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「第三帖・空蝉」2021/10/06源氏ゆる語り

ツイキャスで配信中の源氏ゆる語り、今回は第三帖・空蝉です。
前回の最後に出会った中の品(中流貴族)の女。人妻である空蝉との秘密の恋。
アーカイブはこちらです。
https://twitcasting.tv/chieroom/movie/704381654

系図はこちらです

空蝉・系図

彼女は空蝉という名前なのではありません。
物語の中で実際の名前が出てくる人物はいないんですよ。
光源氏だってあだ名です。源という姓を与えられて臣下に降った皇子、光り輝くような美しさを持っていたために光る君と呼ばれたということから、読者の中で「光源氏」という愛称になっただけなのです。空蝉さんも同じようなもの。この巻での印象的な場面から付けられたあだ名です。

彼女は伊予介(これも官職名ですよ。地方官です)の若い後妻でした。
元は中納言の娘。父親の中納言が生きていた頃は入内の話もあったくらいなのですが、父親の死後経済的に困窮し、初老の受領(地方官)伊予介の後妻になります。
あ、身分のプリント、また貼っておきますね。

前巻の最後で光源氏の手に落ちてしまった空蝉。
しかし彼女はその一度きりで、源氏を拒み続けます。
心では源氏に惹かれてしまう部分もあるのですが、夫を裏切って源氏に走ったところで、彼が自分を正式な妻として大事にしてくれるとは思えない。もしそうなったとしても、他の高貴な妻や恋人たちに気圧されて不幸になるだけ。暮らしのことも考えて、彼女は伊予介の妻として生きることを選びます。

まぁ、なんというか、とても現実的な賢い人ともいえますね。

ちなみに源氏が垣間見をするシーンで空蝉が義理の娘の軒端荻(のきばのおぎ)と碁を打ってるんですが、そこでは源氏に「そんなに美人ではない」とか言われてます。アーカイブ16分くらいからです。結構辛辣ww
軒端荻の方が派手な美人だけど、ちょっと落ち着きがなくて品がない。空蝉は品がいいからトータルでいい女感は空蝉が勝ると。
なんかこう…、作者の容赦のなさよ…。

あ、その場面の説明で話してる夏の衣の資料も貼り直しておきますね。

ちょっとボケてるな、この写真。
本を写したんですけど、だめですね、これ。てゆか、系図も結構ラインが歪んでますね。ははは。
とりあえず今は貼っときますが、後日修正しますね。まずは配信に追い付かねば。

彼女の弟の小君を幼い恋人のように可愛がりながら自分の味方につけて、小君を利用して強引に空蝉に迫ろうとする源氏。
ある夏の夜、夫が留守の間に忍び込んだ源氏に対して、空蝉は夜着のように掛けて眠っていた薄い衣を脱ぎ捨て、その場から逃げます。
その時に脱ぎ捨てられた薄い衣が蝉の抜け殻のようであったということで、空蝉と呼ばれるわけですね。

で、隣に寝ていた義理の娘の軒端荻が身代わりになってしまうというね。おいおいって感じでもありますが、まぁ彼女はフリーでしたし、源氏とそんな関係になれるなんてある意味とんでもない幸運でもあったりして。(まぁ、源氏からしたらアクシデントなので結局彼女に執心することはなく、彼女は後に身分相応の男と結婚することになりますけどもね)

この辺りのお話、詳しいことはアーカイブにてどうぞ。
軒端荻への源氏の対処とか、なかなかに鬼です。
ほんまに上手いこと言うわ、この男は。

この後、ちょっと笑えるシーンを入れるのは、作者なりのフォローですかね。22分30秒くらいから。このままだと源氏の鬼っぷりが印象に残っちゃう!みたいな?ちょっと笑いでそらしたかな?
「あな、腹々(はらはら)」ww

最後に、空蝉がね、自分が脱ぎ捨てた衣を源氏が持ち帰ったことを知って、「汗臭くなかったかしら?」と気にするとこ、いいですよね。なんかこう、リアルで。
一方で源氏はしっかりクンクンしてますけどね。汗臭くはなかったようですね。もしくは汗臭くてもそれはそれでかまわなかったのかも?ふふ。

あ、そうだ、この配信の時の最後に「帝の妃で帝の子供を産んだ人が御息所と呼ばれたり〜」とか言ってますが、実はこれね、この時話したように皇子・皇女を生んだ女御・更衣を指すという説もあるんですが、一般的には天皇に寵愛を受けた女御・更衣など女官を除いた後宮の女性を指す呼称として用いられたとされてるんですね。子供を産んでなくても御息所と呼ばれた人も実際にはおられるので、ここに修正しておきます。

では、もう一度アーカイブのURL貼っときます〜。
https://twitcasting.tv/chieroom/movie/704381654





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