見出し画像

ヒーリングの魔法 基礎編 その1

第一回 病は外から内へと進んでいく

1. このセミナーを企画した理由

恐ろしいウィルスが蔓延しているという報道に多くの人が不安にとりつかれているのを見て、免疫システムというものについて知らない人が多すぎる、と思いました。そもそも病とは何なのか、私たちはどのように病にかかり、そしてどのように癒えていくのかを知っていたら、何も恐れることなどないのがわかると思います。

今の医療システムは検査値だけがすべてになっていて、自分で病気なのか健康なのかもわからないかのようなことになっています。そうした中で、自分で自分の身体感覚を信頼することもできなくなり、身体が意識から切り離されて、ただ医療に依存するしかないようなことになっています。このような状況が、存在も定かでないウィルスの脅威に支配される事態を作り出していると思います。
これは、現代医療そのものに根づく問題で、作られた状況でもあります。ですが、私たちは自分の身体のことを知り、再びつながりを取り戻すことができます。このセミナーは、ホメオパシーから見た免疫システムについて説明し、それから意識の魔法を使って、意識で自分の身体に何ができるのかを体感しながら、身体との繋がりを取り戻していけるようにと企画しました。

私はクラシカル・ホメオパシーを本格的に勉強していたことがあり、その勉強の中で基礎医学や免疫の仕組みを学びました。免疫システムについて少しでも知っていれば、武漢からのショッキングな映像を見ても、おかしいというのがすぐにわかります。

人間には免疫力というものがあるので、ウィルスに接触したからといって、いきなり肺炎にかかって呼吸困難で倒れるなんてことはあり得ないんです。ウィルスは鼻や口から入っていって、徐々に身体の内へと進んでいきます。鼻にも口にも免疫力が働いていて、感染が内に進まないように止めています。だから、仮に感染が肺まで達するとしても、鼻から入って肺まで進むまでには、数日かかり、その前には熱が出て数日は寝込んでいます。だから、普通に街を歩けるくらい健康な人がいきなり肺炎になって倒れるなんてことは、演技でしかないのはすぐにわかります。

免疫システムとは、将棋で言えば歩のようなものだと思えばいいと思います。最初に歩がやられて、桂馬や金銀がやられて、初めて王手となるので、勝負が始まったとたんに王手が来るなんていうことはありません。健康な人がいきなり肺炎を起こして倒れるというのは、それと同じようなことなんです。勝負が始まって歩が一つもやられていないのに、いきなり王手が来るということはあり得ません。それと同じくらいにあり得ないことなんです。


2. すべての症状は免疫反応

よく免疫というと、抗体のことばかりが言われていますが、実は抗体は免疫のごく一部にすぎません。
たとえば、ウィルスが鼻から入ってきて鼻の粘膜に感染した場合、まず鼻水が出たりくしゃみが出たりします。鼻水というのは、粘液を増すことでウィルスを洗い流そうとしているので、これも免疫反応です。くしゃみというのは、異物が入っているときに吹き飛ばそうとして出るわけですね。だからこれも免疫反応です。

多くの人は鼻風邪の症状が出たあたりで、身体を休めるとか何とかして、それ以上は進まないで治っていきます。ですが、身体が疲れていたりして免疫力が落ちていると、鼻からさらに喉に進みます。喉の粘膜が感染すると、喉が痛くなったり咳が出たりします。この段階になると、だるさを感じたり、熱が出たりします。咳もくしゃみと同様に、ウィルスを吹き飛ばそうとする免疫反応です。熱が出るのもそうです。熱が出るのは、それで血液循環を速くして、白血球がウィルスを分解したり、壊された細胞を修復するようにしているんです。

それに、多くのウィルスは38度程度に温度が上がると死んでしまいます。熱が出るのは、そういうウィルスを破壊するためでもあります。コ口ナ系ウィルスのような風邪のウィルスもまた熱に弱いので、喉から奥ではそもそも繁殖しないそうです。肺まで行くと、健康な人でも38度くらいの温度になるので、風邪のウィルスは生きていけません。だから鼻や喉など上部呼吸器だけに症状が出ます。風邪から肺炎になるときは、風邪のウィルスではなく、インフルエンザとか他の熱に強いウィルスやバクテリアの感染が原因なのだそうです。

