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「第一帖・桐壺」2021/09/23源氏ゆる語り

さて、ついに始めてしまいました、源氏ゆる語り配信!
源氏物語54巻、ここでは「五十四帖」と呼ばせて(書かせて)いただきましょう。ツイキャスのラジオ配信でだいたい毎回1時間くらいかな。
配信後、noteで補足をしたり、言い間違えたとこがあれば修正したり、その時に使用した資料をアップしていきます。
もう15回目までは配信が終わってるので、まずは追いかけていかないと!

初回は教科書にもよく載っている「桐壺」でした。
アーカイブはこちら。

今改めて聴き直すと、やっぱちょっと緊張してるなww
あと、この日ってね、ライブ復帰するはずだった日なんですよね。
それができなくなったことがこの配信を始めるきっかけになったのですが。
それもあって、最初3分くらいはそのお話もしてます。

初回なので「トークだけでどれだけ説明できるか」試してみたのですが、やっぱ系図とか資料はあったほうが良いかなと後悔。
ここにはこの回を聴く上で助かるであろう資料を載せておきます。

桐壺巻の系図
後宮図

この後宮図は今後も結構使いますよ。
左側真ん中あたりの清涼殿っていうのが帝が寝起きするとこです。
で、右上の淑景舎(しげいさ)というのが桐壺更衣に与えられたお部屋。
遠いでしょ〜?
壺(庭のこと)に桐が植えられていたので「桐壺」と呼ばれるんですね。
ここに住んでた更衣だから桐壺更衣とあだ名されてて、その桐壺更衣を溺愛しちゃった帝だから桐壺帝と呼ばれてるんですよ、この時の帝は。これが光源氏の両親ですね。

ちなみに藤壺は壺に藤が植えられていた飛香舎のこと。藤壺女御はここに住んでました。
そして桐壺帝に最初に入内(じゅだい→帝の妃になって内裏に入ること)したのが弘徽殿の女御。怖い怖いお人です。
どちらも清涼殿から近いでしょ?近いところに部屋をもらってるってことはつまり、後見の勢力が強く、帝が丁重に扱うべきお妃ということでもあります。

ちなみにお妃は、後見人である親などの勢力が強く地位も高いと「女御(にょうご)」として入内します。一段格下になるのが「更衣(こうい)」です。
その他、帝の身の回りで後宮の女官としてお勤めする内侍(ないしのかみ・ないし)や後宮の衣服裁縫係の長官の御匣殿(みくしげどの)が帝の寵愛を受けて妃に格上げになったりもしますね。内侍督は「かんのとの」って呼ばれたりもします。
あと天皇や東宮に寵愛されたお妃を御息所と呼んだりすることもあります。
いろいろ呼び名があって大変。こちらも参考になるかな。
これ、高校生の生徒たちに説明する時に使ってるプリントです。ふふ。

この資料を元にアーカイブを聴いてもらうと、よりわかりやすくなりますよ!

この日のポイントは
1、帝って不自由すぎない?
2、お妃たちの勢力の違いって?当時のいじめってどんなの?
3、帝が一人の女性を愛したら国が潰れる!?
4、桐壺帝はなぜ二の宮(第二王子)を臣下に落としたのか?
5、光源氏が藤壺に恋しちゃったのは桐壺帝のせいでは!?
6、光源氏の正室となる葵の上の不幸とは?
7、教科書は面白いとこを載せてない〜!

こんなことをお話ししております〜。
この巻は物語の中でも「登場人物とその関係性や設定の紹介」みたいな役割の巻なので、あらすじとしては簡単なんですよね。
だから、ざっとあらすじをお話しした上で、その設定の補足というか、当時の常識がわかってないとイメージしにくい部分をアーカイブ15:00くらいのとこからじっくり説明しております。

あ、ここで一つ言い間違いの訂正を。
27:30くらいからのとこ、後の「明石」の巻で、亡き桐壺帝が霊となって源氏の夢に現れたお話をしてるんですが、この時、源氏はまだ須磨の地におります。ちょいとした事件がありまして須磨で謹慎生活をしている時のことです。その後、「明石」の巻の途中で明石に移動し、明石で謹慎生活の続きをするんです。
「明石」という巻の名前に引っ張られて、須磨の地でみた夢に桐壷帝の霊が現れたのに、明石で謹慎中にって話しちゃってるんです。これ、言い間違いです。配信中は気づかなくて、ごめんなさい〜。ここで訂正させていただきます。

と、訂正させていただきましたところで。

当時の常識を踏まえた物語の細部などをいろいろお話をさせていただいた中で、特に「教科書は面白いとこを載せてない〜」ってやつ。これ、特に今回強調したい話題です。本当にね〜、これなのよ〜。
37:00くらいから話してます。プンスカしながらww

コメントで「平安時代の月9!」という感想が出ましたのが大変嬉しく。そうです。そんな感じでまずは読み始めていただきたい!
なんせ当時の男女がキャッキャしながら読んでたベストセラーなんですから。

言葉の違いのみならず、生活の形態や時代の常識、思想、宗教観、そういうものが今とは違うので別世界のように思ってしまいますが、そういう違いを知識で補っていくと、ふと「千年の隔たりがあっても変わることのない人間の愚かさや愛おしさ」みたいなものを感じる瞬間があるんですね。たくさんあるんです。
それを感じた時、きっとものすごく身近なものになると思うんです。
ドラマとして、楽しむことができるようになります。
めっちゃ面白いし、作者の紫式部って本当に作家としてエグい才能なんですよ!!

それが伝わったらいいなって思ってます。

お時間のある時にアーカイブを聴いてみてくださいね。
そして質問はどんどんこちらのコメント欄で!
感想も書いてもらえたら嬉しいです。

あと、最後にね、配信の最後の方で「源氏物語はプレイボーイの話ではない!」と力説してます。これね、ちょっと補足します。
プレイボーイの話って簡単に言っちゃうとね、女性遍歴を華やかに描くだけの話みたいじゃないですか。そして「時代における特異なプレイボーイ」みたいな印象になるでしょ?
確かに源氏は美しいし口も上手いし才能豊かだし権力もあるのでモテますよ。ある意味プレイボーイではあります。でもたくさんの恋人がいることは、当時は男性にとっては当たり前なんです。それが男性には許されてる時代だったわけですし。
つまりはプレイボーイという特性を描いた物語ではなく、それは当時の貴族の男性としては当たり前の行為であり、そう考えるとむしろ源氏は物語の中で描かれる妻や恋人は少ない方だよと。
まぁ、女好きではあるし普通にいろいろ口説きますけどもね、身近な女房(女房とは女性の家来のことですよ)とかにもちょっと手をつけたりしているようなこともさらっと書かれてますし。でもそれは全くもってメインの話ではない。特別な話でもない。普通なんです。普通。

物語の光源氏設定の特性としては、むしろ「初恋に縛られ、苦しみ、初恋を拗らせて最終的に自らの首も締めてしまうような人」なんです。
プレイボーイというよりむしろ「初恋こじらせ系男子」です。

これはまた今後、じっくりお話ししていくことになります〜。

というわけで。「第一帖・桐壺」でした。アーカイブURLもう一度載せときます。
https://twitcasting.tv/chieroom/movie/702504406

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