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諦めること

念願の余裕資本を手にした私は、最近は平穏な日々を送っている。
諸々手放してやらなきゃいけないことの絶対量が減っているのが一番の要因ではあるけど、”できること”と”できないこと”の区別がつくようになってきたことも大きい気がしている。

それって、いつだか高校時代の恩師に聞いて以来ずっと頭の片隅にあった「諦める」ことなのかなも思っていて。

今、日本語で「諦める」といえば、自分の願いごとが叶わずそれへの思いを断ちきる、という意味で使われるのが一般だ。

しかし、「諦観(たい(てい)かん)」、「諦聴(たい(てい)ちょう)」といった熟語の「つまびらかにみる、聞く」にみられるように、「つまびらかにする」「明らかにする」が、本来の意味である。そして、漢語の「諦」は、梵語のsatya(サトヤ)への訳語であって、真理、道理を意味する。

 そうであれば、ものごとの道理をわきまえることによって、自分の願望が達成されない理由が明らかになり、納得して断念する、という思考のプロセスをそこに見出せる。単に「あきらめる」だけであれば、悔い、怨み、愚痴が残る。ものごとの道理が明らかになった上でのことならば、納得しての「諦らめ」となる。
大谷大学HP 生活の中の仏教用語[180]

なんだかNVCの自己共感にも通じるプロセス。

自分の状況を明らかにし、できないことはできないと冷静に納得し判断すること。これが、なかなかに難しい。
この言葉を知ってから5年以上経つけど、ようやく自分の感覚として理解できるようになってきた。

そしてそれは、昨年のしんどかった時期をやりすごそうとする中で身についたものかもなーと思い。

2022年の年末に書いたnoteの下書きを、せっかくだから公開してみようと思う。


今年は、どんな1年間だっただろう?
自分を許し続けた1年だったように思う。
今までだったら許せなかった自分を、許さないと生きていられないような1年だった。

1月。
誕生日にコーヒーセットを手に入れてから、毎朝豆から挽いてコーヒーを淹れるようになった。しかもフェアトレードの良い値段する豆。自分のために時間とお金を使い始めた。
その一方、どうしようもなく気力の湧かない日々が続いた。
どうしようもなくなってうずくまる時間が増え、予定をドタキャンすることも増えた。
どうしたら気分が上がるのか、全くわからなかった。些細なことで自分が傷つくから、何か行動を起こすことも怖かった。
「がんばらないことをがんばるって決めた。」って本を買った。

2月。
いつものセーフティネットhitotose(友達のシェアハウス@大分)に避難した。
人と過ごすことで、気分をフラットに持ち直した。
人生初の面接があった。怒りとか悔しさが飽和して号泣した。
先輩の家で良かったと思った。
未来塾で、「農泊的な何かをしたい!!」という気持ちに熱が入った。
家に帰ったらまた気分が沈んでしまった。

3月。
就活が本格化した。
卒業シーズンでもあったから、友達と会って就活してまた友達と会って、の繰り返しだった。
友達と会い始めてから気分を立て直した。
一方で就活は予想以上にエネルギーを要した。
それを自覚してから、多めに時間を見積もったりお菓子買ったりと自分を甘やかすことを覚えた。毎朝のコーヒーと共に、読書タイムも取るようになった。

4月。
3〜7月くらいの間、2週間に1回ペースで体調崩してた。
その度に焦りはあったけど、仕方ないから逆らわずに寝込んでた。
想像以上に自分のキャパが少ないことを自覚した。
「さんはい!だるい〜眠い〜疲れた、なんにもやりたくない!」て言いながら可愛いうさぎのキャラがじたばたしてる動画にハマった。

5月。
就活の最終局面。
とりあえず屋久島に行くことにした。
苦しかろうと、自分のために悩む時間を大切にしようと覚悟を決めた。
卒業後の進路が確定した。

6月。
進路は確定したもののすっきりしない日々が続いた。
就活が終わっても相変わらずやることに追われ続けていた。キャパオーバーもいいとこだった。
忙しさから、慢性的に吐き気があった。
気合いではどうにもならない!
やることを減らさないとどうしようもない!
という何度目かわからない戒めを心に刻んだ。

7月。
「やらなきゃいけないことだけやる。やったほうがいいことはやらない。」という目標をたてた。
でも、やらなきゃいけないことだけしかやらない自分に存在意義を感じられなくて苦しんだ。

8月。
コロナになった。
ある程度回復してからは、忙しい日常に戻るのが嫌すぎて怯えてた。

9月。
一旦手放そうと、ようやく決意した。

10月。
タスクが管理できない量になってきて、notionでタスク管理を始める。
メンタルの上下は体調と一緒で、自分の思うままにはならないとわかった。何かしたら気分が上がるわけじゃない。とにかく休まなきゃ治らない。

11月。
スケジュールの組み方が上手くなってきた。
睡眠時間と息抜きの時間は何があっても削らないと誓い、間に合わない場合はクオリティを諦めることにした。

12月。
ついに、手放すことに成功した。


以上。

note見返してたらこの下書きを発見して、
嘆きを嘆ききった先の今なんだなーと思った私の記録として。

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