ト書きセリフ起こし_その9(完)「地球温暖化が問題の現代 から 地球寒冷化が問題になっている異世界に 転生したお話」

【焼き畑の描写】
【自室の机で一人対策を考える転生者の描写】
【二酸化炭素濃度が下がり続ける描写を挟み込む】

ーーー
【宰相・老大臣・若大臣がいる中で、解析スキルが終わるカット】
転生者「また、二酸化炭素濃度が下がってました…」

老大臣「こうなれば、焼き畑農業をさらに拡大して」
転生者「いえ、これ以上の拡大は生態系が崩れる恐れがあります」

老大臣「ならば件(くだん)の牧場を増設して」
若大臣「件(くだん)の吐く一酸化二窒素でオゾン層が
破壊し続けているはずです。それを考えると得策とはいえません」

若大臣「うぬぬ~」
転生者(あぁ・・・また怒らせちゃう・・・)
【背景に今まで老大臣が怒ったシーンを描写と↓
老大臣「じゃあ、どうするんじゃ!!」】

老大臣「ぬぬぬ~…」
「・・・」
「お主達が…そう言うのら…そうなんじゃろうな
別の方法を考えよう…」

ーーーー
【召喚場の魔法陣が光り出す描写】
【魔法陣から"帰還の扉"が出現する描写】

天の声「クリアしましたークリアしましたー
転生者は救世主としての使命をクリアーしましたー
お出口はこちらです」
【扉が開くカット】
ーーーー

【部屋の扉が開く描写、隊員や議員が部屋になだれ込んでくる】
隊員「報告です。"帰還の扉"が出現、開きました」

宰相「なんだと!?」

議員「つまり二酸化炭素濃度が元に戻ったんですね?」
転生者「え?いえ、そんな」
老大臣・若大臣「・・・」

議員「我々の努力がついに実ったんだ」
議員「今日は宴だー」
【議員達がワイワイしている描写】
転生者「いえ、違います」

宰相「お前ら勝手に話を進めるなーっ!!」
議員達:シーーン
転生者(宰相さん…)

宰相「早急に人数分のビールジョッキを手配しろ」
議員達「ワーー」
転生者(この人は飲めればそれでいいのか?…)

転生者(なんで…何一つ解決してないのに…)
(なんで帰還の扉が開いたの?)

---
【宴のシーン】
宰相「いやー、やっぱ税金で飲む酒はうまないよなー」
議員「宰相、言葉を選んでください」
【ため息をつく転生者、それを見ている老大臣のカット】

---
【宴の翌日。転生者は一人で"西から昇る太陽"を
眺めていると老大臣が後ろから話しかけてくる】

老大臣「いやー転生者せいせいするのぉ」

転生者「・・・」

老大臣「事を起こせばお主は失敗ばかりしおってからに。
タービン開発なんて国家予算の5%だぞ
それで成果が『あれ』だなんて国が傾くわ」

転生者「すみません」

老大臣「…まっ、しかし失敗は若者の特権じゃ」

「若者の失敗を補うために我々大人がいる」
「あとは大人たちの仕事だから
お主のようなひよっ子はお役御免で扉が開いたというわけじゃな」

転生者「・・・
ひょっとして慰めてくれてるんですか?」

【老大臣のツン顔のコマ】

転生者「ありがとうございます。でも私それほど落ち込んでないんです」

「きっと別の理由で、帰還の扉が開いたんじゃないかと思ってて」
「それが正しいのなら多分未来は大丈夫ってことかなって」

老大臣「?」

転生者「ダーウィンという生物学者の言葉なんですけどー」

ーーー
【シーンが切り替わり、転生者の挨拶のシーンになる】
【ドアの入り口に「第〇〇対策会議と転生者のお別れ会」の立て掛けがあるコマ】

転生者「あの…実は皆さんに伝えなくてはいけないことがあります」
「二酸化炭素濃度はまだ下がり続けています」
「私には問題を解決することが出来ませんでした」

【頭を下げる転生者。どよめく人々の描写】
議員「宰相、大臣の方々は、この事をご存じだったんですか?」
老大臣・若大臣「・・・」

宰相「うん!!」ニコッ
議員(・・・この人だきゃー)
【宴の際、宰相が一番飲んでるカット】

転生者「でも、あのですね、あの…」

【老大臣のため息のカット】
老大臣「静まらんかい若造ども
わしが尊敬する生物学者の言葉でこんなのがある」

転生者(あっ)

