手首は引っ掻き傷

だいすきな挫・人間のワンマンライブに行ってから、どうも精神状態が良くない。ライブって大体、余韻が残りまくってそれはもう幸せに溢れてるもんだと思ってたんだけど、普段から精神状態が優れないせいか、ライブと言う非・現実から、普段のクソみたいな日常へと急に戻されて、なんというか、落下速度が速い。とんでもなく速い。勘弁して欲しい。
そこでぼくは缶チューハイを飲んで麻痺させようとした。すこぶる酒が弱いぼくは、二杯でハイになる。カスだ。ゴミだ。
ライブのレポツイートに鍵アカウントから引用リツイートされて、恐怖して、世界がぼくをきらっているような感覚になって、紛らわせたくって飲んで、無理にテンションをあげて、そんな状態で片っ端から人に電話をかける。妙にテンションの高いぼくに、やさしい友人たちはいつも通りに接してくれた。ありがとう、友人。
当然ながらそんな逃避は上手くいかない。だってなんも解決してないんだもん。いや、そもそもこんなの解決するとかしないとかそういう問題じゃなくて、自分の捉え方次第なんですけども。申し遅れましたがわたくし、根暗で卑屈で、どこにでもいる平凡な発達障害者です。特技は自分を卑下することと被害妄想。早くころして…
 
そんなぼくでもライブはとにかく全力で楽しんだのだ。ヘドバンしたりとか、体揺らしちゃったりとか、みんなと踊ったりしちゃって。楽しかった。ほんとうに楽しかった。そこで、楽しかったな〜また行きたいなあ〜で終われないのがこのぼくだ。
他人中心な人生を送ってきたぼくはとにかく鍵リツイートに怯えた。気分はもう最悪だ。全くもって陰湿な人間がいたものだ。(Twitterアカウント20個持ち)
怯えるぼくを嘲るように、どっかの陰湿なだれかさんからの執拗な鍵リツイートは止まらない。なんかだんだん落ち着いてきたぼくは、べつに悪くないかもっと思った。むしろうれしくなってスマホに向かってにやけてみせたりする。ぼくを見ている人間が世界にいる。それがあまりいい意味でなくても、何だかひとりじゃない気がした。
 ひとは生涯独りだよ、とかボヤくぼくは、ひとりでいるのが大嫌いだ。分かり合えなくていい、ぼくを理解してくれなくていい、嫌ったっていい。ただ、そばにいてよ……だめなぼくをだめだと責めて…………

罰せられたいぼくは、昔、中学生の時に名札の安全ピンとかシャーペンとかで手首につけた情けない引っ掻き傷に目をやった。まさしくぼくと言うちっぽけな存在を表すように、その傷は小さく、それはもうめっちゃくちゃ薄ーくそこにいた。
「そうだ、リスカしよう。」
アルコールで完全に躁状態のぼくは無敵だった。雪が降ってても関係ない。
さもありなん、いざ!と、ぼくは、上着を羽織って、フードを深く被り、カッターを求めてコンビニへ赴く。カッターはちょっと高かった。ポケットにカッターを突っ込んで、帰路に着く。暗闇がぼくの存在を覆い隠す………ポケットにはカッター…………何て罪なおとこ、ぼく…………(実際はカッターを買うのが恥ずかしくってたまらなかった。店員さんに渡す時必死に顔隠した)
自宅についたぼくは、さっそく手首に刃を当てる。プツプツっと血の粒が生まれる。なんだか微笑ましくってひとりで笑った。細かな引っ掻き傷は増えていく。
…地味だなとおもったぼくは、傷跡を自分の姿と重ねて涙を流す。もう情緒は滅茶苦茶だ。全部一人でやってんだぜ、これ。なんでこんなことになってしまったのだろうか…………
なんだか疲れたので、その日は早く眠ることにした。


……
………

おはようございます。
散々ぼくをいじめてきた人間が今更現れてきたかと思えば、何だか凄く嫌な笑顔を浮かべながらぼくに数多の暴言を叩きつけてくる。必死に言い返すぼくを彼は嘲笑し、いつの間にかそこにいた元親友からも意味もなく理不尽に貶され、耐えきれなくなったぼくは、泣く泣く高校中退を選択し、まだ学校に居たいよ______と、悲痛な叫びと共に涙を流しながら目を覚ましました。夢か…

学校、楽しく行きたかったなあ。

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