普通に健康な人ならば、喉に来たあたりでそれ以上奥へは進まずに治ります。肺まで行くのは、もともと免疫力が一段低くなっている人か、何かの原因で抵抗力が弱まっている場合だけです。その場合でも、喉から肺まで進む前には、数日は熱が出て寝込んでいます。それがわかれば、普通に健康な人がいきなり肺までやられて倒れるなんていうことは、ギャグでしかないのがよくわかると思います。

私たちは、咳や熱や鼻水などが病気だと思っていますが、こういった症状は実はすべて免疫反応なのです。私たちの身体が元の健康状態に戻ろうとして、出しているものなのです。呼吸器系の病気では、鼻水、咳、痰、熱などの症状がありますが、これらはすべてウィルスを洗い流したり吹き飛ばしたり、分解しようとして出ています。

消化器系の病気は、食べたものが悪かったりして起こりますが、吐いたり下痢をしたりというのも、毒物を外に出そうとして身体が起こしている免疫反応です。私たちの身体は、食べる前に毒のものを避ける能力もあります。毒のあるもの、身体によくないものは、だいたい苦かったり臭かったりして、口に入れただけで思わず吐き出してしまうようなものが多いです。味覚や嗅覚というのも、免疫反応なんです。

野生動物は、何が毒草でどれが食用だとか習わないですが、それでも絶対に間違えません。果物でも、未完熟のものには身体によくない物質が入っていますが、虫や鳥は完熟するまで手を出しません。彼らは味覚や嗅覚の他に、本能的な直感みたいなものが発達していて、それで何が食べるのにいいものかどうかを適確に感じ取っているのだと思います。

人間にも本来、そのように何が健康にいいものなのか、何が悪いものなのかを感じ取る感覚がちゃんとあるんだと思います。毒のある植物は変な臭いがしたり、見るからに気持ち悪い外見だったりして、食べてみようという気がしなかったりします。私たちは調味料や香料で味や匂いをごまかしたものを食べるのに慣れてしまっているので、この感覚が退化しているのだと思います。自然な生活している人々は、こうした感覚がずっと発達していて、野生動物と同様に身体にいいものだけを適確に選んで食べることができるんじゃないかと思います。

だから、変な味がするから吐き出すとかいうのも、ちゃんとした免疫反応なんです。それが調味料などで味がわからなかったので食べてしまったとします。その次の免疫反応は、胃がムカムカして吐くということです。すぐに吐き気がして吐いたら、だいたいそれでもうすっきりして治っています。それでも毒物が出ないで腸まで行ってしまうと、今度はお腹が痛くなって下痢が起こります。これも、毒物を外に出そうとして起こっている免疫反応です。普通に健康な人だったら、だいたいこの辺で治ります。さらに内側へ毒物が入り込むと、肝臓とかにいくわけですが、これは免疫システムが一段下がっている人の場合だけです。


3. 症状は外から内へと進んでいく

ホメオパシーでは、症状がどちらの方向へ向かって移っていくのかを見きわめることがとても重要です。つまり、外の方から内側の方へと進んでいっているのか、それとも内側から外側へと向かっているのか、ということがです。身体の内側の方へ行けば行くほど、生命にとって重要な部分があるので、私たちの免疫システムは、病が内側へ向かわないようにと守っています。なので、もし外側から内側へと向かっているとしたら、それは免疫システムが病に負けているということになります。逆に、内側から外側へ向かっていたら、それは免疫システムが病を追い返しているということなので、いい方向に向かっているということになります。

ホメオパシーでは、症状自体を病と考えてなくそうとするのではなく、免疫システムを助けることで、病を元から癒そうとします。だから、ある症状が消えるかどうかではなくて、免疫システムがいい方向へ向かっているのかどうなのかを見るんです。それによって、治療が成功しているのかそうでないのかがわかるからです。

なのでホメオパシーでは、症状の移り変わりが病の悪化を示しているのか改善を示しているのかを知るために、心身がどのような順序で守られているのかを学びます。以下の図は、ホメオパシーの学校で教科書的に使っているジョージ・ヴィソルカスの「ホメオパシーの科学」という本からのものです。そこに日本語の翻訳をはめ込んであります。

