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#10 地域連携室ナース 8050問題に思うこと。関わっている人を社会資源として活かすこと。

寒いですね。本当に寒いのは苦手です。いろんな意味で。(笑)
せめて画像は春を待つ「梅」にしました。


8050問題。
先日白熱道場で話が出ました。
介護の現場の人には当然のことになってきていますが、まだまだ一般的には知られていません。今や、8050-20-0とさえ言われています。


以前、行政の地域の貧困者や生活の支援がいる人をどのように拾い上げていくか、というある研修会がありました。とても勉強になりました。

たくさんの地域包括支援センターやケアマネさんたちが来られていましたが、地域就労支援コーディネーター、という人たちの取り組みが紹介されました。

もちろんまだごく一部でしょうが、市が本気で関わっていることがわかりました。

医療保険や介護保険ではどうすることもできない生活の立て直し。
借金の返し方や、働き方。就労支援やメンタルサポートで、生活保護に陥らず、自分の暮らしを取り戻すケースをいくつか聞きました。

「どこの窓口にも該当しない」人が本当に増えています。
一旦生活保護になれば、なかなか立ち直れないケースも知っています。
「暮らしを健全化」する取り組みを色々聞いて、地域連携室の時の仕事を思い出しました。

勝手なもので、ケアマネジャーの時は、「病院は追い出したら終わりだから」と同業者が口にするのを否定できない自分がいました。
たくさんのハイリスク患者さんを受け入れてきましたし、怖い目にもあったこともたくさんありましたが、懸命に頑張っていた自分を褒めてあげたい気持ちです。

でも、地域医療連携室に入ってみると、在宅医やケアマネジャーにお願いできるのは、「社会的なハイリスク患者」のごく一部だったりすることがわかりました。
愕然としたのを覚えています。正解はないなあ、と本当に知ったのはそれからでした。

現役世代のアルコール中毒者(本人は自覚がありません、肝臓病と思っている)。
生活保護も受給できず、介護保険や医療保険で彼の生活を救えるわけではありません。暴言・暴行のある精神科疾患。地域のリソースは本人が受け入れてくれなければ、訪問しません、と言われてしまいます。精神科病院との連携も強化しました。
ですが、内科疾患などがあれば、精神科も観切れない時もあり受け入れは困難。

こういった方が、生活を立て直すにはどうしたらいいか。再入院を繰り返すたびに
行政や民生委員さんたちとのやり取りを行います。
家族も悲惨な状況です。
がんのような様々な制度もなく、高齢者のような窓口もない。
それぞれのケースに立ち向かわねばなりません。
こういった悲がんの患者さんは、得てして悪者にされがちです。

今まで怠けていたからでしょ?孤立してきたのは自分のせいでしょ?
いやいやいや・・・家族のあり方は十人十色。
本当に難しい。


家族関係の修復ほど、どんな病気よりも難しいと実感したこの経験は、
今の私の仕事に本当に生きています。

どんな時も、今までのことを忘れて、まっさらな気持ちで向き合う。
私が退院支援ナースとして「レスキューナース」と言われた、1つの理由でした。

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