銭湯LOVERインタビュー

【銭湯LOVERインタビューvol.3】美月さん「銭湯は肩書きなく素の姿で語れる場所」

こんにちは!銭湯ブロガーのちーさんです。
本日は、銭湯LOVERインタビュー第3弾。都内大学生の美月さんを紹介します!

銭湯LOVERインタビューの経緯はこちらの記事から。

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美月さんが銭湯に通うようになったきっかけはなんでしたか?

はっきりコレというのは思い出せなくて。というのも、私は赤ちゃんの頃から家族に連れられて銭湯に行っていたので銭湯に行くのが当たり前だったんですよ。もともと、東京の下町生まれで、近所の銭湯に週に1回くらい行っていました。小学校のときに愛知のど田舎に引っ越して、その後名古屋の都心部に高校卒業までいました。
ど田舎時代は狭すぎる町ゆえの監視社会で何か行動するたびに緊張感が走るコミュニティだったこと、名古屋時代は中途半端に都会だったせいかマンションの隣の住人すら把握してない超ドライコミュニティだったこと、この環境に窮屈さを感じてて、名古屋に引越してから「東京に戻りたい」とずっと思ってました。父の転勤で、また東京に戻ってきて、東京の銭湯に行ったら「あ、私が求めてたのってこの空間だ」って思ったんです。東京の銭湯時代に経験した、学校以外で全然知らない大人と世間話をするような「ちょうどいい距離感の居場所」を求めていたんだと思います。最近は、銭湯のイベントに行ったり、オンラインサロンに入ったりして、ますます銭湯が好きになりました。

銭湯が美月さんの原点なんですね。今は、どのくらいのペースで銭湯に行きますか?

季節によりますが、月3〜4回くらいです。就活中はよく行ってましたね。面接の帰りに近くの銭湯を探すのが楽しみでした。

就活で!普段はどんな時に銭湯に行きたいなぁと思いますか?

悩んでることや辛いことがあって「一人になりたいけど一人になりたくない」という時に行きます。銭湯って、行っても知らない人ばかりだし特に誰かと話す必要性はないのですが、行ったら人の温もりを感じることができる場所なんです。私は、人に相談するよりも内省して悩みを解決するタイプなので、落ち込んだ時は銭湯に行きます。

「一人になりたいけど一人になりたくない」ってなんか深いですね。改めて、美月さんが銭湯に通う理由ってなんでしょうか?

主に3つあって、1つが普段出会えない人に出会えることです。人生の先輩と会話ができるのが楽しみです。普段、街中とかだと服とか化粧とかで無意識に人の印象とか肩書きとかついちゃう部分があると思うのですが、銭湯はお互い真っ裸なので、フラットに素の姿で語れるんですよ。前に、閉店間際の小さい銭湯でおばあちゃんと二人きりになって話したことがあったんです。そしたら「私はもう旦那も亡くなって、カラオケと銭湯しか楽しみがないのよ。それでも強く生きている。あなたも強く生きなさい!」って初対面なのに深い話をしました。2つ目は、スマホ、SNSから離れられること。普段なかなかスマホを手放す時間がない中で、銭湯に行くとスマホを手放してじっくり考える時間が作れるので。3つ目が、探検できることです。私は、一つの銭湯に行くというよりは、いろんな銭湯を巡るのが好きで、ついでにその街も探検してっていうのが楽しみですね。

すごい分かります!どのくらい巡ったんですか?

数えてはいないのですが、30〜40軒くらい行ったと思います。

銭湯で思い出に残っているエピソードってありますか?

御谷湯の半露天風呂に、おばあちゃんと娘さんの家族がいたんですよ。私は一緒に露天風呂で浸かってたのですが、おばあちゃんが露天風呂で転んでしまったんです。そして、頭から血を流して倒れてしまって。お湯が流れてるのもあって、血がぶわぁ〜ってなって娘さんがパニック状態になってしまいました。私は、その光景をみてなんだか冷静になって、すぐに脱衣所に走って救急車を呼びました。救急車が来るまでの時間でも、周りの人と協力して裸のまま救助活動をして、救急車が無事到着した時には、銭湯にいるみんなが謎の一体感に包まれて仲良くなったという思い出があります。

すごいところに立ち会いましたね・・・!

このインタビューでは、銭湯のあるライフスタイルということで提案をしていきたいのですが、何かアイデアありますか?

大学生だと、よく飲み会とか行くのですが、飲み会よりも銭湯に一緒に行った方がいいと思うんですよね。真っ裸で語るというのは、距離の縮まり方がお酒と同じくらいの効果があると思うんです。まぁ、男女別になっちゃうのとすっぴん見られる問題はあるのですが。

同性同士の仲のいいグループだったらありですね!

そうですね!銭湯行ってから飲みに行ってもいいと思いますし。それから、友達の大学生と話すと、銭湯は「治安が悪い」「汚い」というイメージがあるみたいなんです。そのイメージをどう払拭するかは考え中なのですが、まずはキレイで大きな銭湯に連れて行ってっていうのを地道にやってくしかないかな〜と思います。

東京の銭湯にかなり詳しそうな美月さん。最後におすすめの銭湯を教えてください!

東京だと、高円寺の小杉湯、鶯谷の萩の湯、上野の寿湯です。小杉湯は、交互浴が気持ちいいから。萩の湯は、銭湯の概念を覆してるところ。風呂上がりにアメ横散歩もおすすめですよ!寿湯は家が近いからなのですが、家から徒歩圏内でふらっと行ける銭湯をひとつ持っておくのは重要だと思います。あと、私的に超おすすめの銭湯が京都にあって、玉の湯というところです。外装も内装もかわいくて、運営も工夫を凝らされていて、熱意を感じて、応援したくなりました!

銭湯での人との出会いを大事にしている美月さんの話を聞いて、先日知らないおばあさんに話しかけられて穏やかな気持ちになったのを思い出しました。銭湯って初対面でも裸で距離感近く話せる特別な場所なんだなぁということを感じました。

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