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「君たちはどう生きるか」僕なりのネタバレ与太話&感想

 本当にネタバレ無しで見るべき映画でした。よかった。みんなにもネタバレ無しで見てほしい。キャプションでネタバレ内容を踏んでほしくないので、ここの文章はそれなりに長いものを書かねばならないのですが、なにを書きましょうか。
 オンラインサロンで「これはぜひネタバレ無しで見てください!」とえらい人(エンタメの裏方のプロ)が言ってたので見ました。これで心置きなくTwitterが見れます。このnoteを投稿したら速攻でサロン内のネタバレ部屋に潜ろうと思います。

最初

ジブリ名物・異界!!! ってなった
ヨモツヘグイにヒヤヒヤしてたけどそんなことはなかった

眞人について

  • 眞人は賢いが元気を失くした少年。

  • 母親が死んで兄弟と離れ(戦争に行ったかと)知らん女が義母になり父親と子供まで作って、知らん田舎で学校でうまくいかず

  • だからジャムパン食べてたときの笑顔が貴重。お母さんの思い出の味

  • 実家が金持ちでも満たされないことはある

  • 父親は軍需でメシ食ってるから、そこの折り合いもうまくつけられなかったのだろうね

  • ズル休みのために石で頭を殴り、悪意の傷がついた。自分の悪意に気が付けるからこそ大叔父に地獄を託される

塔や海(地獄)について

  • 色んな世界や同じ世界の違う時がつながる塔

  • そもそも塔が「弱った人間を誘い込む地獄」へアクセスするゲート

  • 地獄はダブルミーニング、「死後の世界」と「悪意に満ちた環境」

  • 金色の門の言葉、知ると死ぬぞい→無知ゆえの幸せを捨てよみたいな話 ここらへんまだ味がするかもしれん 確認したい

  • 塔の中の海の世界(地獄)から産み直されるわたわた

  • 漁とでけえ魚の解体、魚を殺せない存在、魚はわたわたのエネルギーとなる

  • 船を漕いでた黒い奴らイコールわたわたかもしれん

  • わたわた……はらわたのわただったりします?

  • 降ってきたってなんだよ 塔が降ってきた? 何? 地獄から降ってきたってこと?

アオサギなどの鳥関係について象徴としての鳥

甘く未熟な嘘のアオサギ
生まれる前の人の魂を食ったり墓荒らしをしたりするペリカン
大叔父が持ち込んで増えすぎた社会正義のインコ

①アオサギ

  • アオサギの使役する「鯉」と「蛙」って「来い」と「帰る」じゃん

  • お前が触れなければ母親はきれいなまま→期待して落とされる、でっかい嘘のモチーフ

  • アオサギの目的は何だった?→悪意や嘘の象徴、目的が合致すれば嘘でも手を取り合えるという暗示?

  • アオサギの嘘でくるまれた男は真実の友、みたいな 青臭いですねアオサギだけに

  • アオサギは身から出た錆(羽の矢)でアオサギになれなくなり中身の男が丸出しになって化けの皮がはがれた形。アオサギの羽を毟るのは自身の間違いをチクチクされることなのでそりゃ痛い

  • 嘘を見抜いた人間(眞人)にしかアオサギに戻すことしかできない

  • むき出しの真実なので弱いけど指針にはなる真の友人

  • そうか、インコ初見のときの「囮」も「嘘を内包する概念」だもんねそりゃ適任でござるよ

  • アオサギはなぜシロサギではなくアオサギだったのか→青い詐欺、つまり未熟な嘘でなければならなかったから。見抜けない嘘は真実になってしまうので……シロサギの中の人は見えない、アオサギだからこそ中に男がいた

②ペリカン

  • ペリカンは増えすぎた人間を間引きする一族? ペリカンは「悪人」の象徴?

  • 魂を食い墓の門を開けるために暴れる

  • ペリカンは墓荒らし、プライバシーの侵害、無遠慮な個人たちとしての悪意かな SNSっぽい

  • 死にかけたペリカンのじいさんは悪人の弁明になっちゃう 全然意味違って見えちゃうな 初見は哀れみもあったけど

  • 墓荒らしの墓を作れる眞人の善性(何も知らないとはいえ)

③インコ

  • 鍛冶屋のインコは王政、社会の象徴

  • 鉄は武器、つまり戦争だ

  • 産めよ増やせよ社会正義

おばあちゃんについて

  • 「罠ですよ罠」ばっか連呼してたけどあれもなんか意味ある?

