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第1回 人狼効率論(初手占い師ローラー編)

 今回は、思考を放棄した機械的なプレイングによって、村人陣営を効率良く勝利へと導くために生み出された名案(迷案?)初手占い師ローラーの展開について考察する。


前提

 ここでは、最もクソゲーとの呼び声が高い「人狼陣営2(人狼2)、村人陣営6(占い師1、霊媒師1、騎士1、市民3)」の村における対面でのゲームを想定し、人狼は0日目夜の殺害なし、占い師は0日目夜の占いランダム白、騎士は連続ガード禁止とする。また、考察パートでは、複数人存在する役職を人狼A・Bや市民A・B・C、人狼陣営を黒、村人陣営を白と表記する場合がある。なお、騎士による防衛は低確率であるため、村人陣営のお守り程度と考え、考察からは原則除外する。

考察

【0日目・夜】

占い師:霊媒師、騎士、市民A・B・Cの5人のうち1人が白と分かる

【1日目・昼】

 基本的には、占い師と人狼Aが占い師をCOする。

狼:2 村:6
占い師:占い師CO
霊媒師:ー
騎士 :ー
市民A :ー
市民B :ー
市民C :ー
人狼A :占い師CO
人狼B :ー

 この場合、占い師COをした2人のうちどちらか一方を処刑することとなる。
 また、のちに全ての占い結果に信ぴょう性がなくなることが多いため、占い師CO者の白出し対象はここでは検討しない。

 ここで、占い師が処刑される場合と人狼Aが処刑される場合の2通りに分岐する。以下に、それぞれのパターンを記載する。

パターン1:占い師が吊られた場合
狼:2 村:5
占い師:占い師CO→1日目・昼処刑
霊媒師:ー
騎士 :ー
市民A :ー
市民B :ー
市民C :ー
人狼A :占い師CO
人狼B :ー

パターン2:人狼Aが吊られた場合
狼:1 村:6
占い師:占い師CO
霊媒師:ー
騎士 :ー
市民A :ー
市民B :ー
市民C :ー
人狼A :占い師CO→1日目・昼処刑
人狼B :ー

【1日目・夜】

 各々の役割を果たす。

パターン1:占い師が吊られた場合
狼:2 村:5
霊媒師:占い師が処刑されたと分かる
騎士 :人狼A以外の5人のうち1人を守る(※)
市民A :ー
市民B :ー
市民C :ー
人狼A :占い師CO→村人陣営5人のうち1人を殺害
人狼B :村人陣営5人のうち1人を殺害

パターン2:人狼Aが吊られた場合
狼:1 村:6
占い師:占い師CO→1人占う
霊媒師:人狼が処刑されたと分かる
騎士 :占い師以外の5人のうち1人を守る(※)
市民A :ー
市民B :ー
市民C :ー
人狼B :占い師以外の5人のうち1人を殺害(※)

※次ターンで確実に処刑される占い師CO者を、次の占い結果のためだけに騎士が守るのは得策ではない。なぜなら、唯一占い師を守ることのできるパターン2の場合、人狼Bは村人陣営の人数を減らすことを最優先しなければならず、占い師を噛むことはありえないからである。仮に人狼Bが1日目・夜に占い師を噛むとすると、2日目・昼は狼1-村5で議論の時間となる。そこで人狼Bが霊媒師または騎士をCOするとローラーで負けるため潜伏せざるを得ないが、潜伏した場合は村視点1ターン猶予のある状態で霊媒師と騎士がCOで白確定となり、村人陣営の圧倒的有利な状況に持ち込める。

 ここで、パターン1,2それぞれ、霊媒師が噛まれる場合、騎士が噛まれる場合、市民が噛まれる場合の3通りに分岐する。以下に、各パターンを記載する。

 パターン1-1:占い師が吊られ、霊媒師が嚙まれた場合
 狼:2 村:4

 霊媒師:1日目・夜殺害
 騎士 :人狼A以外の5人のうち1人を守る
 市民A :ー
 市民B :ー
 市民C :ー
 人狼A :占い師CO→霊媒師を殺害
 人狼B :霊媒師を殺害

 パターン1-2:占い師が吊られ、騎士が噛まれた場合
 狼:2 村:4
 霊媒師:占い師が処刑されたと分かる
 騎士 :1日目・夜殺害
 市民A :ー
 市民B :ー
 市民C :ー
 人狼A :占い師CO→騎士を殺害
 人狼B :騎士を殺害

 パターン1-3:占い師が吊られ、市民が噛まれた場合
 狼:2 村:4
 霊媒師:占い師が処刑されたと分かる
 騎士 :人狼A以外の5人のうち1人を守る
 市民A :1日目・夜殺害
 市民B :ー
 市民C :ー
 人狼A :占い師CO→市民Aを殺害
 人狼B :市民Aを殺害