老大臣「強い者、賢い者が生き残るのではない。
変化できる者が生き残るのだ」

ーーー
【朝日のシーンに戻る】

老大臣「変化できる者が生き残る」

転生者「はい」

「この世界を元通りにするのが救世主である私の使命だと思ってたんです。
でも一度変わったら元になんて戻れないですよね」

転生者「だったらこちらも変わっていくしかないわけで
もしかしたら異世界のみんなに変わってもらうために
強くも賢くもない私が救世主として選ばれたのかなって」

「そう考えるとなんかすごいしっくり来てですね。多分そうなんじゃないかって」

老大臣「変わったって・・・」
【自分が着ている「着炭素」の上着を見つめる老大臣】
老大臣「・・・」
老大臣「そういうことにしとくか」

転生者「はい、そういうことにしましょう」
ーーー
【転生者がバックを持って、手を振りながら帰還の扉をくぐるコマ】
天の声「お通りの際は、お忘れ物なさいませんようにご注意ください」

転生者(こうして私の異世界転生は終わった)

ーーー
【帰還の扉をくぐった後「転生前の回想シーン」に戻る】

母親「グレタ…私この娘本当嫌いだわ~」

転生者「…」

母親「大人の操り人形じゃないーーー
あなたは大学ーーー英語ぐらいできなきゃーーー」

転生者「…私」

転生者「英語じゃなくて電気工学の勉強がしたい
私、タービンを作るのに何度も失敗して」

回想シーン挿入ーーーーーー
【『ドン』の効果音のコマ】
【水蒸気の出力でタービンが上空に吹っ飛ぶ、上空でタービンが浮かんでるコマ】
【空を見上げる三人(転生者・老大臣・若大臣)のコマ】
【前方の地面(タービンの落下位置)をみる三人のコマ】【『どーーん/わー』の効果音】

【老大臣と若大臣が大量の始末書を書いている横で、転生者が謝っている描写】
ーーーーーーーーーーーー

転生者「電気から磁力はできたけどモーターなんて作れなくて」

回想シーン挿入ーーー
【磁力を使ったモールス信号】
街の人「テレパシーのほうが便利だなー」
街の人「だなー」
転生者「・・・」
ーーー

転生者「でも作るのが凄く楽しくて」

---
【転生者が帰還した後、残されたメモを頼りに若大臣がモーターの思考錯誤をしている描写】
【若大臣が何かをひらめいた描写、作り直しモーターが回る描写】
【満面の笑みになる若大臣の描写】
【周りに人が居ないことを確認しガッツポーズする若大臣】
---

転生者「だから・・・」

【母親の黒塗りの顔から普通の顔に戻るカット】

母親「・・・いいんじゃない?
今時のエンジニアは英語も必要だって聞くし」

母親「最近は学校でタービンなんて作るのね…」

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【転生者の自室のシーン。グレタの表紙の雑誌や
地球温暖化の本が電気工学の参考書に変わっている】

転生者(この世界も私もまだまだ問題は山積みだ)
(それに未来は不確かで何の保証もない)
【温暖化ニュースの音声が挿入される
※転生者が異世界時に解析スキルで調べた二酸化炭素濃度の減少率と
こちらの世界の増加率が一致している】

転生者「よし!」
【鏡の前で、おでこを出す髪型に変えた転生者】

転生者(でも変わっていこう。変えることは不確かでも変われるのは確かだ)
【通学路で転生者が同級生に手を上げて駆け寄っていくカットで終わり】

補足/資料----------------
・世界最高水準のガスタービン製造工場に潜入!
https://emira-t.jp/kengaku/5361/

・焼き畑農業
https://shop17.secdelsuenos.ru/category?name=%E3%82%A2%E3%83%9E%E3%82%BE%E3%83%B3%20%E7%84%BC%E7%95%91%20%E8%BE%B2%E6%A5%AD

・オゾン層
http://www.hardoc.org/ozon.html


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