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「第十五帖・蓬生 」2021/12/30 源氏ゆる語り

今回は短いエピソード。
作者の紫式部は物語が大きく動いて一呼吸置くタイミングで、スピンオフ的な短いお話を挟む傾向がありますね。
いや、実際はどのタイミングで書かれ発表されたものかはわからないんですが、物語の流れの中で位置付けるとここになる、ということで、この巻が第十五帖とされています。
配信アーカイブはこちら。

この日は告知していた開始時間を1時間遅れたにもかかわらず、うちのコジローちゃんがわざわざトイレの時間をずらして配信開始に合わせてくるという…彼のレギュラー出演に対する意欲を感じる冒頭でございましたね。
彼のうんちんぐスタイルは独特でしてな。
撮影に成功したことがあるんですが、見ます?
訳あって猫トイレの周りにとりあえず段ボールの壁を設置していた時なのでむさくるしい写真ですが…。

かわいいでしょ〜ww
必ず右手がぐっと上がってるんですよね。ちなみにこのポーズするのはコジローだけです。

さて、コジローちゃんのご挨拶の後にこの巻の紹介に入るのですが、その前にこの巻のヒロインとなる末摘花ちゃんのおさらいを。
そして6:45〜本編に入ってます。
系図はこちら。

一度関係を持った女性は忘れず面倒を見てあげることで有名な光源氏、しかし須磨明石のゴタゴタの間はやはりそこまでの余裕はなく…。もちろんそこで自ら離れていった女性もいますが、信じ続けていたのに源氏に忘れられてしまっていた可哀想な女性がいます。それが末摘花ちゃんです。

元は親王の娘、皇族の血を引いたお姫様なのですが、父も母も亡くなっていてちゃんとした後見人もおらず、寂しく暮らしています。兄は法師になってているうえに、これまた輪をかけて無骨な人で、姫の暮らしをなんとか体裁よくしてやろうなんて考えもしていない。
鼻が赤くブサイク、スタイルも良くないしセンスもない。情趣もあまり理解できておらず、和歌も下手。父の古風な教えを頑なに守って生きている、引っ込み思案で人見知りで、でも、とても一途で純朴なお姫様。

配信でもお話ししていますように、彼女は「末摘花」巻ではとてもコミカルに描かれていましたが、「蓬生」巻ではその切なさや哀しさ、源氏を信じ続けていた純粋さが強調されます。なんだかとってもいじらしくて、愛おしくなってくる。

あ、ちなみに12:30くらいからの「古びた物語」の話は、こういう古い物語の中から、現実の歴史的な資料や文献について確認できるという例ですね。

さて末摘花ちゃん、源氏と出会ってからはたっぷりと(源氏にとっては取るに足らない情けなのですが)生活の援助もしてもらえて、存外の幸福と思っていました。しかし須磨退居以来、源氏からの消息もなく、ますます荒れ果ててしまった屋敷で気の毒なほどの暮らし向き。
なまじ光さんの援助を受けて人並みの暮らしを送ったせいで、仕えている女房達からも不満が絶えません。みんな散り散りに去っていって人数も減る一方。
屋敷の庭にはいよいよ狐も棲み着いたというのですから、ひどい有り様です。もともと良い屋敷だし、古風で立派な調度類もあるし、購入したいという骨董好きもいるのですが、彼女は気位高く断り続けます。

18:00くらいからお話ししてるおばさま(末摘花の母の妹)の話は怖いですね。
親切にしてやることで意地悪するというね。でも、こういう人いますよね。呪詛をパワーにして生きてますな。こちらはぜひアーカイブで。

これは配信ではお話しするのを忘れちゃってたのですが、可哀想に、唯一の味方であった乳母子(めのとご)の侍従まで、彼女の元から去ってしまうことになります。
侍従は姫のことを心から心配していたし、姫もいろんな意味で侍従だけが頼りだったところもあります。かつての源氏とのやり取りも、彼女がいないと成り立ちませんでしたものね。他に残っているのは老女房ばかりでしたし。

でも、例の意地悪なおばさまの夫が大宰大弐となったため、おばさま一家と一緒に大弐の甥(侍従の夫)も任地に下ることになる。当然、妻の侍従を連れて行くことになりますわな。
おばさまは末摘花も(召使い扱いで)連れて行こうとしてるが、彼女は頑として受け入れない。侍従も暮らしのことを心配して一緒に行こうと説得しますが、彼女はまだ源氏に望みをかけている。

仕方なく、侍従は泣く泣く去っていきます。
末摘花はますます孤独になります。

アーカイブ25:45〜、やっと源氏が!
あくまでも思い出してというのではなく、たまたま通りかかったというのがまた悲しいですが…。
まず偵察しにいった惟光を「狐の変化か?」と不審に思う老女房たち。
しかしそれはやがて大きな喜びに変わります。

31:30くらいからお話ししてる、源氏のセリフの後の作者のコメントはすごいですよね。本当に人が悪い。ふふふ。
あと花散里と比べるとこも、作者、ほんまに人が悪い…。

38:30〜の源氏の援助の仕方の話もシビアですね。
世間体な。まぁ仕方ないんですけどね。それでも援助してもらえるなら幸せです。貴族のお姫様は本当に生活力がないのですから。
源氏に援助してもらえているとなると、家来たちも戻ってきます。ゲンキンなものです。
あの意地悪おばさんは上京してこのことを知ってびっくり!そして侍従は姫の幸せを喜びつつも「もうちょっと粘って京に残っていたらよかった」と残念に思ったとか。

配信でもお話ししていますが、この巻はこの時代の中流の人々や落ちぶれた貴族の暮らしのシビアな部分がすごく露わに描かれてますよね。
その点が面白いポイントとも言えます。

42:00くらいからお話ししている、源氏の「イイ男」たる要素の話。そしてハーレムというのではないかな〜というお話。これ結構大事ですね。

46:30くらいからお話ししている雑な終わり方も面白いかな。
ひどいね〜作者。でも面白い。

というわけで、あとは少し雑談しまして、2021年最後の配信は終了しました。最後の雑談は全く源氏と関係ないです。酔っ払ってますww

アーカイブ、も一度貼っときます。ま、50分以降の雑談は聞かなくて大丈夫ですよ。ははは。


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