鶏、帰る

我が家の庭には今、3羽の鶏がいます。
初代鶏は、3か月だけ我が家でお預かりすることになったピーコさん。
ピーコは、アフリカセネガルでの自然卵養鶏を育てるプロジェクトの看板鶏として1羽で大切に(青森で)飼われていた子。

初代鶏ピーコ。9/11で1歳になりました。本当に育ちがよい。なぜか夫には攻撃的。

ピーコとの毎日は、本当に刺激的で楽しい日々でした。
初日からカラスの襲来、我が家の犬の襲来で驚いてゲージに激突しトサカと顎下の赤いところが切れて流血。初めはとてもビビりだった。それでもすぐに我が家の暮らしに慣れて、ワイルドに庭を独り占めしてました。猫に飛びかかられたこともあったけれど、幸い私が近くにいたので無傷。鶏は本当に敵が多い…。

新たな仲間たち、デカミとツレミ(推定3〜4歳)は、ピーコがきてからちょうど3か月後に我が家にやってきました。ピーコが実家に帰ってしまう予定の8月、十和田の友達が譲ってくれたのでした。
初代ピーコ、頑張って威厳を示そうとするも、歳もだいぶ上、体格もひとまわり違う2羽に一蹴されてしまい、初めは全然馴染めず、先住鶏なのにストレスで声が枯れてました。ごめんピーコさん。

最初の頃は、突かれたり怖かったりすると一目散に私のところに走って逃げてきてたピーコ。そうするとまた「ビビってんじゃねーぞ!」と2羽から突きが入る。
過保護に守っていたのだけど、時間をかけて慣らせばいけるケースもある、と知った私、過保護心を抑えて、なんとか2羽の近くで過ごすように仕向ける日々。

デカミツレミの網の中でピーコもご飯チャレンジ。取り合いになるので1人一皿。それでも結局最後はデカミが全部横取りする。

あまりにも濃い時間を過ごして、ピーコと離れがたくなってしまった私、飼い主さんに、だめもとでピーコを譲っていただけないか相談。
鶏仲間と一緒に暮らした方がピーコも幸せだよね、と、なんと快く譲っていただけることに!ビデオ通話でピーコの様子をお見せして、ピーコも懐かしいおばあちゃんとお母さんの声に聞き入ってました。幸せだった子どもの頃を思い出してるのだろうか…これは本当に3羽仲良く暮らせるようにしなくては!

デカミツレミがきて3週間、いよいよ同じ網の中で寝起きを共にさせ始めることに。寝起きする小屋は別々だけど、少し距離が近くなることを期待。汗だくで網を張り、よし今日からみんなでここで寝るよ!というその日、デカミが失踪。
デカミはパイオニア精神の塊で、ピーコやツレミがのんびりしている間にも、あらゆる隙間を見つけて新しい場所へ出かけてました。お腹空いたらちゃんと帰ってきてたのに、その日は夕方を迎えてもついに戻らない。翌朝になっても。よく遊びに行ってた裏の森の中を探すも手がかりなし。

あぁ、これは獣にやられたか…数日前にうちの庭や近隣に狸も出てきてたし。昨日の朝、デカミが産み落とした卵をいただく。これが最後のデカミの卵か。しばし涙。しっかり囲ってなかった私の責任だ…遅いけれど、この犠牲から私はちゃんとしよう。残りの2羽はしっかり守ろう。何日かかかる作業になるけれど、網を強化する決心。

デカミのいなくなった庭はなんとも広くなり、ピーコとツレミもなぜか食欲不振。よく鳴くデカミがいなくなって、静か。残された2羽はなんとなく一緒に過ごすようになり、少しさびしいけれどいい感じ。

静かに4日が過ぎ、裏の森への通り道に網を張って作業完了という今朝、洗濯物を干していた夫が、下方の遥か遠くに(家は高台にある)鶏らしき動くものを確認。「あれデカミじゃない?」畑仕事しているお母さんの近く、確かに鶏がいる。
急いで行ってみると「鶏?何日か前からこの辺にいるんだよ。逃げてきたの?」と。デカミー!無事捕獲。生きてた。この子は本当にワイルドだ。今朝、帰ってきたデカミはいつもの産卵箱で卵を産んでました。

この数日の間に仲良くなりつつあったピーコとツレミ。デカミの帰宅で少々混乱ぎみだけれど、この混乱に乗じてまた新たな展開があるでしょう。あと3日で、デカミツレミがきてようやく1か月が経つ。

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