思い出、というと、あのときの記憶、というように、私の頭の中に残る記憶をさすと思っていたのだけれど、近頃私は、思い出というものを自分の外に置いてきているらしい、と気づいた。と、いうのは、じつは「大豆田とわ子と三人の元夫」というドラマの中の、オダギリジョーのセリフをすごく実感しているのだ。 幼馴染を突然亡くした主人公に対して話すそのセリフというのが、 「過去とか現在とか未来とか、そういうのはどっかの誰かが勝手に決めたことだと思うんです。時間って別に過ぎてゆくものじゃなくて、場