病は身体にだけ現れるのではなく、精神や心理にも同時に現れます。なのでこの図では、精神・心理・身体の三つが入っています。私たちのオルガニズム全体が円錐形のような形で表されていて、一番内側が精神、その次が心理、そして一番外側にあるのが身体です。

円錐形の上の方へ行けば行くほど、生命に関わる部分になり、最も守られている部分になります。一番下の方は、普通に健康な人でも体調が崩れれば症状が出るような部分です。

まず、身体のところから見ていくと、一番上にあるのは脳と心臓です。これは、ここがやられたら死ぬっていう部分なので、身体の中で最も守られています。心臓というのは胸の左の方にあるように思われていますが、実際には胃の上のところの胸骨の後ろにあります。胸骨と背骨の間にしっかりと守られているんです。脳も頭蓋骨に覆われていて、簡単には傷つかないようになっています。もしこの部分に症状が現れたら、それはその人の免疫システムが最も弱っている状態にあるということを示します。

一番下のところにあるのは、皮膚・粘膜、筋肉、骨です。これは、普通に健康な免疫システムを持っている人でも、ちょっと体調を崩したら症状が出るような部分です。心臓や脳などは少しでも傷ついたら重大な障害が出るし、命にも関わりますが、それに対して皮膚や粘膜などは、かなりの範囲が侵されないかぎり命に関わるということはありません。なので、私たちの免疫システムは、健康のバランスが崩れた場合、まずこの一番下の部分に症状を出して、バランスを取り戻そうとします。

さっきも例に出した風邪の症状、鼻水や咳、喉の痛みなどは、すべて粘膜に出る症状ですね。それ以前に、体調が悪くなるとまず肌にでます。カサカサしたり、髪の毛にツヤがなくなったりします。

皮膚や粘膜に症状を出しても病がさらに内側に進んだ場合、今度は内臓にいきます。それが真ん中のオレンジ色のところです。腎臓、肺、肝臓、内分泌に症状が現れます。この部分に症状が出たら、粘膜などに出たときよりもずっと重大な障害があります。ここまで行くのは、免疫システムがかなり低下していることを示しています。

次に心理のところを見ていきます。心理と精神とを区別していますが、精神というのは認知能力などに関わる部分で、心理は感情などに関する部分です。精神病と心理障害の違いと同じです。精神病で侵されるのが精神の部分で、心理障害で侵されるのが心理の部分です。

精神病といったら、認識力からして狂っている状態のことを言います。たとえば、隣の人が自分を殺そうとしていると思い込んだとして、心理が病んでいる場合は、事実を示されればそうではないとわかります。だけど、感情的にどうしてもそういう恐怖感や猜疑心を持ってしまう、という状態です。それに対して精神が病んでいる場合は、事実を見せられてもわからない状態になっています。つまり、感情だけの問題か認識力までがおかしくなっている状態かという違いです。

心理の一番上のところは、自殺衝動です。身体が健康でも、心理の部分がそこまで病んだらやっぱり人は死んでしまいます。この症状が出たら、内臓の病気がある人よりももっと免疫システムが低下しているということになります。

一番下のところにあるのは、不満、怒り、不安です。これは健康な人でも、わりと普通にあります。特にちょっと体調を崩しているときは、だいたいこういった心理状態になっていると思います。そのように、身体・心理・精神はだいたい同じ高さのところに同時に症状が現れます。

不満や怒り、不安なども、ただ心理の健康状態を示すだけでなく、これも免疫反応としてバランスを取り戻す役割を持っています。不満や怒りは、自分の安全や自由が侵されたときに現れてくるもので、それは自分の安全や自由を守るために何かをするべきだということを表しています。もちろん、心理が生命力に満たされて強いパワーを持っていたら、不満や怒り、不安などの感情を持たなくても、自分の安全や自由を守るためにしかるべき行動が取れているでしょう。でも、それができない場合に、怒りや不満などの感情が現れてきます。