 __________

 パターン2-1:人狼Aが吊られ、霊媒師が嚙まれた場合
 狼:1 村:5
 
占い師:占い師CO→1人占う
 霊媒師:1日目・夜殺害
 騎士 :占い師以外の5人のうち1人を守る
 市民A :ー
 市民B :ー
 市民C :ー
 人狼B :霊媒師を殺害

 パターン2-2:人狼Aが吊られ、騎士が嚙まれた場合
 狼:1 村:5
 
占い師:占い師CO→1人占う
 霊媒師:人狼が処刑されたと分かる
 騎士 :1日目・夜殺害
 市民A :ー
 市民B :ー
 市民C :ー
 人狼B :騎士を殺害

 パターン2-3:人狼Aが吊られ、市民が嚙まれた場合
 狼:1 村:5
 
占い師:占い師CO→1人占う
 霊媒師:人狼が処刑されたと分かる
 騎士 :占い師以外の5人のうち1人を守る
 市民A :1日目・夜殺害
 市民B :ー
 市民C :ー
 人狼B :市民Aを殺害 

【2日目・昼】

 機械的にもう一方の占い師CO者を処刑して、確実に人狼を残り1人とする。また、役職持ちは基本的にこのターンではなく次の3日目・昼でCOすべきである。機械的行動しか行わないここでCOしても2日目・夜で人狼に狙われやすくなってしまうにすぎない。人狼を誘い出すか自分の白を確定させるかという村人陣営にとって強力な2択を人狼側に押し付けられる武器は、今晩噛まれないことを祈って最後まで残しておく方が裏目はない。
 しかし、1つだけCOし得の場合が存在する。それは霊媒師の霊媒結果が黒のときである。なぜなら、霊媒結果が黒と出た場合、狼1-村5という状況であることが確定すると同時に、残った占い師CO者が真の占い師であることも確定するからである。人狼Bはここで対抗として出ても霊媒師ローラーで負けてしまうため潜伏せざるを得ず、騎士にも安全にCOされてしまうことから、被占いを避けつつ昨晩1/5の確率で既に騎士を噛んでいることを祈りながらここから昼ターン2連続で処刑を逃れなければ負けという人狼陣営にとって絶望の盤面を作られてしまう(後述パターン2-2 , 2-3)。 

パターン1-1:霊媒師が昨晩嚙まれ、人狼を処刑することで占い師ローラーが完了した場合
狼:1 村:4

騎士 :ー
市民A :ー
市民B :ー
市民C :ー
人狼A :占い師CO→2日目・昼処刑
人狼B :ー

パターン1-2:騎士が昨晩嚙まれ、人狼を処刑することで占い師ローラーが完了した場合
狼:1 村:4

霊媒師:ー
市民A :ー
市民B :ー
市民C :ー
人狼A :占い師CO→2日目・昼処刑
人狼B :ー

パターン1-3:市民が昨晩噛まれ、人狼を処刑することで占い師ローラーが完了した場合
狼:1 村:4
霊媒師:ー
騎士 :ー
市民B :ー
市民C :ー
人狼A :占い師CO→2日目・昼処刑
人狼B :ー

 __________

パターン2-1:霊媒師が昨晩嚙まれ、占い師を処刑することで占い師ローラーが完了した場合
狼:1 村:4
占い師:占い師CO→2日目・昼処刑
騎士 :ー
市民A :ー
市民B :ー
市民C :ー
人狼B :ー

パターン2-2:騎士が昨晩嚙まれ、占い師を処刑することで占い師ローラーが完了する場合 → 霊媒師CO+占い師ローラーをやめて議論 
狼:1or0 村:5or4
占い師:霊媒結果により白が確定する
霊媒師:霊媒師CO→人狼Aが黒
市民A :ー
市民B :ー
市民C :ー
人狼B :霊媒対抗は負け筋のため潜伏
→市民A・B・C、人狼Bの4人から処刑。村人陣営はこの2日目・昼と3日目・昼の2回で人狼を当てればよい。占いもランダム白含め既に2回行われている。⇒高確率で村人陣営の勝ち

パターン2-3:市民が昨晩嚙まれ、占い師を処刑することで占い師ローラーが完了する場合 → 霊媒師CO+占い師ローラーをやめて議論 +騎士CO
狼:1or0 村:5or4
占い師:霊媒結果により白が確定する
霊媒師:霊媒師CO→人狼Aが黒
騎士 :騎士CO
市民B :ー
市民C :ー
人狼B :霊媒・騎士対抗は負け筋のため潜伏
→市民B・C、人狼Bの3人から処刑。占いもランダム白含め既に2回行われている。騎士ガチャもあり。⇒多分ほぼ100%村人陣営の勝ち