  • おばあちゃん、眞人を塔から遠ざけたかったのかな 全部知ってた可能性ある

  • 罠、つまり誰かしらの悪意であるということはわかってたっぽい

  • 若い頃、ペリカンという悪意を追い払っていたから悪意に敏感という可能性

  • 弓を作らず彼女からもらっていたら、アオサギを倒せず詰んでいた

  • 地獄のおばあちゃんは大叔父に直接奉公してた時期がある可能性

  • 現世のおばあちゃんは思い返しても他の人にも見えるので、イマジナリーな存在ではない

  • 一人だけ背すじがぴんとしてるのは地獄の航海で鍛えたから

  • 別次元のおばあちゃんの可能性も考えたけど、ヒミ関係が成り立たなくなるので本人と仮定

  • 墓の主が出ていくときに守ってくれましたが、彼女も鞭の先に火を使いますね? ヒミの関係者だったりします?

  • ドラえもんズみたいなおばあちゃんズが守ってくれるのは、人間の中でも死に近いからかもしれない あれ多分石でできた人形だと思うのよ

ヒミについて

  • ヒミは試練の象徴 二つの意味で

  • わたわたは燃えるが全体的な総量はペリカンに食われるより上という地獄の試練

  • 乗り越えるべき思い出としての、眞人個人に対する試練

  • 一回現世に帰るよう眞人を誘う場面があったけど、ヒミが無理に帰さなかったのは息子を信じたからだろうね

  • ヒミが地獄にいる理由は死んでるから、火の力を使えるのは単純に焼死したからなのか?

  • 彼女が子供のころに一回行って戻った理由がわからなかったけど今わかった!!! ナツコ誕生で眞人同様「いない子」にされて弱ってたからだ! しかし彼女の傷が癒えるには一年かかった

  • 自分の死んだ後、夫が妹とくっついて、心細くなった息子が地獄に来たらそりゃ守るわ(私たちのいるリアルな世界ではなく、物語上の善性の話をしています)

  • ヒミが消えた原因と眞人が消えた原因モロかぶりだもんな そりゃ守る

ナツコについて

  • ナツコさんのプライバシー(義理の子が憎い)に踏み込んだタブー

  • そもそもナツコさんが塔へ行ったのはどうしてか?→弱った心身を休めるため。出産は命がけだし

  • ストーンヘンジみたいなあれは墓でありナツコさんの部屋にもあった

  • 子供を産む場所であり墓、あそこは生死に関連する場所

  • 墓の主ってナツコさんなんかな

  • ガムテープみたいにべたついた絶望(眞人に対するナツコからの憎しみ)から守ってくれるのは故人の思い出(ヒミ)だったりする

大叔父について

  • 大叔父が塔を地獄にしたのではない

  • 塔の元になったものはそもそも地獄だったっぽい(工事でたくさん人が死んだ)

  • 大叔父は地獄から実家を守ろうとして狂って地獄に招かれた?

  • 眞人がタブーを破ったので(ナツコのプライバシーを暴いたので)社会正義(インコたち)が神(大叔父)と取引(ナツコの姉と引き換えに全てを寄越せ)ネットリンチみたいだな 自分がインターネットに毒されているせいか?

  • 大叔父さんほんま頑張ってたんだってね あんなめちゃくちゃだけどきれいな地獄 風景とわたわただけきれいで鳥類がクソな地獄

  • 大叔父の背後にあったでけー石はそのまま受け継がれた意思だろうな 砕けちゃったけど……ほんまに崇高な善意って脆い、脆すぎ、つらい

  • 大叔父は最初ちゃんとインコを慈しんでいたんだろうな 大叔父の居場所に一番近い自然は、インコの先祖にとって天国だもんね……

  • 石と意志は絶対にかかってる

  • 地獄の石は心の柔らかい部分を守るためのもので、防御反応でバチバチしながら外的から心を守る 悪意を吸収してしまうのかもね

ラスト

  • わずかなバランスの崩れで壊れてしまう繊細な世界は、社会正義(インコの王様)の暴力で簡単に消える。戦争でめちゃくちゃになった現実世界でもある

  • 眞人の心の整理がついたという表現を「ナツコお母さん」という単語だけで表すの天才やな 簡略化の天才

  • 鳥が解き放たれたのはあからさまにパンドラの箱モチーフ!

