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すごく格好いい紙たち|桂樹舎 和紙文庫

明日は八尾「やつお」に行くんだ、とfacetimeで母に言うと、「やお」でしょ、と言われる。違います。大阪の八尾はやおだが、富山の八尾はやつお。行くと確かに、やつおがしっくりくる、つんてんしゃんとした街並み。白壁の家並みがとてもきれい。

街中に車を停めて急な坂を降りていくと、白壁に黒い瓦屋根の団地(!)があって、その道路を挟んだ向かいに和紙文庫があった。

門構えはちょっと寂しげだったけど、中に入ると階段のある広間で、壁の大きなタペストリーが格好良くて、すぐにテンションがあがる。近づくと、遠目に紙かと予感したのが確実になる。八尾といえば桂樹舎と深く考えずに来たが、ここは世界中の紙の工芸品を集めた展示館なのだった。

展示室は二階に2つ、一階に2つ。教室みたいな入口(実際木造小学校を移築したものらしい)をガラガラ開けると、青がきれいな半纏や革張りのような椅子や、籠にお椀にお琴の爪入れ。まさかと思うと、やっぱり全て、紙でできている。

お椀や笠など、硬さが必要で水を弾く必要があるものは、撚り合わせて編んだり、成型してから、漆を塗ってある。どれもほんとうに格好良かったが、特に笠に痺れた。かっこいいー、すごいー、言い合う私と娘。なかなか興味深そうにみてまわって、彼女なりの高まりを感じている様子。

次の部屋は、外国のもの。西から東までの聖典が各種。1664年製のバイブルの重厚さ、ミャンマーの象牙製表装の経典のきらびやかさ。グーテンベルグの活版印刷機による42行聖書の複製も。

ものとしての存在感の重みに、工芸は神様と繋がってることを実感した。言葉だと大仰に響くけど、みたらわかる。

子どもの動きが早くなってきて、足早に次の展示室へ。一階は本と、韓国の紙工芸。ゆっくりみられなかったので、また行こう。

その後は喫茶室で休憩。窓の外に川沿いの緑が広がる気持ちの良い部屋で、リンゴジュースと、きなこ白玉を頼んだ。受付もショップのレジもカフェも同じ人が一人で回してらしたので、あまり味に期待してなかったのだが(失礼)、すぐに出してくれたお茶も、リンゴジュースも、白玉も、もの凄く美味しかった。

いずれ子どもが使うかなと思って、端切れセットのような、型染め和紙の切れ端詰め合わせセットを買った。

子どもも楽しかったらしく、帰り道も、家に帰ってからも、翌日になっても「おみせたのしかった」と繰り返していた。良い空間は良いよね。



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