時に頭に浮かんだ。 本番とはアコーディオンで参加しているバンドの本番のことだ。 本番が差し迫っていたのだ。 痛みもあって思考能力は低下し、発熱していることも分かりあれよあれよという間に一通り検査
太陽が上りきらない寒い日の薄闇の中、微かな光の元にオーディオから流れるピアソラ「3つのタンゴ」に目を閉じる。 よりはっきりとした暗闇が現れ、音楽に包まれ浮遊していると錯覚する。 流れるままの音楽が本当に耳に届いているのか少しずつ音楽すら遠くなっていき、やがて無になる。 我に還る時、また音楽が蘇り自分の周りは先ほどより暖かい光に包まれていることに気づく。 重い腰をあげ、湯を沸かす。 立ち上る湯気が出るまで。 心地よい新しい明るさのはずなのに「明けないで」と強く思った。 何故?
フルタイム勤務を始めて早2ヶ月。 これほど年末年始の連休を待ち焦がれた日は、最近では「ない」と言い切れる。 心底休めることが嬉しい。 「連休」は脳内をお花畑にし「昼からビールを飲もうか」そんな幻想まで抱かせてしまう。 そんな私の連休は30日から始まり4日に終わる。 私は職場ですごく微妙な立ち位置にあり、気をつかわざるを得ない。 今までの経験を封印し笑顔を顔に貼り付け爽やかに返事をする、そんな働き方が求められる。 まぁ40年と少し生きている中の今年度残り3ヶ月と思えば、一瞬のこ
「お誕生日おめでとう」 家族の誰かが誕生日を迎え、皆でお祝いをする。 ケーキは毎年手作りだ。 母がジェノワーズを焼き、真っ白いホイップクリームと赤い苺がその上にのる。 ジェノワーズは二段になっており、その間にも缶詰のみかんがひそんでいる。 家庭で作るケーキだから毎年出来栄えが変わる。 ジェノワーズがかたかったり、クリームがとても甘かったり。 それでもなんだか美味しくて。 それは私が子どもの頃のお誕生日の思い出だ。 そうして私はその思い出をもとに、お誕生日にはケーキを焼く。
これから書くことは、秘めなくてはならない出来事だ。 特に、娘には読まれてはならない。 娘はこの春、中学生になる。 私がこの記事を書いていることも知らないし、このサイトに上がっていることも知らない。 このサイトにお世話になっている自分がこう書くのもなんだが、娘がこのサイトをこの先10年くらいは閲覧しないことを祈る。 しかし、この出来事は文字に起こしておきたい、そう強く感じたのだ。 ことの起こりは、ピアノを弾き終わったとき。 ピアノは娘の部屋に置かれており、私は出入りを許さ
今年2月から始めた「あつまれ!どうぶつの森」。 北半球にある私の島「ランゲルハンス島」は、じわじわ発展しつつある。 1ヶ月余りでエンディングを迎え、ハッピーホームパラダイスを導入。 今は博物館の喫茶店オープンをひかえている。 目下、辺境の地(川によって区切られた土地)の開発に励んでいる。 先日サンバ師匠(ベルリーナ)を迎えて派手な家具を入手したので、それらで辺境の一角を飾ってみた。 その光景は「派手!」の一言に尽きる。 自宅も3部屋目のローンを組んだ。 しかし、小部屋に関
今回のおやつは素材を使い切れて、計量カップとタッパーがあればできるおやつです。 主役はみかんの缶詰! みかんがシロップ漬けになっている物です。 材料・ゼラチン、みかんの缶詰。 道具・計量カップ、タッパー、混ぜる道具(スプーンとか) ゼラチンをお湯で溶かして、みかんのシロップとよく混ぜて、最後に果肉を並べます。 1時間もしたらプルプルのみかんゼリーが完成! 今回使ったゼラチンは、一袋を50ccのお湯で溶かし200ccのシロップを混ぜる物でした。 なんと缶詰のシロップを
着る物を買うときは、自身の年齢と相談する。 年齢相応……この言葉が呪文のように頭の中をそうグルグル回り続ける。 呪文という名の呪縛だ。 そんな中、気になっていたのはシアーシャツ。 薄くてヒラヒラして儚くて、なんだかとても魅力的。 しかしここで呪文という名の呪縛が頭に浮かぶ。 果たして着こなせるのか?? 似合うのか?? それこそ着てみないとわからないのだが…冒険するにはより大きな勇気がいる。 自分の衣服の買い時が見出せずにいたので、買うのも久しぶり。 久しぶりすぎて、なん
私のスマホはiPhoneです。 タブレットはiPadです。 パソコンは一度修理に出して今も使っているmacです。 移動中に音楽を聴く時はiPod shuffleです。 それに加え、現役を退いてもなお我が家に眠るのはiPodと初期のiPadです。 こういった機器は「愛着」という名の下にあるのです。 今回はそんな眠っていたiPodを復活させたお話。 さて、私は据え置きオーディオ類を二つ持っています。 ひとつはBOSE。 もうひとつは真空管アンプ。 なぜふたつあるのかと言うと、
目に見えないものが絶大な影響力を持っていると、息苦しくなる。 そうなると「外に出たい」そんな気持ちが強くなる。 でも、今はその時ではない。 外に出たい!と強く思うのは、外に出ることを規制されているからだ。いつでも外に出られるのであれば、外に出たい欲が強く出てくることがない。 そんな気持ちの変化とどう上手く付き合っていったら良いのだろう。 考えても良い案が浮かばないので、とりあえず小さな模様替えをした。 学校から帰宅した娘が「ここに引き出しがないだけで、引っ越したみたいだ