帰れなかったサンタさん　前編

『帰れなかったサンタさん』

ななちゃんは　クリスマスが大好き

今年も　わくわくする　その日がやってきました

「いい子にして　早くねないと　

サンタさん　来てくれないわよ」とママがいいます

「はーい　おやすみなさい」

ななちゃんが　スヤスヤと　ねむりについたころ

シャンシャンシャン・・・

遠くで　鈴の音が聞こえ

空から　ポップコーンのような雪がふってきました

その　ふわふわの雪につかまって

たくさんの　ちいさなサンタさんが

いろいろなお家へ　おりていきます

メリークリスマス　メリークリスマス

そして　朝になると　おそとはまっしろです

どこのお家も　クリームたっぷりのクリスマスケーキのように

おいしそうに　かがやいています

あまいかおりで　目をさました　ななちゃん

おいしそうなお菓子のお家のプレゼントが　くつしたの中にありました

そして　となりには

サンタさんが　スヤスヤと　ねむっていたのです

ななちゃんが　そっと　サンタさんにさわると

サンタさんは　目をさまして

眠たそうに　ちいさなあくびを２回しました

そして　あかるくなった　外を見て

サンタさんは　びっくりしています

「あれっ　すっかり朝になってしまっている

どうしよう　どうしよう」

サンタさんたちは　たくさんのプレゼントをまにあわせるために

ずっと　はたらいていました

どのサンタさんも　みんな眠かったのですが

帰りの集合時間にもきづかずに　すっかり眠りこんでしまったのは

ななちゃんのお家に来た　サンタさんだけだったようです

「またクリスマスがやってくるまで　サンタの国には帰れないぞ」

サンタさんは　ちいさなためいきを２回つきました

「ななといっしょに　ここにいればいいじゃない？　ね？

ママのつくるおやつは　とてもおいしいのよ」

パパやママには　サンタさんは見えません

とつぜんずりおちるメガネや

とびだすネクタイなどに　びっくりするパパ

りんごやプチケーキについた　ちいさな歯型を

ふしぎそうに見てるママ

サンタさんは　とてもイタズラずきです

後編へ・・・・