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【特別企画】選手インタビュー 自見壮二朗編|第5回ちはやふる小倉山杯

はじめに

2024年2月18日(日)京都は嵯峨嵐山文華館にて開催される「第5回ちはやふる小倉山杯」出場選手インタビューをお送りします。

今回ご紹介するのは九州大学かるた会所属、自見壮二朗選手。
穏やかな印象の自見選手ですが、内に秘める情熱はとても熱い、そんなギャップを知っていただけたらと思います。


❶今の練習環境・練習相手は?

地元福岡の仲間と切磋琢磨できる環境

現在の所属は九州大学かるた会です。本会は昨年4月に新設されたかるた会なんです。現役学生のほか、九大OBもいて。もとは福岡かるた会でしたが、規模が大きくなってしまったので会を分けたんですね。なので、九大でも練習しますが、元福岡かるた会だった方々とも練習しています。

福岡は県の結びつきも強くて、国文祭などでも一緒になりますし、先日クイーン戦で解説されていた益満さん(益満亮子 六段・福岡ゆうつづかるた会)や、第67期準クイーンの三笘さんとも練習しています。

―福岡は、みなさん仲良しなイメージがあります。例えば楠木永世クイーンが自見さんをとてもかわいがっているというお話も伺います。
タイトル戦の前や大きな大会の前にこの人と練習していますという方はいますか?

みなさんお忙しいこともあり最近は取れていない方もいるのですが、A級優勝を何度もされている強い選手で、指宿さん(指宿立 六段)にお相手していただいたり、鶴田紗恵さん(鶴田紗恵 七段・第61期クイーン・福岡ゆうつづ会)や、楠木永世クイーンにもご指導いただくこともあります。

第4回ちはやふる小倉山杯会場写真

 ―楠木さんとの練習では得られるものが大きいですか?

吸収するものが多いのももちろんですけど、やっぱりこう、速くってですね、異次元の速さというか。あとは、すごく洗練されてるんですよね、かるたが。
楠木さんのかるたっていうのは、こう、自分に喝を入れてもらえるというか、自分の中で、こんなんじゃダメなんですけどだらけちゃうというか、真剣にやっているつもりでもいつの間にかここでいいやというラインを引いちゃう部分ってやっぱりあるので、そういうときに、こんなんじゃだめだよと聞こえてくるかのような(笑)

―そうなんですね。気持ちを律してくれる素敵な先輩ですね。

かるたの師匠と呼べる方はいますか?

結構環境がコロコロ変わったので難しいんですが…、まずは、かるたを始めたころにお世話になった福岡県の古賀市の、なにはがた会の矢山先生(矢山ゆきえさん)と京谷先生(京谷千惠子さん)という2人のA級公認読手の先生が、かるたの基本的なルールやマナーを教えて下さいました。一番最初の先生です。

その後、小学4年生くらいから九州大学かるた会の練習に混ぜてもらっていて、内川さん(内川信幸 七段)や、先ほど名前を挙げた指宿さん、鶴田さんに熱心に指導していただきました。
あと高校のOGの北野律子さん(北野律子 八段・第29~31期クイーン・奈良かるた会)と九州大学のOBの北野嘉文さん(北野嘉文 八段・奈良かるた会)という、北野夫妻には大会のアドバイスなどいただいたりしました。

環境に恵まれたこともありますが、本当にたくさんの方に指導していただいて今の自分があるという感じです。

➋これからかるたをやってみたいというひとに声をかけるとしたら?

運動が苦手でも“勝負”ができるかるたは面白い

これは僕が高校や大学の部活勧誘なんかで良く言っていることなんですが、競技かるたは文化とスポーツの融合というの僕自身も思っているんです。
僕、実は運動がすごい苦手で。結構隠してるんですけど(笑)

―意外です!これしゃべっちゃって大丈夫ですか?

大丈夫です。運動神経が悪くて、体力テストとかでも下の方なんですよ。
でも競技かるたは、運動が苦手でも真剣勝負ができるんですね。
なので、何かに打ち込みたいとか、仲間と切磋琢磨したいとか、真剣勝負がしたいけど運動は苦手…というひとにお勧めしたいです。
あと、すごく負けず嫌いなので、そういうひとには向いているかなと思います。

➌ポジティブスイッチは?

—ポジティブになるためのスイッチ・きっかけは自分の中にありますか?

試合の前は緊張するんですけど、前向きになるようにというよりは、自分に甘えてしまわないように、自分にプレッシャーをかける感じですかね。
負けたらだめだよ、みたいなのを、こう、試合前とか自分に言い聞かせて、最後までしっかり戦え、っていう風に、自分の気持ちを奮い立たせるようなことが、大会前は多いですね。

―自分に厳しい!

それでも負けたときは…どうしてるんですかね?(笑)ふっと力が抜けちゃって、でもその悔しい気持ちを次に繋げていけるようにって思います。

―とても自分に厳しくて、まじめなんですね。

自分に甘いから、厳しい声かけをするんですよね、たぶん。できるだけ負荷をかけるようにするんですかね。

➍小倉山杯、どんな戦いをしたい?

折角見てもらうための大会なので、友達とかにも紹介したいじゃないですか。なので、勝ち残って見てもらえたらと思います。

あとは、勝ちにこだわるとか。まあ札に対しても、結構僕は劣勢戦も多いんですけど、そういう中で諦めないとか、そういう貪欲な、全部の札を速く取りにいこうとする、そういう貪欲なところを見てもらいたいです。

誰と対戦したい?

山下恵令さんと、井上菜穂クイーンと当たりたいです。
このお二人とは対戦経験が1回しかないんです。それもだいぶ前になるので、対戦してみたいですね。少なくとも一回戦で勝たないと当たれないので、勝ち上れるよう頑張ります。

―頑張ってください!

第2回ちはやふる小倉山杯での記念写真

いかがでしたでしょうか。
とてもびっくりしたのが、プレッシャーのかかる場面で自分を追い込むというお話。
そして穏やかな語り口の中で見え隠れする負けん気。
ご自身が仰るように負けず嫌いで、勝ちに貪欲な自見さんが、明日どんな試合を見せてくれるのかとても楽しみです。


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