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30歳の誕生日

30歳になった。あっという間の30年だったような気がする。
私は今までの自分の人生を平坦だと思っている。
多少の浮き沈みはあってもどうしようもなくなったことは一度もない。
それはとても幸せなことだと思う。

多くの人が感じているように、30歳の自分はもっと大人だと思っていた。
でも実際はある日から突然自分が自分ではなくなるようなことはない。
結局自分は自分以外の何者にもなれないのかもしれない。

それについてはスリランカで2年間過ごしたあとにもものすごく感じて、途上国で2年間過ごすことで自分が何かものすごく成長できるのではないかという幻想を抱いていたことに気付いた。

私は自分のことが嫌いではないけれど、決して好きではない。
だめなところも嫌なところもたくさんある人間だということはよくわかっている。
ただそれはそれで良いと思っているので、自己評価は低くても自己肯定感は低くない。

小さいとき、両親はそれなりに厳しかった。
ちゃんと挨拶やお礼をすること、ご飯を食べるときは姿勢を正すこと、相手の目を見て話を聞くこと、自分がされて嫌なことは相手にしないこと。
大切なことをしっかり教えてくれた。それが故に叱られることも少なくなかった。

何をしたからそうなったのか具体的には覚えていないが、叱られて家の外に出されてしまったことも何度かある。だけど叱られたあとには必ず、両親は私にこう言った。

「世界中の人があなたの敵になっても、私たちだけは絶対にあなたの味方だから」

だから私は心の奥底で、何があっても大丈夫だと自信を持つことができる。
そして両親にとても感謝している。もちろん姉や祖父母にも。

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30歳になっても私は自分の未来について明確な何かを持てない。
好きなことやぼんやりとした希望はあっても、なりふり構わず一生懸命になれる何かが今の私にはない。
結婚だって今すぐにはできないだろうし、そもそもしたいかどうかもわからない。
上に書いたことと矛盾するようだが、そんな自分に不満も持っている。
”もっとしっかりしなよ”と自分で自分に言いたい。
結局は理想と現実がかけ離れていることを認めたくないのかもしれない。
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そんなこんなで悩みは尽きないけれど、とにかく30年間無事に生きてこられたことに対しては良かったなと思っている。
今日も空気は美味しいし、伸びをすると気持ち良い。
これからも自分と上手く折り合いをつけながら、頑張りすぎず生きていこう。

2020.9.5 30歳の誕生日に

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