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「第十一帖・花散里+α」2021/12/01 源氏ゆる語り

今回の配信は「花散里」、とても短いお話です。
短いので、お話が終わった後で皆様からのご質問にお答えするコーナーを設けています。
アーカイブはこちら。

源氏物語の各帖が正確にどういう順番で発表されていたかは不明な部分も多いんですが、大筋の流れでは現在並べられている順番でいいんじゃないかなぁと思われます。
ただ、こういう短いエピソードが、往々にして物語が次の展開に大きく進もうとする時にちょこっと挟まれるのに関しては、「もしかしたら話が行き詰まったりひと呼吸つきたかったりした時に、こういう余談でつないだのかなぁ?」なんて思えたり。

そう思うと、今の長期連載マンガなんかでもこういうスピンオフってよくありますよね。ひと盛り上がりした後とか、ひと展開あった後とかに。
とりあえず私は「ガラスの仮面」が心配なんですけども…もうスピンオフ入れなくていいから一気に進んでくれ!ww

すみません、話がそれましたww

えー、この「花散里」に関しては、前の「賢木」で桐壺院が亡くなった後のエピソードであることは確かなので、朧月夜との密会が発覚する前後。だから順番としてはこの位置で間違いなしかな。
でも「賢木」の最後で密会発覚して右大臣方怒り爆発で「光ちゃんどうなるの〜〜!?」って思ってる読者からしたら、「えっ!続き早く読ませてよ!」って感じだったでしょうね。ふふ。

では、その短いお話を…と、その前に、
3:00くらいからうちの可愛い末娘猫のひなこちゃんが初出演でたくさんお返事しましてね。とてつもなく可愛いんで、ぜひ聞いてくださいね。あ、親バカです。親バカですよ。でもうちの娘、本当に可愛いの。
あと、4:15くらいからはコジローくんも出演します。こちらはもはや恒例のトイレタイムですww

再度話がそれましたが、今度こそ戻ります。
花散里と呼ばれるようになる姫君は、源氏の父の桐壺帝の時代の麗景殿女御(れいけいでんのにょうご)の妹にあたります。この巻では三の君と呼ばれてますので、姉妹のうちの三女だったんですね。

顔立ちはそれほど美しいというわけではない地味な人だけど、一緒にいるとホッとするような、ゆったりしみじみと語り合うのにぴったりの穏やかな女性です。染め物なども上手で、センスの良い人でもありました。
男女のときめきというよりは穏やかな語らいを求めて、源氏は彼女に会いに行くことが多いんですね。

花散里自身も、自分が源氏のような素晴らしい貴公子の恋人に数えられていること自体が奇跡のようなありがたいことだと考える控えめな女性なので、それ以上のことを求めたりはしません。寂しい時はあるけれど、自分はそれでいいのだと思っています。

ちなみに彼女は後に源氏から、母(葵の上)を亡くした夕霧くんの母親代わりを任せられます。それを任せられるだけの人格的な信頼があったという事ですが、一方では、息子が成人しても花散里との間で間違いが起こることはないと踏んでの事(かつての自分のようにね)。

紫の上には絶対に夕霧を近づけないしものすごく警戒してますからね。つまりは花散里が「女」としては見劣りしていたという事なんでしょう。シビアです…。でも花散里は、その「信頼」をよすがとして心穏やかに生きていける人だった。それがやはり何よりの美点だったわけですね。

後に源氏は六条院の夏の町に彼女を住まわせます。これについてはまだまだ先の話ですが、源氏にとっては彼女は常緑の橘、一年を通して変わらない緑、初夏の穏やかなイメージであったという設定なのでしょうね。

さて、この巻はとても短く、20分くらいで本編は終わってしまいますので、あとは皆様からの質問にお答えしたりなど。
ざっと目次っぽく書きますと…

22:40〜当時の桜といえば??の話

24:30〜年齢設定がおかしくなってる登場人物の話
こちらの系図を参考にお聞きくださるとわかりやすいです。

31:20〜紫式部という人について(紫式部日記より、紫式部の女房評など)
ここで一つ修正です。
配信中、私、何を勘違いしたのか、藤原道隆さんと道長さんが母親の違う兄弟と説明してしまってたんです。あとで聞き直してびっくり!
これ、間違いです!道隆と道長はどちらも父・藤原兼家の正室である時姫を母としています。つまり同腹の兄弟です。
道隆は長男、道長は残されている資料からは五男と言われています。
コレ、なんで間違えて言うたんやろなぁ…すみません。
わかりやすいように図を載せておきますね。

紫式部日記からは、彼女の和泉式部評と清少納言評のことを。
そして紫式部の漢文知識と源氏に取り上げられている漢籍についてのお話もしています。
どちらも、彼女の性格が垣間見られるエピソードかと。

1:14:30〜源氏物語や枕草子などはどのような人が読者だったのか?
コレは良い質問をいただきましたね〜。読者について、そしてどのように書写されて現在まで残ったのかというお話をしています。
その関連で『更級日記』作者の菅原孝標女の可愛いエピソードなどもお話しました。

そんな感じかな。
本編20分くらいで、あとは簡単に質問をお聞きして…と思ってたら、思いのほか良いご質問をいただけたので、逆に長くなりました。嬉しい悲鳴!

そんなアーカイブ、もう一度貼っておきます。





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