その上にあるのは、恐怖症、鬱、アパシーです。恐怖症というのはただの不安ではなくて、閉所恐怖症とか対人恐怖症みたいに、何もなくてもどうしても恐くて避けなければならないという状態です。鬱は気分が落ち込んで何もできないような状態、アパシーはそれよりもひどくて、感情をまるきり感じないで心が空っぽのような状態です。ここまで来ると、身体が何ともなくても動けなくなります。

次に精神のところを見ると、一番上が完全な精神錯乱になっています。この状態になると、死ななくても死んでいるのと同じような状態になっています。人間としての活動がまったくできない状態ですね。

一番下のところには、忘れっぽい、集中力の欠如、倦怠感、意気喪失とあります。このあたりの症状は、ちょっと体調を崩したら普通にあります。

その上にあるのは、妄想、強迫的な妄想、破壊的な妄想です。ここで妄想と言っているのは、精神の病としての妄想で、ただあれこれと想像をめぐらすようなことではありません。いくら事実を見せられても、絶対にそうだと信じ込んでいる状態です。強迫的な妄想というのは、たとえばいくら洗っても手が汚いという考えに追いかけられて、手がすり切れるまで洗ってしまうとか、そういうやつです。ある不安がどうしてもついてまわって、ある行動を止められなくなるという症状です。破壊的な妄想というのは、たとえば誰かが自分を殺そうとしていると思い込んで、相手に暴力をふるってしまったりするようなことです。

同じ高さのところにある症状でも、内側にある方が免疫システムが低下していて、バランスがより崩れていることを示しています。つまり、肝臓に病気がある人よりも、鬱病や強迫神経症の人の方が悪い状態にあるということです。だから、肝臓病が治っても、その代わりに鬱病になった場合、悪化している方向だということになります。逆に、鬱病が治って肝臓病になった場合、免疫システムは改善しているということになるわけなので、同じ方向で治療を続けていたら、肝臓病も治っていくだろうということがわかります。


4.免疫力が下がる原因

症状が一番下の緑で書いたところから、一段上のオレンジのところへ移るのは、何かしら大きな衝撃がないと起こりません。普通に健康な人なら、よほどのことがないとオレンジの領域に飛ぶことはないんです。つまり、風邪が肺炎になるとか、不安が恐怖症や鬱になったりということは、普通の状態ではまずないんです。もしこれが起こるときは、免疫システムがダメージを受けて、一段低いレベルになったということを示します。

免疫力が一段低下するのは、大きく言って4つの原因があります。
一つ目は、大きな心理的ショックです。たとえば、誰か身近な人が亡くなったとか、受験で失敗したとか、事業が失敗したとか、あるいは職場でいじめに遭ったとか、そういう何かしらその人にとってトラウマになるようなできごとです。

この場合、客観的に見て大きなことかどうかでは、あまり重要ではありません。外から見たら、「えっ、こんなことで??」と思うようなささいなことでも、その人にとってトラウマになることがあります。それで、免疫力が一段落ちて、一段深い部分に症状が出てしまうことがあるんです。
もし、その原因が「どうしてこんな小さなことが?」と不思議に思えるようなことだったら、おそらくその人はそれ以前に同様のトラウマを経験していると思います。幼児期に何か似たようなことがあったとかです。そうでないときは、親から遺伝的に受け継いでいることもあります。幼児期にも親にも同様のトラウマがないときは、過去生の記憶から来ていることもあります。これは話が飛びすぎるように思えるかもしれないですが、病の元から癒すことを徹底してやっていると、実はけっこうよくあることなのがわかります。過去のトラウマの扱いについては、第三回でくわしく説明します。

免疫力が下がる二つ目の原因は、事故とかのショックです。事故で入院したとか、遭難したとか、そういう身体的な大きな衝撃です。どんなに頑強な人でも、冬山で遭難しそうになったら、肺炎を起こしたりします。そういうことです。

三つ目の原因は、対症療法です。対症療法は、痛みとか咳とか熱とかを止める薬を出す療法で、いわゆる西洋医学とはほとんどが対症療法です。さきほども説明した通り、症状とは免疫反応に他なりません。病が内側に入っていかないように、防いでいるんです。それを薬で無理やり止めてしまったら、表面的には熱が下がったり咳が出なくなったりするので治ったように思えますが、それは消防車に水をかけて静かになったと言っているようなものです。それで治ることもありますが、あまりやっていると逆に病を内側に追い込んでしまうことがあります。

