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100日後に引退するBL小説家 6日目
3/28(土)(6日目)
昨日は何の成果も得られませんでした。(マンガのコマ省略)
昼食の後、軽い昼寝をして頭が冴えたにも関わらず、何も書く気が起きなかった。
アイデアは一応前に溜めておいたやつがあったから、あとは書くだけだったのに。
やはり小説への奇妙な情熱は失われてしまったに違いない。外出自粛要請でヒマすぎるから、創作という有意義で贅沢な時間を過ごしたかった。
この文章のように、長さも目的もまるで決まっていない文章だったらスラスラ書けるのになあ。
BLスケベ小説に対して、心が胃もたれしているのかもしれない。もしくは食傷かな。4年も興味を持てたのがそもそも異常だったのだ。
小金を稼げるようになって、小説への向き合い方が違ってきてしまった。趣味で書いていたものが他者に承認され、さらには換金されてしまうことによって意味が変わってしまった。
以前の私にとってBLスケベ小説は、最高に脳汁の出る趣味だったり、つらい現実からの逃げ場所だったり、いろんな意味を持っていた。
しかしニートになった今では、数少ない稼ぎ口というだけである。毎月Amazonから振り込まれる金額を見て小説の価値を判断するようになってしまった。
もともとは、「俺が萌える作品がないから俺が書くしかない」という欠乏感から書いていた。評価軸は常に自分のもとにあった。
しかし、ブログにアップされたものが拍手で評価されるようになると、やはり読者を喜ばせたくなってくる。さらには好意で表紙を描いてくださる方もいらっしゃって、kindleデビューを果たす。
私の小説はkindleで売れるか、カネになるかという評価軸……自分ではなく社会の評価軸に晒された。
後悔はあんまりない。累計130万円以上稼がせてもらっているので。やはりお金は大切だと思う。
ただ、私は100日もしないうちに小説という唯一無二の親友を失うのだ。
真相を知ってしまったねずみくんの心地である。
何とかして止められないかと思っているけれど、どこかで諦めてしまっている自分もいる。
前を向くまで、もう少しの猶予がほしい。
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