【2日目・夜】

 各々の役割を果たす。

パターン1-1:霊媒師が昨晩嚙まれ、占い師ローラーは完了している場合
狼:1 村:3

騎士 :ー
市民A :ー
市民B :ー
市民C :ー
人狼B :1人を殺害
→騎士ガチャ少なくとも1回と3日目・昼の処刑を回避できれば人狼の勝ち。
3日目・昼で騎士が残っている場合はCO。人狼は勝つ確率の高い潜伏を選択するため、騎士が確白をもらえる。
⇒人狼が微有利っぽい(確率は知らん)が、最後のターンまで村人側からのCO手札が残る可能性もあり、精神的な負荷はかけられる。

パターン1-2:騎士が昨晩嚙まれ、占い師ローラーは完了している場合
狼:1 村:3

霊媒師:ー
市民A :ー
市民B :ー
市民C :ー
人狼B :1人を殺害
→3日目・昼の処刑を回避できれば人狼の勝ち。3日目・昼で霊媒師が残っている場合はCO。人狼は勝つ確率の高い潜伏を選択するため、霊媒師が確白をもらえる。ここで真の占い師も判明するため、過去のラインなどから判断材料を集めることが可能。
⇒人狼微有利だが、最後のターンまで村人側からのCO手札が残る可能性もあり、精神的な負荷はかけられる。

パターン1-3:市民が昨晩噛まれ、占い師ローラーは完了している場合
狼:1 村:3
霊媒師:ー
騎士 :ー
市民B :ー
市民C :ー
人狼B :1人を殺害
→騎士ガチャ少なくとも1回と3日目・昼の処刑を回避できれば人狼の勝ち。3日目・昼で霊媒師・騎士が残っている場合はCO。役職持ち一方のみ生存している場合、人狼は勝つ確率の高い潜伏を選択するため、確白をもらえる。役職持ちが両方生存している場合は、人狼が役職COしようがしまいがこの時点での勝率は単純計算で50%。霊媒師が確白をもらった場合、真の占い師も判明するため、過去のラインなどから判断材料を集めることが可能。
⇒人狼が微有利っぽい(確率は知らん)が、最後のターンまで村人側からのCO手札が残る可能性もあり、精神的な負荷はかけられる。また、村人陣営の運が良いと五分以上に持ち込める。

 __________

パターン2-1:霊媒師が昨晩嚙まれ、占い師ローラーは完了している場合(パターン1-1と同じ)
狼:1 村:3
騎士 :ー
市民A :ー
市民B :ー
市民C :ー
人狼B :1人を殺害
→騎士ガチャ少なくとも1回と3日目・昼の処刑を回避できれば人狼の勝ち。
3日目・昼で騎士が残っている場合はCO。人狼は勝つ確率の高い潜伏を選択するため、騎士が確白をもらえる。
⇒人狼が微有利っぽい(確率は知らん)が、最後のターンまで村人側からのCO手札が残る可能性もあり、精神的な負荷はかけられる。

結論

クソゲー

【1日目・昼で占い師を処刑した場合

パターン1-1:人狼が微有利っぽい(確率は知らん)が、最後のターンまで村人側からのCO手札が残る可能性もあり、精神的な負荷はかけられる。

パターン1-2:人狼微有利だが、最後のターンまで村人側からのCO手札が残る可能性もあり、精神的な負荷はかけられる。

パターン1-3:人狼が微有利っぽい(確率は知らん)が、最後のターンまで村人側からのCO手札が残る可能性もあり、精神的な負荷はかけられる。また、村人陣営の運が良いと五分以上に持ち込める。
追記:市民3人だから1-3パターンになる確率が他より高い。したがって村人めっちゃ有利すぎる。2-3も然り。

1日目・昼で人狼を処刑した場合

パターン2-1:人狼が微有利っぽい(確率は知らん)が、最後のターンまで村人側からのCO手札が残る可能性もあり、精神的な負荷はかけられる。

パターン2-2:高確率で村人陣営の勝ち

パターン2-3:多分ほぼ100%村人陣営の勝ち

 以上より、1日目・昼の50%ゲーで有利不利が大きく分かれることが分かった。ただ、村人陣営には確実に勝てる盤面を作り出せる選択肢が存在する一方で、人狼陣営は最終ターンまで村人陣営からプレッシャーをかけ続けられることや騎士ガチャを躱し続けなければならないこと、そしてなにより最後のターンまで噓をつけるタイミングが抑制されるなど、不利かつストレスな要素が散りばめられており、全体としては村人陣営が有利といえそうである。100戦行って勝ち越した方が勝利というルールなら、この初手占い師ローラー戦法で戦うのも悪くないかもしれない。ただいかんせん、娯楽として楽しむにはあまりにクソすぎる村有利の結論戦術を見つけてしまった。

 私から皆さんに伝えたいことはただ一つ。

「人狼陣営2(人狼2)、村人陣営6(占い師1、霊媒師1、騎士1、市民3)の村で人狼をやるな!」
※コスプレイヤーはOK




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