たとえば、アトピーをステロイド剤で抑えた場合、そのときは皮膚がきれいになってかゆみも止まりますが、あとで喘息になることがあります。皮膚から気管に症状が移ったということですね。だから、一段奥に入ってしまっています。皮膚ならばまだかゆみで済みますが、それが気管で起きたら、呼吸困難になってしまいます。より生命に重要な部分へと症状が移ってしまったということです。

喉の炎症で抗生物質を飲んだら、熱が下がって咳が出なくなりますが、粘膜の菌環境が崩れてしまうので、一週間くらいは半病人みたいな状態になったりします。そういうときは免疫力が落ちているので、何かの病原菌に触れたら、感染しやすくなって重症化しやすくなります。

最近は向精神薬がよく使われますが、たとえばADHDの子に向精神薬を与えると、攻撃性が消えて大人しくなり、集中できるようになったりしますが、いつもそれで抑えていると、あとで鬱状態になったりします。つまり、緑の領域からオレンジの領域に飛んでしまうということです。表面的には大人しくなったからよくなったように思うかもしれないですが、怒りや攻撃性もまた免疫反応なんです。それが薬で無理やり抑えられてしまうと、免疫システムが一段低下してしまいます。
四つ目の原因は、感染症予防の注射です。自己免疫症とかは、免疫レベルが一段下がっている状態ですが、こういう人には過去に予防注射のあとでアレルギー反応を起こしたことがあることがよくあります。そして、そのあとから健康状態が一段落ちて病気にかかりやすくなり、オレンジ色の領域に症状が出やすくなっていたりします。

実際、予防注射が導入されてから、アレルギーや自己免疫症、癌などが急増しました。これは、免疫システムに重大なダメージがあることを示しています。子供などを見ていると、予防注射を受ける前と後では生命エネルギーが一段下がっている感じになっているのがわかります。どんな子でも、この子は天才じゃないかと思うようなきらめきを持っていますが、注射のあとではそういうきらめきが消えて、何だかつまらない子になってしまうような気がします。

5.なかったことにする魔法

「魔法の使い方  その6  なかったことにする魔法」

さて、今日も魔法の使い方について少し話します。昨日は、過去を変える方法について書きましたけれど、実は今までもやっていたことに気づいた人もいるかもしれないですね。魔法というのも、実は皆知らずに使っていたりするんです。本当は誰もがどこかで知っていることなのかもしれないですね。昨日説明した過去を変える方法というのは、過去がこうだったという解釈を変えるようなことですけれど、今日はそれよりさらに魔法っぽい過去の 変え方を説明します。たとえば、包丁で指を切ってしまったというような時ですが、これを「なかった」ということにするんです。指を切ったら、傷口ができて血が流れてきますけど、その傷口に包丁をぎりぎりのところまで近づけて、「ほら、何も起こらなかった!」と言うんです。これを3回くらい繰り返します。すると、指を切ったショックが消えてきて、痛みが和らぐのがわかると思います。血が止まって傷口がふさがってくることもあります。そこまで行かなくても、そうやっておけば、傷の治りがいつもより格段に早いのがわかると思います。

これがどういうことなのかと言ったら、私たちの身体も実は設定によって反応しているっていうことなんですね。「何も起こらなかった」というこ とにすると、大したことがなかったかのように傷が治っていったりします。アボリジニのシャーマンなんかは、骨折を即時に治してしまったりするそうですけれど、そういうことも現実にあり得るんですね。私はこの方法を使い始めてから、ケガしても包帯もバンドエイドさえほとんど使うことがなくなったくらいなので、かなり効果的な方法だと思います。いつもなんということもなく治ってしまうんです。階段からすべり落ちて尾てい骨が折れたと思ったくらいぶつけたこともあったんですが、その時も半日くらいで治ってしまいました。だから折れていたかどうかもわからないです。その時は3回だけじゃなくて、15分くらいは「何も起こらなかった!」を続けていましたが。
効果ばつぐんで、誰でも使える簡単な魔法です。

ホメオパシーの原理は、「同じものが同じものを癒す」というものです。これはどういうことかというと、症状と同じような状態を作り出すようなものを与えると、免疫反応が刺激されて速やかに治る、ということなんです。

