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冬期湛水トロトロ層の省エネ力【地エネたいむ vol'21】

【写真】6月初め、オオアカウキクサで覆われた冬期湛水田=加西市内


 「地エネの酒 SDGsプロジェクト」は、人と自然をつなぐ新しい地域資源循環によって化石燃料の利用を削減し、地球環境への負担を減らすものづくりの試みです。有機物のごみから自然エネルギーのバイオガスを生産し、副産物の消化液で酒米山田錦を育てて日本酒「環(めぐる)」を醸します。

 地域資源循環によって化石燃料を減らすプロジェクトのポイントの一つ目は、バイオガスの利用です。ごみから作るこの燃焼性ガスを給湯や電気に使う分だけ、石油などの利用を減らすことになります。

 二つ目は化学肥料から消化液(有機肥料)への転換です。化学肥料は輸入の天然ガスを原料としているので、消化液が普及するほど農業の化石燃料依存度を低減できます。

 三つ目は、微生物の力を生かした農法の導入によるエネルギー利用の削減です。そのうちの一つに冬期湛水があります。
 プロジェクトにおける大きな発見だったのが、冬から田んぼに水を入れる農法が持つ省エネ効果の大きさでした。その仕組みとメリットを紹介します。

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