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【文学】 手のひらサイズの短編小説と、現代短歌集と。

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掌説(しょうせつ)。ショートショートよりも短い世界最小の小説統一フォーマットを作りました。基本、400字ちょっとで完結。スマホ1〜2画面ぶんの長さ。ヘミングウェイが作った?と言わ…
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#短歌

【短歌ベスト10 #13】 お題は「ジャズ」。あなたのお気に入りは、どれ?

平安時代に成立した『古今和歌集』以降、五七五七七という31音からなる和歌が主流となり、それが現代の短歌となったそうだ。けれども、その起源は飛鳥時代にまで遡るという。 そのような日本の超古典詩形式に、海外の現代文化を挿入した場合、どのような化学反応が生まれるのだろう。 といった個人的な興味から、アメリカのポピュラー音楽「ジャズ」をモチーフに短歌を作ってみた。 風景を切り取るスナップ写真のような歌とは異なり、視覚と聴覚、両方で捉えたものを同時に表現する難しさはあったが、思考

【短歌ベスト10 #12】 お題は「広告コピー」。あなたのお気に入りは、どれ?

広告の文案(コピー)を書く仕事をしている。短歌もキャッチコピーもショートフレーズではあるが、両者は全く別物である。 短歌にはこれといった目的がない。あるとすれば作者の自己満足。読者の感動すら “目的” にする必要はない、と思うのだ。 一方、コピーには明確な目的がある。まず目に留めて読んでもらうことはもちろん、その結果、企業や商品のイメージが上がること。さらには、購買行動を誘発させること。 似て非なる短歌とコピーではあるが、はたして両者の融合は可能なのだろうか? 今回、一

【短歌ベスト10 #11】 お題は「ガール」。あなたのお気に入りは、どれ?

いつの時代も、ガールは輝いてる。 ガールの憂いは美しい。 ガールは最強。 そんな彼女たちの声に三日間、耳を傾けてみた。   ※NHK「ドキュメント72時間」風 学期末テスト日程訊く母に 妊娠告げず革靴を履く

【短歌ベスト10 #10】 お題は「東京」。あなたのお気に入りは、どれ?

TOKYO1964には希望があった。 TOKYO2020でその幻想は打ち砕かれた。 東京に長く住んでいて、今でも大好きな都市だ。 けれども、世界一安全で清潔な街が、世界一美しいとは限らない。 そこに住む人々が幸せそうな街が、やっぱり一番美しいと思う。 男らしい女と女々しい男とが

【短歌ベスト10 #9】 お題は「言葉」。あなたのお気に入りは、どれ?

自分の言葉は気にならないのに、他人の言葉は妙に気になる。 同じ言葉を使っているのに、ほんの少しだけ、イメージやニュアンスがずれていたり。 完璧な言葉というものは存在せず、あくまでも実体の仮の姿にすぎないのだ。 そんな不完全な道具を使って作る短歌もまた、不完全。 だから、大目に見てくださいね。

【短歌ベスト10 #8】 お題は「日常」。あなたのお気に入りは、どれ?

前回の#7「幻覚」ではかなりトリップした世界に行きすぎたので、今回は逆にリアルな世界、「ふとした日常」に目を向けてみた。 とはいえ、その日常も、少し視点をずらせばたちまち非日常に変わる。 また、忠実に描写したつもりでも、31文字に変換した途端、非日常が立ち昇ってくることもある。 短歌って、不思議だ。

【短歌ベスト10 #7】 お題は「幻覚」。あなたのお気に入りは、どれ?

酒を飲んでいるわけでも、違法薬物をやっているわけでもない。 それでも時折、“幻覚”を見ることがある。 ふだんロジカルな思考で生きているぶん、何も考えずにボーっとしていると、脳の再生回路が極端にイメージへと振れるのだろうか……。 こうして10首を並べてみると、それは10の生首にも似て、死へのほのかな憧れや破滅願望が垣間見れる。意外だ。

【短歌ベスト10 #6】 お題は「母」。あなたのお気に入りは、どれ?

ママ、お母さん、母さん、おふくろ、オカン……。 人によって呼び方はさまざまだが、一人一人の母にはどこか共通しているところもあって。 不器用なLINEメッセージが送られてくると、つい、こちらが“保護者”のような気持ちになったりもする。 叱られたこともケンカしたことも沢山あったけど、思い出の中の母はいつも聖母だ。

【短歌ベスト10 #5】 お題は「学生街」。あなたのお気に入りは、どれ?

社会人に飽きたときは、いつも学生街に行く。 スーツじゃなくて、いろんなファッションの若者がいる。 定食屋があり、喫茶店があり、名画座があって、古本屋がある。 そんな街を歩きながら、自分の人生を短歌にしてみた。 彷徨いし純なき日々の純喫茶 更地となりて我を迎えず<

【短歌ベスト10 #4】 お題は「仕事」。あなたのお気に入りは、どれ?

世の中にはいろんな仕事がある。いろんな仕事人がいる。 仕事人はときに孤独で、もがき苦しむこともある。 でも、その一人一人が、きっと誰かを幸せにしている。 と思いたい。 そして今、この瞬間も、どこかで誰かが仕事をしている。 (そして、どこかで誰かがサボっている)

【短歌ベスト10 #3】 お題は「挫折」。あなたのお気に入りは、どれ?

挫折は果たしてマイナスなのか、プラスなのか。それは後になってみないとわからない。 無理矢理にでもプラスにする、してみせる。 そんな意志と行動力をもっている人を私は尊敬する。自分もそうありたいと思う。 「少し苦い後味」が残るように、それぞれのキャラクターでショートストーリーを作ってみた。 最近好きな飲み物は、IPA系のクラフトビール。苦い。でも美味しいよ。

【短歌ベスト10 #2】 お題は「時代」。あなたのお気に入りは、どれ?

中島みゆきの「時代」という歌が好きで、ここ1週間ばかり、ずっと頭の中で流れていた。 自分の中で、回る時代を一瞬だけ止めて、最近のニュースから発想して作ってみた。2024年という時代を記録しておくために。 10年後の人々にとって、今はどんな時代に映るのだろうか。

【短歌ベスト10 #1】 お題は「紐育」。あなたのお気に入りは、どれ?

着いた頃の第一印象は「なんと、まあ、汚い街だなあ」だった。 それでもしばらく居ると、そういうところも愛おしく感じてきたりして。 そんなニューヨークで過ごした日々を思い出しながら作ってみた。 生涯この街を撮り続けた写真家、ソール・ライターになった気分で。 実際には写真に撮らなかったけど、心のフィルムに焼きつけた風景の数々……。