症状とは、免疫反応に他なりません。身体を健康な状態に戻そうとして身体が作り出している状態です。なので、それと同じ方向に手助けするというのは、理にかなっていると言えます。

たとえば、やけどのときには水で冷やせとよく言いますが、これは実は逆効果です。なぜかというと、やけどで皮膚が赤くなって腫れたりピリピリ痛んだりするのは、免疫反応だからなんです。腫れるのは、そこに水分が集まってきて、白血球なども集まってきて、冷やすと同時に壊れた組織を修復しているからです。それを冷やしてしまったら、この反応を邪魔することになってしまいます。その結果、水ぶくれができて、あとが赤むけになって一週間くらいはヒリヒリ痛んだりします。

だけど、水で冷やす代わりにライターなどでやけどした部分を少し暖めると、不思議とすっと治ってしまって、あと水ぶくれもできません。やけどした部分はちょっと暖めただけでも痛いので、ちょっとピリッと感じる程度に火であぶるんです。ほんの少しでいいんです。

私は前はよく手にやけどしてしょっちゅう水ぶくれ作ってたんですが、この方法使うようになってから一回も水ぶくれできないので、これは本当に効きます。前に陶芸ワークショップでみんなで楽焼窯焚いていたときに、焼けレンガを素手でつかんでしまった人がいたんですが、そのときも皆が水だ水だと騒いでいるときに、ライターでちょっと指をあぶってあげたら、「俺、もう何も感じねぇ」とボソッと言って、そのまま何もなかったかのように窯焚きに戻って行きました。この方法だと、そういう速度で治ります。

日焼けしたときは、熱いシャワーです。熱いといっても、赤くなるくらい日焼けしたら、ぬるくても熱く思えて痛いので、これもピリッとくる程度の温度でいいんです。私は前にギリシャの海に行ったときに、顔がムラムラに腫れるくらい日焼けしてしまったことがあったんですが、そのときもこの方法で皮もむけないで肌が落ち着きました。

この「なかったことにする魔法」は、やっぱりホメオパシーの原理を使っているわけですが、それがもうちょっと意識の魔法っぽくなっています。この魔法は、実際にケガしたりしたときに使えるんですが、過去のケガに使うこともできます。その場合は、そのときの状況を思い出して、「なかった」ことにするんですね。

その応用で、食べ過ぎて苦しくなったとか、飲みすぎたとかいうときにも使えます。食べたときのことを思い出して、「あそこでやっぱり一皿でやめておいた」とかいうことにするんです。変なものを食べてしまったときは、「食べなかった」ということにしてしまいます。こんなので効くのか??と思うかもですが、やってみるとこれが意外に効くのがわかると思います。

うっかり身体を冷やして風邪をひいてしまったときには、「ちゃんと暖かい靴下をはいて冷やさなかった」とかいうことにしてもいいです。

6.ダイナマインド

あと、サージ・カヒリ・キングさんのダイナマインドというメソッドが、意識だけで何かのときに簡単に治すのに使えます。

https://www.huna.org/AlohaProject/dynamind.pdf

ざっと説明すると、まず両手の指を合わせて玉の形を作り、「私は今、xxの問題がある。でもこれは変わり得る。私はこれがなくなるようにする」と言って、まず胸骨の上を7回指先で叩きます。それから手の親指と人差し指の関節のつけ根のところを7回たたき、もう一方の手も同じようにたたきます。それから、首の後ろの背骨の一個だけグリグリしてる大きな骨のところを同じように7回たたきます。それからまた両手の指を合わせて玉の形を作り、頭の上のところを意識して息を吸い、足のところを意識して息を吐きます。これで終わりです。

たとえば、頭が痛かったら、「私は頭が痛い。でもこれは変わり得る。私はこの痛みがなくなるようにする」というわけですね。やり終わったら、まったく痛みが消えていることもあるし、完全には消えないけど、いくらか痛みが和らいでいたりします。そしたらまた繰り返してやると、さらに和らいでいくと思います。

身体の問題も、実は意識によって簡単に変わってしまうのがわかるんじゃないでしょうか?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?