  • 鳥の糞、すなわちクソまみれの厄災が解き放たれた世界、箱の底にあった最後の希望である「意思」を持って人生を進め

  • 余韻はやっぱり千と千尋に似てる(あれも異界に行って帰ってきて立ち直る話だからね)

メッセージ

  • シンプルに考えると、大叔父から託された石……意思を悪意に負けずに持ち帰って、戦後を強く生きろという話

  • 地獄創世、好きな地獄を選びなよ、というより作りなよ、という話かも

  • 自分の気の持ちようで、こちらから観測できる世界は変わる。悪意に負けるな、というメッセージ

  • 受け継がれた意思も大事ではあるが、最後に頼れるのはやっぱり己の意思。己の意思で悪意ある世界を切り開いて生き抜けという話だな

  • 君たちはどう生きるか、という問いと少しズレてないか?と思ったので原作本読まなきゃ……

愛のカタチ

  • 何回も「人を探す」描写が出てくる、あれこそが人の愛

  • 親のイチャイチャシーンを見た眞人の、「自分は存在してもいいのだろうか」というぼんやりとした不安(弱った)から地獄に引きずり込まれた

  • 「いなくなった人間を探す」という共通した愛の形

  • 二人目の子供ができると一人目の子供は一時的にいなかったことになるので、地獄が一時的に神隠しして親に探させて愛を確認するやつ。眞人とヒミは同じ形で地獄に引きずり込まれた(それぞれ弟と妹がいる)地獄くん優しいね 物騒だよ?

  • 神隠しを通じて、地獄に来るほど弱った人間に「現実世界であなたを探している人がいるよ」という愛を示して帰す機構だね あの塔は

  • 最後は家族が眞人に声をかけて(探すように呼びかけて)終わる、愛の話として収まりがいい

  • 冒険旅行に行って帰ってくる物語

  • そうなるとアオサギが「一時的に地獄へ逃避させてくれ、なおかつ現実世界の愛を確かめてくれる、優しすぎる嘘」になるんですがマジ?

メタ視点

  • 「考察したがり」「意味を見出しがち」な私みたいな人間をめちゃくちゃ踊らせてくれるガムみたいな映画。謎解き好きだもんなみんな(主語全体化)

  • エヴァンゲリオンよりは全然簡単で間口が広い。とっつきやすい!

  • ただし味の持久力はそんなないっぽいので、一回見ただけなら三日ぐらいで忘れそう なのでこれはスルメではなくガム

  • 細かい部分を確認したい人間はもっかい見る

  • 私は自分からは行かないかな 誰かに誘われたら行くかーみたいなテンション

  • これでさらに深堀りできたなら手のひらくるくる~してもっと噛みに行くけども

  • 完全教祖マニュアルを思い出した(謎の概念と謎の概念を並べて置いておくと、勝手に推理して答えをぶち上げる一部の人間が出てくる)

  • 君たちはどう生きるかという問いは、生きることが前提となっている 死ぬという選択肢を取らせてくれない

  • 意味を色々考えてしまったので、もっと映像美に浸れればよかったなあ……

まとめ

 おもしろかった。ネタバレ踏まずに見られてよかった~
「コミュニケーションツールとしての映画」としては最高峰だと思う
 映画そのものの面白さではなく、謎解きと奥行きの幅で口コミをわさわさするタイプ
 ある意味ポピュリズムな気がした。これを制作委員会形式にせずに七年温めてたのか~
 確かにこの効果は宣伝ブチ上げられたら魅力が半減しますわ。そもそも、制作委員会が納得して金を出す内容ではないだろうし
「うおおお! おもしろかった!」というアチアチの熱意ではなく、「よかったよね……」「いい……」という静かな良さを共有できる映画。
 特に「何回も人を探す描写が出てくる、あれこそが人の愛」という点は強調していきたい。

また用語だけ統一したり固有名詞を整理したら書き直します
恐らく追記もします

 以上、三時間で書きなぐった4,869文字の感想でした。

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